100歳以上長生きしたいか?
日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団が、全国の男女1000人を対象に「100歳以上長生きしたいか」についてアンケート調査をしたところ、全年代で7~8割が「したいとは思わない」と回答したそうだ。
※.調査地域:全国、対象年齢:20歳から79歳までの男女、人数:1000人
20代でも約75%というのだから、今の日本は長生きしたくない国になってしまったのかと驚いた。
100歳以上生きたくない理由
- 家族や周りの人に迷惑をかけたくない(59.0%)
- 身体がだんだんつらくなると思うから(48.2%)
- 経済的な不安がある(36.7%)
100歳以上まで生きたい理由
- 少しでも長く人生を楽しみたいから(68.2%)
- 子どもや孫たちの成長を見たいから(38.6%)
アンケートの中にもう一つ、気になる質問があった。
今夜、死ぬとしたら、何か心残りはあるか?
心残りがあると答えたのが、63.6%しかいなかった。
また、歳を重ねるに連れて、心残りがある人が減っている傾向がある。
- 20代:76.2%
- 30代:73.2%
- 40代:68.5%
- 50代:60.9%
- 60代:51.5%
- 70代以上:54.7%
【出典】ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2023年(ダイジェスト版)
【出典】ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2023年(全文)
平均寿命と平均余命
現在の「平均寿命」は「男性で79歳、女性で86歳」
そして、65歳の方の平均余命はというと以下の通り
女性
- 70歳:97%
- 80歳:84%
- 90歳:49%
- 100歳:6%
男性
- 70歳:93%
- 80歳:68%
- 90歳:25%
- 100歳:1%
今の時点では100歳以上生きられるのは、多くて100人に6人ということになる。
そして、少なくとも7割以上は80歳まで生きることになる。
女性に至っては約半数が90歳を迎えている。
自分は?
じゃあ、自分は100歳以上生きたいだろうか?
今夜、死ぬとしたら、何か心残りはあるか?
どちらも、多数意見と同じだった。
いや、それどころか、90歳までは生きなくても良いかな?とさえ思っている。
90歳になれば、寝たきりになる可能性が高いだろうから、身の回りのことを誰かの手を借りることになるかもしれない。
仮に寝たきりにならなくても、老化により腰や膝に痛みが出て思うように動けなくなるのは間違いないだろう。
安楽死と尊厳死
自分としては、思うように動けなくなってしまったら、正直、生きていてもしょうがないと思っている。
周囲の人に聞いても、治る見込みがないなら安楽死させて欲しいという意見しか聞かない。
共通するのは周囲に迷惑をかけてまで生きたくないということ。
治る見込みのない延命治療は本人も家族も望まない場合が多いと思う。
このため、誰も望まない延命治療は、色んな意味で苦しませるだけの行為だと思う。
勿論、望む延命治療は積極的に行うべきだと思う。
そんなことを考えていると治る見込みのない病気と診断された独身の方の選択を思い出した。
面倒を見てくれる人がいないので、安楽死を希望するも日本では認められてないということから、安楽死が認められている国がないか探した。
すると、スイスが見つかった。
しかしスイスでも、医師など第三者が患者に直接薬物を投与するなどして死に至らせる「積極的安楽死」は法律で禁止されている。
認められているのは、医師から処方された致死薬を患者本人が体内に取り込んで死亡する「自殺ほう助」だ。
このため、自殺ほう助施設に入り申請、審査を受けたのち、医師から致死薬の処方を受けて、この世から去る選択をした。
その費用は約500万円だったという。
一生懸命に働いて貯めた500万円を使って、安楽死のために異国の地に向かって、死を迎えないといけないというのは、何とも言えない悲しい気持ちになる。
法律で安楽死を禁止しておいて、あとは知らないというのは、あまりにも無責任ではないだろうか?
100歳以上生きたくない人が圧倒的に多く、その理由の多くが人に迷惑をかけたくないから。
それでも認めないというのは、あまりにも残酷ではないだろうか?
安楽死・尊厳死を認めるということはそんなに時間を要することなのだろうか?