ハバナ症候群というのが、大きな問題になりつつあるようだ。
キューバ首都のアメリカ大使館
これは、世界各地に駐在する米国の外交官や情報機関職員やその家族らが「ハバナ症候群」と呼ばれる原因不明の頭痛などの体調不良を訴えてきた問題で、2016~2017年に、キューバの首都ハバナのアメリカ大使館職員に最初にみられたことから、「ハバナ症候群」と呼ばれている。
米国への攻撃?
米国は、2020年12月にマイクロ波に直接さらされたのが原因だった可能性が高いという発表も行っていることからロシアなどの外国勢力による米国への攻撃の可能性も含めて原因を調査しているが、米国中央情報局(CIA)は2022年1月、外国勢力による攻撃である証拠はなく、多くの症例はストレスや自然的な要因で説明できるとの見解を示したが、説明できない症例も数多く残っていると認めている。
そして、2022年2月2日には「電磁波」が症状の原因と考えられると発表した。
情報機関トップに提出された専門家部会の報告書要約版が2日に公表され、一部のケースで電磁波の標的にされたことが原因となった可能性があるとの見解が示された。
部会はヘインズ国家情報長官とコーエン中央情報局(CIA)副長官が座長を務め、米政府内外の専門家で構成。報告書は「電磁波、特にラジオ周波数帯のエネルギー」を指摘。これが耳の痛みやめまいなど幾つかの症状の原因と考えられるとした。
電磁波であれば、米国外交官、情報機関職員だけが症状を訴えるというのは不自然な感じがする。
電磁波の軍事兵器?
電磁波といえば、2021年9月に自民党の総裁選が行われたが、その時に高市早苗議員が政策論争で敵基地を一刻も早く無力化した方が勝ちで、使えるツールとしては衛星や電磁波といったものがあるという発言をしていた。
衛星というのは、防衛省が進めようとしている衛星コンステレーションのことだと思う。
これは、地上から500~2000キロの場所に数百基の監視衛星を打ち上げるというもの。
これを使うとレーダーでは探知が難しい低軌道で飛来する新型ミサイルであっても発射から飛翔、落下までを漏れなく監視することができるようになる。
もう一つ、各国が進めているのは、逆に地上から人工衛星を破壊する兵器になる。
今はGPSやカメラで色々な位置情報を取得したりするので人工衛星は国にとっての目のような存在になっている。
その目を潰すことは戦いを優位に進めることに繋がる。
そして、「電磁波」
これが、ハバナ症候群は、電磁波を利用した軍事兵器が使われたのではないか?とも言われている。
電磁波というのは、放射線、光、電磁界といったものの総称になり、周波数により性質が異なる。
電磁波の中のマイクロ波
軍事兵器として注目されているのは電子レンジでも使われている、「マイクロ波」と呼ばれる電磁波になる。
電子レンジはマグネトロンという真空管デバイスによりマイクロ波を発生させることができる。
マイクロ波にはモノを加熱する性質がある。
このため人がマイクロ波を浴びれば細胞内の水分が一気に加熱される。
マイクロ波は目には見えないし浴びても外傷も残らない。
米軍の兵士がマイクロ波と同様の高周波で通信を行う巨大なパラボラアンテナの前に数時間立っていたところ、数日後に亡くなってしまったそうだ。
各国でマイクロ波攻撃が行われている
旧ソ連は1950年代から1970年代にかけてモスクワの米大使館に向けてマイクロ波を照射して、50名近くの職員に対して健康被害を与えている。
高市議員が言ってたのは、このマイクロ波をミサイルに照射すれば破壊することもできるという内容だと思う。
最近では中国がインドとの国境紛争でマイクロ波攻撃をインド軍に対して行い、15分で立ち上がれなくなる状態になりインド軍は退却したという報道がされた。
この報道に対し中国軍はノーコメント、インド軍は否定している。
ロシアはソ連時代にマイクロ波攻撃を行ったことがあり、中国はインド軍に対してマイクロ波攻撃を行なったと言われるレベルのものを完成させている可能性が高い。
ロシアも中国も米国に対して良い感情は持っていないはず。
米国側はまだ、原因が特定できていないとしているが、一部のメディアでロシアが関与しているのではないか?という報道もされている。
もし、電磁波を使った軍事兵器が使われているとすれば、脅威でしかない。
銃弾とは異なり音もなく、目にも見えず、更には外傷もなく、証拠になるものも残らない。
これが、もしもテロ組織の手に渡れば、多くの人が危険にさらされることになる。
日本でも試作に取り組む
日本の防衛省でも来年度から5年間かけて「高出力マイクロ波兵器」の試作に取り組む予定で来年度の予算案に72億円を計上している。
日本が取り組むのは、建物や人に影響を与えずに電子機器だけを無力化するエネルギー兵器になる。
「高出力マイクロ波兵器」が完成すれば、敵の軍用無人機(ドローン)を無力化することができる。
将来的には、イージス艦搭載の迎撃ミサイルと、地対空誘導弾という現行の二段構えのミサイル防衛網を補完する用途でも期待されている。
米国の反応が不自然
「ハバナ症候群」については、米国が外国勢力による攻撃である証拠がないと、いつもと少し雰囲気が違っている。
いつもなら「xx」が攻撃しているといったことを言うはずだが、今回は違う。
もしかすると、米国自身が開発したものが何らかの原因で誤作動したことで起きたのではないだろうか?
それだと、今回の米国の反応も頷けるので、ハバナ症候群については米国が何かを企んでいたのが失敗したのではないだろうか?