今週のお題「秋の歌」
口ずさむ秋の歌といわれて、正直、思いつく歌が思いつかなかった。
焼き芋のトラックの歌と言われても、焼き芋のトラックが最近、走っていない。
虫の声も随分前に消えてしまったので、今回に関してはタイミングを完全に外した「お題」のように思う。
小学生の頃の秋の歌
そんなお題ではあったが、小学生の頃に戻ると、石焼き芋カーが「石焼き~~芋♪、お芋!」という歌を流しながら走っていた。
そして、今でも忘れらない歌が1曲あった。
放送部の活動
小学生の頃に、昼休みに給食を食べている時に、放送部のメンバーが放送室に給食を持ち込み、週一回木曜日だったと思うが、生放送を行っていた。
放送の内容は、リクエストがあった曲を流したり、教室ごとの身近な出来事を話したりといった「他愛のない話」だった。
きっと今は放送室から曲を流すのは著作権料が発生してしまうので、できないような気がする。
小学生の放送室だからといって、貧弱な設備ではなく、ちょっとしたラジオスタジオのように、遮音されたブースが2つあり、アナウンスブースとコントロールブースに別れていた。コントロールブースにはデスク型のしっかりしたものが設置されていた。
自分も放送部に所属していたが、マイクに向かって話すということはなく裏方として機械操作を行ったりしていた。
ゲスト出演で出番が終わった児童がスタジオブースから出てくるときには足音を立てないように、ゆっくり移動し、扉も音を出さないようにゆっくり、開け閉めするという妙な緊張感があった。
なぜ、放送部があったのか?
今、考えるとなぜ、小学生が昼休みに、そんなことをしていたのか?という疑問が生じた。
なぜ、小学校にラジオのスタジオのような立派な部屋や放送設備が揃っているのか疑問を感じる。
教育の一環であれば、児童全員が授業で利用するべきだが、放送部に入らないと利用できないのだから、一部の児童だけが経験できることになる。
中学でも放送室があったが、放送部には入らなかったので、中学の放送室には入った記憶がない。
当時は、そんなことは考えることもなく、当たり前のように行っていた。
生放送で歌を唄う?
秋になった頃に、昼休みの放送でリクエストの曲を流す代わりに放送部のメンバーが、2人1組で歌を唄うことになったと放送部を担当する先生が言ってきた。
部員達は一斉に「え〜〜」というブーイングのような声を出した。
学校中に流れる生放送中に誰が歌いたいと思うだろうか?
人前で話すことも嫌でずっと裏方をやっているのに、一体、どの先生が、言い出したのか?と言い出しそうな先生の顔を思い浮かべていた。
しかし、そんなことは御構い無しで誰が歌うのかを決めることになった。
誰が歌うかは、あみだくじで決めることになった。
先生が基本線と当選の○を書いて部員が1人ずつ線を一本追加し、ジャンケンで勝った者からあみだくじに名前を書いていった。
ジャンケンの結果は忘れてしまったが、あみだくじの結果だけは、ハッキリ覚えている。
運よくなのか、悪くなのかは、わからないが、とにかく当たってしまった・・・
こういう時に限って、なぜか当たってしまうのは何故だろうか?
もう1人はクラスが違う女子だった。
生放送で唄うことに・・・
当たってしまった二人で、何を唄うのかを決めた。
同じ放送部ではあったが、あまり話したことがない二人だったので、お互い、なかなか意見が出せずに、決めるのに難航した。
なかなか、決まらないので、先生が見かねて、助け船を出してくれた。
各学年の音楽の教科書を持ってきてくれて、この中から選んでは?ということになった。
唄う曲が決まった
ようやく、決まったのが、「紅葉」
秋らしい歌で、詞が短いからという、子供らしい選択だった。
先生は、これを輪唱で歌ってみては?ということを提案してくれた。
輪唱とは、合唱で歌うグループを複数に分けて歌い始めのタイミングをずらして歌うというものだ。
そして、紅葉を輪唱で歌うことになった。
放送室で何回か練習を行なった。
最初は、恥ずかしくて、なかなか唄うことができなかったが、曲を何度も繰り返し流している間に、どちらかとも口ずさむようになり、最終的には一緒に唄えるようになった。
練習をしている内に本番の前日になった。
練習の時は平静でいられたが、本番前日ともなると、意識するようになり緊張が始まった。
その日の夜は、よく眠れなかったこともあり、不安が更に強まり、朝から緊張はマックス状態だった。
本番当日
その日の午前中のことは全く覚えていない。
普段なら早く昼休みにならないか?と思っていたが、この日ばかりは、昼休みが来ないことを祈っていた。
しかし、時間は止まらないので、昼休みになってしまった。
ドキドキしながら、放送室に向かった。
いつもは、楽しみな給食も、その日ばかりは、緊張で食べられなかった。
その時のことは、今、考えても心臓がドキドキする(笑)
しかし、なぜか本番直前になると、諦めがついたのか不思議と緊張感は消えて、歌うことに集中できた。
無事、歌い終えることができると、お腹も空いてきて、放送室に用意されていた手をつけてなかった給食を完食した。
それ、以来「紅葉」を聴くと今でも若干の緊張感を感じてしまう。
今となれば、こうやって話せる思い出ではあるが、こんな思いをさせる企画を誰が考えたのかと思うと今でも怒りを感じる(笑)