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100年以上持つ、弁当箱

1年待ちの弁当箱

「1年待ちだけど100年持つ究極の弁当箱」そんなタイトルの動画を見た。


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三重県尾鷲市の伝統工芸品の尾鷲(おわせ)わっぱ。

擦り漆塗り丸型弁当箱 16,500円

弁当箱としては高い気もするが、漆を塗り直せば100年以上持つという。

元々は山師さんの弁当箱。

尾鷲ヒノキを使った弁当箱で、軽くて丈夫で、ヒノキの吸湿効果で水分を適度に吸い取り、漆の殺菌効果で食べ物を美味しく長持ちさせる。

電子レンジにも対応しているという。

尾鷲ヒノキは尾鷲に降る激しい雨に耐えるので樹脂が多く粘りがある。

木を曲げて作る尾鷲わっぱには最適な材料と言える。

それでも、製作途中に折れてしまったりするので厳選されたものが使われる。

丸く曲げた檜は、反発で広がってしまうので、継ぎ目を閉じることが必要。

接着剤を使えば、簡単だが、それでは昔ながらの尾鷲わっぱにならないということで、

檜に、炭火で熱したコテで、板の継ぎ目に30個程度の細い穴を開けて繊維が丈夫な山桜の皮を薄く削り、コテで開けた穴に通して閉じる。

底板も金属の釘を打って止めるのではなく、自作の竹釘。

釘で止めなくても大丈夫なように作っているが、20年~30年経てば木が痩せてくるので底が抜けてしまうので、その時の為に打っているという。

全部で45工程あり、全て手作りなので1つ作るのに2か月かかる。


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【出典】ぬし熊チャンネル

使っている人の感想は、プラスチックの弁当箱とは、ごはんの味が全然違う、ごはんがべちゃべちゃした感じがなく、水分を吸ってくれるので冷めても美味しいと話していた。

尾鷲わっぱを作れる唯一の職人は、明治20年創業「ぬし熊」4代目の世古効史(せここうし)さん。

世古さんは、初代が作った明治31年(1898年)3月に作った丸形弁当箱を今も保管しているが120年以上経った弁当箱なのに漆を塗り直せば新品同様に使えるという。

これが、100年持つ弁当箱の根拠となる。

そして、「これより古い弁当箱を持って来られる人がいる」と嬉しそうに話されていたのが印象的だった。

また、世古さんは動画の中で、以下のようなことを話されていた。

  • 若いうちは機械でもできんかなぁと思うたけど・・・できんわなぁ・・・手仕事そのもの。喜んでくれたらうれしいけど。
  • 折れる木もあるけど、選ばんとね。昔の人は凄いよねと話している。
  • 普通に、そんな特別なもんじゃなくて
  • ちょっと価格をさげられるというような感じで普通の人に使ってもらうために作った(擦り漆塗り式の商品)
  • これからも一緒さ、変わらん。普通に手を抜かんとやっていく。使う人が使いやすいもんを、それしかないないもんな・・・作れるまで・・・一生。

言葉は足りないが、人柄の良さが動画からでも伝わってくる。

漆器の手入れ方法

漆器は特有の手入れの仕方があるとのこと。

  • 毎日使用する際は、いつものようにスポンジで食器を洗うのと同じやり方で洗ってください。 洗った後は十分にすすぎ、水分がよく切れるように自然乾燥で乾かしてください。
  • 漆器は、虫干しが必要です。大切に仕舞いこむと湿気が一年に一度やってきて、包んだ布や紙を湿らせ漆器にカビが付きやすくなります。カビが生えて洗っても取れない場合は、食用油を含ませた柔らかい布で丁寧に拭き取ってください。
  • 漆器は使わなくても、年に二回ぐらいは出して洗ってください。 洗うときも拭くときも柔らかい布でお手入れしてください。

丁寧に作られたものなので、使う側も丁寧に使わないと失礼だと感じた。

【出典】伝統技法「尾鷲わっぱ」の漆器製造販売|ぬし熊 : ぬし熊