定期通院で病院に行って待合室で待っているときに、「漢方内科」と書かれてある診察室の表示が気になりました。
これまで、病院の診療科というと、内科、外科、整形外科、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科・・・って感じでした。そこへ、心療内科、まくら外来、禁煙外来という名前もよく見かけるようになりました。
少し気になったので、担当の医師の方に、漢方内科ってどのような時にお世話になるんですか?と尋ねたところ・・・
- 漢方薬を使用し、さまざま症状や病気を治療する
と、そのままでした(笑)
漢方薬というと、「葛根湯(かっこんとう)」が風邪薬として有名です。
ドラッグストアなどにいくと風邪薬のコーナーには必ず置いてあります。
粉薬、錠剤・ドリンクタイプと様々なものがあります。
しかし、風をひいた時に葛根湯を飲もうと思うか?というと、飲まないような気がします。
なぜかというと、漢方薬って即効性がなさそうで、長く続けないと効果がないというイメージがあるからです。
反面、漢方は西洋の薬とは異なり、生薬なので化学物質の塊のような西洋の薬よりは副作用がなくて安心というイメージもあります。
何度か、漢方薬を処方して頂いたことがあり服用した経験もあるのですが、効果に関しては具体的にあると感じた記憶はありません。
しかし、医者の方も人間なので風邪をひくこともあるはずです。
僕の担当医の方は風邪に効く薬はないと常日頃から言われていますので、風邪薬と言われるものは常備していないそうですが、他の方も同じなのか?と気になりました。
「医者が常備している薬」ってことで調べてみると・・・
- 麻黄附子細辛湯(サンワロンM顆粒)や葛根湯などの漢方薬を薦める医師もいるが、風邪への対策では、鎮痛・解熱剤を愛用している医師が多い。
- 処方薬のカロナールと同一成分・同一量で、我が家でも薬品箱の一番上にある。基本的に市販薬は、成分が1つしかない薬のほうが安全です
- 最も一般的な病気である風邪の薬。毎年のように新商品が発売され、それなりに値段も張る。しかも、本誌6月16日号で報じたとおり、一部の風邪薬は、長期間飲み続けることで認知症のリスクを高めることが英国で指摘されている。実際、パブロンやルル、ベンザブロックといった総合感冒薬を常備薬にしている名医はほとんどいなかった。マイシティクリニック院長の平澤精一医師が言う。
市販の風邪薬は症状を緩和する成分が入っているだけです。ひき始めから3日以上経って、高熱が出てきた場合は、特殊なウイルスや細菌が原因と考えられますので、医療機関に行ったほうがいいでしょう。
しかし、初期症状の風邪のときは、私も漢方薬を使うことがあります。発熱症状があり、脈が早い場合は、葛根湯を飲めば大きな間違いはないと思います」
名医13名中、実に4名が葛根湯を風邪の初期に飲むと口を揃える。具体的な商品名として葛根湯エキス顆粒A(クラシエ薬品)が挙げられる。
以下は、風邪薬についての医師の意見を上記の記事からまとめたものです。
- 症状の緩和を目的とするなら、個別の症状に対しての処方薬を使うべきで、薦められません
- 単なる対症療法にすぎないのに、抗ヒスタミン剤による認知症のリスクもある。総合感冒薬は服用しないし薦めない
- 「コデイン」という成分が含まれる咳止め風邪薬に警鐘を鳴らす医師も多かった。
- 私の場合、効き目が強すぎても困るので、よほどの病気でないかぎり、処方薬はなるべく使わず、市販薬(タイレノールA)を飲んでいます
処方薬のカロナールと同一成分・同一量で、我が家でも薬品箱の一番上にある。基本的に市販薬は、成分が1つしかない薬のほうが安全です。 - 風邪薬は多数の成分が含まれ、アレルギーを持つ人には薦められない。頭痛や発熱といった風邪の症状では、タイレノールだけでいいと思います
- 私も家族も風邪のひき始めには葛根湯を飲むことが多いです。頭痛や鼻炎の軽い症状が出たときにも使います。体をリラックスさせる効果もある漢方薬です。
- 熱を下げて痛みも治まるので、風邪のひき始めにロキソニンは重宝しています。加えて、1時間に1回のペースでイソジンでうがいをすることで、機械的にのどの細菌を洗い流し、のどからのウイルス侵入を抑制します。
- 鎮痛剤に関してはバファリンやイブ、ロキソニンが代表的ですが、インフルエンザの時期にこれらを服用すると、とくにお子さんの場合、ウイルスが脳に誘導されてインフルエンザによるウイルス性脳症を引き起こすことがあります。
風邪の症状で頭痛・発熱がある場合で、ひき始めの場合であれば鎮痛剤・漢方薬というものを利用されているような印象を受けました。
新型コロナに効果のある漢方もある?
新型コロナも風邪(インフルエンザ)の一種ですから、漢方で効果があるものがあるのでは?と思って調べてみると見つかりました。
※清肺排毒湯(セイハイハイドクトウ)は日本で保険診療により処方することが出来ません。
- 中国から出たガイドラインでは新型コロナウイルス感染後に清肺排毒湯(セイハイハイドクトウ)を使用することが推奨されてます。
- 中国からの発表では701人の新型コロナウイルス感染の患者様に対して清肺排毒湯(セイハイハイドクトウ)を投与した結果、一定の効果があったとの結論が出たようです。投与した93%以上の方が悪化せずに治癒したとの結果でした。
【出典】新型コロナウイルス感染と漢方薬について(補中益気湯の有効性) | さいたま市大宮区の胃腸科・泌尿器科 大宮エヴァグリーンクリニック
1予防
- 補中益気湯(ツムラ41)
動物実験より、補中益気湯はインターフェロン自体の産生を抑制すると報告されています 。- 十全大補湯(ツムラ48)
我々のヒト対象の研究では、十全大補湯服用によってNK細胞機能が改善されることが分かっています。また、抑制系も活性化されることから、過剰な炎症の予防も予想されます 。2軽症から重症を広くカバー
3軽症=肺炎症状なし、倦怠感がメイン
がんに効果のある漢方薬は?
がんについても、治療薬ということは存在しないようですが、補完治療薬としては漢方が保険が適用されることもあるようです。
今回、漢方薬について色々と調べているうちに、興味を持ちました。
そして、葛根湯について確認する際に、漢方薬で有名なツムラの漢方処方解説のページを見ると、最後に、以下のように書かれてありました。
処方薬として使用されている漢方薬を作っている、ツムラが「NHKきょうの健康 漢方薬辞典」を参考にしている本ということになります。
これは信頼のできる本だと思いました。
Amazonで、確認してみましたが、残念ながらKindle版はありません。
仕方なく、書店に向かいました。
辞典というタイトルだったので、国語辞典のようなイメージだったのですが、意外にもA5版(教科書サイズ)で240ページ程度のカバンに入れて持ち歩けるような手軽なサイズでした。
著者は、富山大学大学院医学薬学研究部和漢診療学講座教授の嶋田豊さんです。
読みやすそうな本だったので買ってみました。
読んだ結果については、改めて書きたいと思います。