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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

なぜ、議員は辞めさせられないのか?

無免許当て逃げ議員が不登庁

無免許運転で当て逃げ事故を起こして書類送検された木下富美子東京都議会議員の木下富美子に対して都議会は2度の辞職勧告決議を受けているにも関わらず、辞職せずに体調不良を理由に議会を欠席していた。

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4か月ぶりの登庁

木下都議会議員は、2021年11月9日、4か月ぶりに登庁した。

免許の再取得、運転はしないと発言したが、議員辞職はしないとのこと。

国会議員、地方議員は選挙で選ばれて議員になっていることから、本人が辞職をしない限り、原則として辞めさせることはできない。

今回の木下都議は、仮にも都民から選ばれた代表になる。

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2021年7月の選挙では、29,767票(15.6%)を集めており、板橋区では3番目に多い得票数になる。

都議は辞めさせられないのか?

木下都議を辞めさせるということは、約3万人の票、意志を無視することと同じなので都議会で簡単に決められることではない。

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これは、日本国憲法でも以下のように定められている。

  • 第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
  • 第五十八条 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
    ② 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

都議を辞めさせる方法は?

本人が議員辞職しない場合に、辞めさせることが、できる方法は3つある。

  1. 議員・議会の解散
  2. 議員・議会による除名
  3. 有権者によるリコール(解職請求)

1人の議員を辞めさせるために、議会の解散を行うという選択はあり得ない。

何より2021年7月4日に都議会議員選挙が終わったばかりだ。

地方議員の除名については地方自治法で定められている。

  • 第百三十四条 普通地方公共団体の議会は、この法律並びに会議規則及び委員会に関する条例に違反した議員に対し、議決により懲罰を科することができる。
    ② 懲罰に関し必要な事項は、会議規則中にこれを定めなければならない。
  • 第百三十五条 懲罰は、左の通りとする。一 公開の議場における戒告
    二 公開の議場における陳謝
    三 一定期間の出席停止
    四 除名
    ② 懲罰の動議を議題とするに当つては、議員の定数の八分の一以上の者の発議によらなければならない。
    ③ 第一項第四号の除名については、当該普通地方公共団体の議会の議員の三分の二以上の者が出席し、その四分の三以上の者の同意がなければならない。

都議会の会議規則を見ても懲罰に関する内容はあったが「除名」に関する内容は記載されていなかった。

都議会が、辞職勧告しかできないのは、会議規則に除名に関する内容が記載されていないためかとも思ったが、それよりも法律、議会規則、委員会に関する条例に違反しているとは言えないからなのだろう。

しかし、議会からの召喚に応じない、体調不良を理由に議会に何ヶ月も出席していない。

なぜ、登庁したのか?

今回は3回目の召喚になる。

これを断れば、除名処分の理由に該当する可能性を匂わせたのだろう。

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このため、今回は召喚に応じたのだと思う。

召喚に応じたことで、除名処分は難しくなったように思う。

最後の手段は解職請求だけ

残るのは、有権者による解職請求(リコール)となる。

東京都の場合は、選挙区有権者の3分の1以上の署名(※40万人を超え80万人以下の選挙区については(有権者数ー40万人)×1/6+40万人×1/3以上)

木下都議の選挙区である板橋区は約47万人なので、括弧内の計算式になるので、ざっくりと14.5万人の署名が必要になる。

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板橋区民は、木下都議のことを認められないというのであれば、解職請求を行なうことで解職となる可能性は高いと思う。

木下都議は何故、辞職しない?

そして、木下都議は11月9日付で「都民の皆様へ」という文書を公開した。

問題視されていた、議員報酬については受け取りを拒否すると東京都への寄付となり公職選挙法違反になるので、欠席していた3ヶ月分の報酬はNPO法人などの団体に寄付し、政務活動費についても、欠席した3カ月分は請求しないと書かれている。

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議員辞職しない理由として、都議会議員1期目で、都議会議員として多くの取り組みを行ってきたが、この間に「議員を続けて欲しい。これまで通り力を貸して欲しい」という声を頂いているからといったニュアンスのことが書かれていた。

免許停止中の運転に加えて当て逃げ。

更に、このことが発覚すると体調不良を理由に登庁を拒否。

議会からの2回に渡る召喚にも応じない。

こんな議員の信頼は回復できるものではないのは本人が1番理解しているはずだ。

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それにも、関わらず議員を辞職しないのは、どのような理由があるのだろうか?

最初、報酬目当てだと思っていた。

どうせ、辞めるならボーナスの支給までは居座り続けるといった程度のことだろうと。

しかし、報酬はNPO法人などに寄付、政務活動費は請求しないとなると、少し話が違ってくる。

目先の報酬や補助金は切り捨て、残りの任期である約3年半については、しっかり受け取るという考え方もある。

報酬目当てでも、そうでなくても、無免許運転で「当て逃げ」というのは、東京都の条例を定める立場にある都議会議員としての資質に欠ける行為だと思う。

資質のない者が都議会議員になるというのは東京都民のためにはならないので、本当に東京都のためを思って都議会議員になったのであれば、自ら身を引くべきだ。

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それができないなら、木下都議会議員を選んだ板橋区有権者達が責任を持ってリコールを行う。

これが、それぞれの責任だと思う。