東京も金沢もだめ。
結局は、自力で何とかするしかないのかな?と思いながら月日は流れました。
東京に出張に行くと右足が痛くて特に駅の階段を登るのが辛くなってきました。
きっと、このままだと腰にも影響してギックリ腰に再会しそうで不安になってきました。
もしも、外で「ギックリ腰になったら?」と考えたら外に出るのが怖くなります。
ある日、足が辛くてホテルに帰って近くの鍼灸院を探してみました。
自力で治そうとしたこともある
実は、腰痛を自力で治そうとしたことが何度かあります。
腹筋が弱くなったのかと腹筋運動をしたり、身体が硬くなっているのでは?と考えてストレッチ、ヨガを行ったりしました。
しかし、続けると決まって、突然、腰痛が襲ってきたり、右腕が痛くなりじっとしていても引っ張られる感じがする状態が続きました。
整形外科では異常はないと言われても、自分自身としては筋肉に異常が生じているとしか思えなかったんです。
このため、本で調べたりもしました。
鍼灸院、整体、接骨院に通っていたのも先生との会話の中で色んな話が聞けるということも目的の一つでした。
やっぱり鍼灸しかない
試行錯誤の結果、治療という意味では鍼灸が1番、安定していたことに気がつきました。
何より、鍼灸は、あの痛かった腰痛から痛みを一晩で取り去ってくれたのです。
しかも、東京ではまだ鍼灸院には行ったことがありません。
背に腹は変えられないという思いで近くの鍼灸院に駆け込もうと思って探しました。
何と、ホテルから歩いて5分程度の所にありました。
直ぐに電話をして予約が可能か確認し、今からでも大丈夫だということで向かいました。
古いビルでエレベーターも年代物って感じで何とも怪しげな建物というのが第一印象でした。中に入ると、受付に女性が一人座っていました。
予約したことを伝えると、最初に問診表を記入してくださいということで受付前の待合室のような小さなスペースにあった椅子に座り記入しました。
問診表を渡すと治療室に案内されました。
「こちらで、お着替えをお願いします。終わりましたら、教えてください。」と言われ、施術台の上に置かれていた施術着に着替えました。
どうやら、受付に座れていた、この女性が先生のようです。
着替えが終わったので先生を呼びました。
では、こちらに仰向けで寝てくださいと言われ、仰向けになりました。
先生は足を曲げたり伸ばしたり、腕を上げたり下げたりして僕の身体の状態を確認しているようでした。
僕は、これまでの経緯を全て話しました。
舌を見せてくださいと言われました。
何故だろうと思いながら、舌を出して診てもらいました。
「どうして舌を診るんですか?」と質問すると、「舌を診ると身体の状態がわかるんですよ」と教えてくれました。
この鍼灸院は電気などは使わずに鍼、灸、手での施術が基本のようです。
とても、感じの良い方で建物の怪しさのことは、すっかり忘れていました。
鍼治療が始まり、治療中に金沢からなので、1〜2ヶ月に1回程度しか来れないことを伝えたのですが、あまり気にされていないようでしたが、金沢からということに興味を持たれたようで金沢のことを色々と話しました。
これまで週二でないと効果は期待できないとか散々、聞かされてきた僕としては意外な反応でしたが、これが逆に信頼できる人だと思えました。
僕の筋肉の状態を確認しながら、「そこに鍼をお願いします」と言いたくなる部分に的確に打ってくれます。
この鍼灸院は、人には自分で治す力、治癒力が元々あるので治癒力が正常に働けるようにするという考え方です。
このため、腰が痛いから腰の部分だけを診るということではなく、全身の状態を診た上での施術になります。
舌診も、この考え方からのものです。
鍼も腰が痛いからと腰を中心に打つのではなく、僕の全身を確認した上で問題のある部分を診て打っていきます。
仰向けで鍼を顔から足まで一通り打つと、次はうつ伏せになり頭から足まで鍼を打ちます。
鍼を打ったままの状態で10分程度休みます。
その後、鍼を抜いて灸を使った治療になります。灸って不思議なもので、疲れている部分ほど痛い(熱い)んです。
このため、いつも同じ部分が痛いのかというと日によって変わってきます。
灸が終わると、施術台に寝たまま実際に体を動かしたりツボを押す治療になります。
自分でも気付いていなかった部分が実は凝っていて指で軽く押してみると痛かったりします。
僕の場合、ここに来るまで全く気が付いていなかったのですが、胸と脇の境の部分を指で押すと凄く痛かったんです。
これ、筋トレで右腕を怪我したので、そのせいかと思ったのですが、右より左側の方が痛いんです。
先生に理由を聞くと僕はパソコン作業が多いので、腕を前に出してキーボードやマウスを使うので腕の筋肉が捻れてしまいますし、首や肩も前の方に傾いてしまい、巻き肩で猫背状態です。
そして胸の筋肉も萎縮するので呼吸が浅くなり代謝が低下し、疲れやすくなってしまいます。
左側の方が痛いのは右より左側の動きが少ないからのようです。
もう一箇所気が付かなかったのが、その裏側の肩甲骨と腕の境目の部分です。
ここも押されると凄く痛くて涙が出てきました(笑)
最後に足や肩に置き鍼を貼られます。
置き鍼というのは、丸いテープの真ん中に細くて短い鍼が埋め込まれているものです。
そのまま風呂に入っても大丈夫だということで、数日で取って構わないそうです。
この先生の素晴らしいのが、金沢に帰ってから行える方法を丁寧に教えてくださる点です。
これまでの先生は通えないとわかると投げ出してしまうようなことが多かったのですが、今回は全く違います。
90分くらいの施術でしたが、身体がスッキリして階段を登るのも辛かった状態が嘘のように足だけでなく背中や腰まで軽くなっていました。
いつも宿泊しているホテルの、こんな近くに、こんな素晴らしい鍼灸院があったなんて、灯台下暗しの気分でした。
この時、以来、東京に行って時間が取れる時には予約をして通うようになりました。
マッサージをしてもらうと肩から腰にかけての筋肉が異常に凝っているので、いつも凄く凝ってますねと苦笑いされていました。
それが、こちらに通うようになって知らない間に肩も背中も柔らかくなり腰痛もここ何年か再発しなくなりました。
睡眠が浅かった頃に、眼精疲労が辛くて、こちらで施術して頂いたときに目の周りに鍼を打たれたのですが、ある部分に鍼を打たれたと同時に一瞬で眠ってしまい意識がなくなったのは衝撃的でした。
鍼の力を改めて感じました。
お陰様で、今ではジムに通えるまで復活しています。
それでも、歯の定期検診のような感じでずっと利用しています。
しかし、今は東京への出張だけでなく私的な移動も認められないので行くことができません。
定期検診をずっと受けていないので、何となく不安を感じています。
早く東京への出入りが解除して欲しいと今は願うしかありません。