未来に可能性を感じない日本
100歳以上長生きしたいと思わない人が7割~8割もいるということで以下の記事を書いた。
今の時代、給料は上がらず、税金だけが上がっていく。
それでも、若い頃に死に物狂いで頑張って子供を大学に入れて、何とか卒業を迎え、就職も決まり、親としての務めを果たしたと思っていると、会社からは、割増の退職金をチラつかされて、早期退職を促される。
まとまった金が今、入れば家のローンは返せるが、年金が支給されるのは、まだまだ先。
しかも年金が支給される年齢は遅くなる傾向にあり、支給額も減らされ傾向にある。
その上、70歳まで働けと言われる。
それだけではない。
両親もいつまでも健康でいてくれるとは限らない。
親の介護の心配もしないといけない。
定年を迎えて、悠々自適な生活を夢見ていたが、年金がもらえる年齢になったら、身体も弱ってきて、自由に好きなことができるとは限らないので、文字通り、夢で終わるのではないか?と希望が薄れていく。
寝たきりになったとしても子供は面倒を見てくれるとは限らない。
国には更に期待することができないので、介護老人ホームのような場所を検討しないといけなくなる。
「長生きなんてするもんじゃない」と言ってた親の言葉が今になって身に染みて来る。
とまぁ、こんなことを考えていると、暗い現実しか見えてこないので、未来に可能性が感じられなくなる。
辛い思いをしてまで健康になりたくない
少し前までは、健康のために、食べたいものも食べずに健康に良い物ばかりを食べていた。
ダイエットをしないといけないと健康器具を買ったり、ジムに通ったりもしていた。
しかし、未来に可能性が感じられない日本では、我慢して長生きすることに意味を感じられなくなる。
だったら、好きなものを食べて、好きなことをして早死にした方がましだ。
そんな人が増えてくれば、今後、健康食品・器具やサプリメントといったものは、売れなくなっていくのではないかと思う。
その結果、死ぬときは痛い思いをしたり、苦しんだりしたくないので、ぽっくり死(突然死)で終えたいと考える人が増えているというのが現状だと思っている。
プルガダ症候群
そんなことから、ぽっくり死の現状を調べてみようと検索していると「プルガダ症候群」という病気が出てきた。
睡眠中や安静時に突然死することがある心臓の病気らしい。
中年の男性に多く、30~50歳で最初の発作が起き、日本ではおよそ1000人に1人程度に発症し、男性に多いようだ。
心電図に「ST上昇」という特徴的な波形が現れるため、通常の心電図検査で発見することができる。
2021年10月にはEXIT兼近さんが、人間ドックの心電図検査でプルガダ症候群の疑いがあると診断されたと報道されていた。
遺伝子の異常により発生
プルガダ症候群は、遺伝子変異により起きるとのことだが、がん細胞も、正常な細胞の遺伝子に2個から10個程度の傷がつくことにより、発生すると聞いた。
遺伝子というのは、DNAの一部になる。
DNAというのは、生物の「形や性質」を決める全ての情報(設計情報)が書き込まれている。
DNAはどこに存在するのか?
人は細胞が集まったものになる。
そして、細胞には核というものが存在し、その中には染色体という糸のようなものが存在する。
染色体は人の場合、23本×2対で合計46本存在する。
そして、46本の1本がそれぞれDNAとヒストンというたんぱく質で構成されており、DNAは、ヒストンに巻き付いた状態になっている。
DNAは、ヌクレオチドという物質が連なったもので、塩基と糖、リン酸で構成されている。
塩基にはアデニン、チミン、グアニン、シトシンの4つがあり、アデニンはチミン、グアニンはシトシンとしか結びつかない性質がある。
この組み合わせで下図のような二重螺旋構造で組み上がったのがDNAになる。
DNAはどのよう要因で傷つくのか?
DNA(遺伝子)を傷つける要因としては以下のようなものがある。
1.化学的因子:タール、アスベスト、ホルモン、免疫抑制薬など
2.物理的因子:機械的刺激、放射線、紫外線など
3.生物的因子:ウイルス
4.がん遺伝子、がん抑制遺伝子
5.その他:食物(食習慣)、生活習慣(喫煙、飲酒など)
【出典】大人の皆さんへ:遺伝子に傷がつく(がん発生の)原因 | 子どもと大人のがん教育 がんってなに
国立がん研究センターをはじめとする研究グループが、日本人のがんの予防にとって重要な、5つの生活習慣を定めている。
- 禁煙
- 節酒
- 食生活
- 身体を動かす
- 適正体重の維持
上記で、食生活については、補足しておく。
以下の3つががんの原因になるということが明らかになっている。
- 塩分や塩辛い食品のとりすぎ
- 野菜や果物をとらない
- 熱すぎる飲み物や食べ物をとること
【出典】科学的根拠に基づくがん予防
熱すぎる飲み物、食べ物を取るのが良くないというのは意外だった。
上記では触れられていなかったが、ストレスは、身体の免疫力を低下させるということなので、ストレスも避けることが必要。
矛盾していないか?
最初に、今の日本からは未来の可能性が感じられないといったことを、長々と書いて散々、我慢せずに好きなことをした方が良いといった内容で煽っておいて、今更、DNAを傷つけないようにしないといけないってむじゅんしているのではないか?と叱られるかもしれない。
先ばかり見て、暗い未来しか見えないからと生きることを放棄したくなる気持ちはよくわかる。
しかし、選択肢は一つではない。
死に物狂いで頑張れば、火事場の馬鹿力で自分が思っていた以上の力を発揮することができて、光が見えてくるかもしれない。
何だかんだと言っても、誰だって、最善の判断をしたいと思っているはず。
その時に、体調がベストでない、冷静な判断ができないような状態だと最善の判断なんてできない。
だったら、自分をベストな状態に維持するように・・・いや、ベストでいられる時間が極力長くなるようにしておくことが大切なのではないだろうか?
今は、仮に長生きしたくないとしても、もしかすると、次の瞬間に何かが起きて長生きしたくなるかもしれない。
その時になって、今の不摂生のために、長生きできなくなってしまったのでは後悔することになる。
人間、健康にはなりたくてもなれないが、不健康であれば、気持ち次第で何とかなってしまう。
そう考えると、早まった判断をしないように、常日頃から気をつけておく必要があるのではないだろうか?