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漢方医学とは?

漢方薬辞典を読んでみて

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10月初に漢方について書きましたが、今回は、その続きになります。

seege.hatenablog.com

記事の中で、NHKきょうの健康漢方薬辞典」という本が漢方薬で有名なツムラさんのホームページでも使用されているということで信頼できるだと考えて購入して読んでみました。

NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版

NHKきょうの健康 漢方薬事典 改訂版

  • 発売日: 2016/04/08
  • メディア: 単行本
 

漢方医学と西洋医学の違い

漢方医学と西洋医学とは病気に関する考え方が大きく違います。

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主な違いは以下の通りです。

西洋医学

  • 心と体を分けて考える
  • 診断で病気を診る
  • 治療は原因を絞って原因に対して行う
  • 薬は合成薬物・単一成分

漢方医学

  • 心と体は一つ(心身一如)
  • 診断は「証」を診る
    ※証=体と心のゆがみ
  • 治療の基本は自然治癒力を高めること
  • 薬は天然薬物・複合成分

簡単に言うと、西洋医学は病気に対して外部からの力により治療しようとするもので、漢方医学は自然の力を引き出して治療しようとするものです。

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漢方医学での病気に対する考え方

漢方医学での病気は体と心のバランスが崩れたことで起きると考えます。

このため、治療は体と心のバランスを整えるということになります。

漢方医学では健康状態を以下で分析します。

陰陽・虚実

  • 陰と陽(病気に対する反応の性質)

    陰:体が寒さに支配された状態

    陽:体が熱に支配された状態

  • 虚と実(病気に対する抵抗・反応)
    虚:体力がない状態
    実:体力がある状態

気・血・水

そして、漢方医学では体内を「気・血・水」がバランスよく循環することで生命活動が維持され健康が保たれると考えます。

  • 気:生命活動を営む根本的なエネルギー
  • 血:血液と血液で運ばれる栄養素やホルモン
  • 水:血液以外の体液(リンパ液・消化液・尿・汗・涙)

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量が不足したり、流れが滞ったり偏ったりすると様々な不調が現れるので、「気・血・水」のどこに異常が起きているのか?が病態をとらえる「ものさし」になります。

五臓

漢方医学でも五臓(肝・心・脾・肺・腎)という機能面で5つに分けた診断を行う場合があります。

あくまで機能面であり内臓を示すものではありません。

  • 精神活動の安定
  • 新陳代謝を行う
  • 血を貯蔵して全身に栄養を供給骨格筋の緊張の維持

  • 血の循環
  • 意識水準を保つ
  • 覚醒・睡眠のリズムの調節

  • 食物を消化吸収し気を生成する
  • 血の流通をなめらかにし、血管からの漏出を防ぐ
  • 筋肉の形成と維持にあずかる

  • 呼吸により天の気を取り入れる
  • 気の一部から血と水を生成する
  • 皮膚の機能を制御しその防衛力を保持する

  • 成長・発育・生殖機能の制御
  • 骨・歯の形成と維持
  • 水分代謝の調節
  • 呼吸機能を維持
  • 思考力・判断力・集中力の維持

六病位

そして急性感染症のように症状が移り変わっていく場合には「六病位」に基づき診断する場合があります。

六病位とは病気の発症から最終状態まで変動する病態を6つの病気に分けて、現在どの段階かを診るものです。

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具体的には以下の6つの状態があります。

陽病

  • 太陽病・少陽病・陽明病

陰病

  • 太陽病・少陽病・厥陰病(けっちんびょう)

風邪を例にすると・・・

  • ひき始めの発熱・悪寒・頭痛の時期=陽病太陽病
  • こじれて食欲がなく咳が残る時期=陽病少陽病

という感じです。

四診で「証」を得る

漢方では、このように色々な診断を行いますが、これを四診と呼びます。

四診とは以下になります。

  • 望診:目で見て情報を得る
  • 聞診:耳と鼻で情報を得る
  • 問診:患者さんの訴えから情報を得る
  • 切診:体に触れて情報を得る

四診で得られた情報を元に「陰陽」「虚実」「気血水」「五臓」「六病位」といったものさしを組み合わせて診断である「証」を見極めます。

そして「証」により処方する漢方薬を処方することになります。

漢方薬は、症状だけではなく、現在の自分の心身の状態に合わせて選ぶ必要があるので自分の状態をまずしっかり把握できるようになりたいと思います。