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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

「うま味」と「旨味」の違い知ってますか?

グルメ番組を見ていて

あっ、うーん、白子みたい!

クセないですね。フレッシュな感じ。

うーん、旨い、あーーなんて、感じで食べている、食通と言われる方がいます。

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しかし、その方が食べているシーンをみて食べたいって感じることが、ほとんどありません。

その方が行く店は、評判の良い店ばかりなので、店の雰囲気もよく、料理されたものだって美味しそうな感じがします。しかしその方が、いざ食べて、大声で美味しいとか、目を大きく見開いて唸ったりすればするほど、どこか冷めてしまう自分がいて、美味しそうに見えなくなります。

やっぱり、美味しいものを紹介してくれるのであれば、食べたいと思えるように伝えて欲しいものだと思います。

美味しく感じないのは、うーん とか、美味しいとか、触感がとか、ふわふわだとか味が伝わってこないボキャブラリーのなさが、美味しいと感じさせない原因なんだと思っていました。あと、もしかすると単に、その食通の方が嫌いなだけという可能性もあります。

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人の基本的な味覚は5つあります。

甘い・辛い・酸っぱい・しょっぱい・苦いですね。

これに「うま味」が加わると6つです。

「うま味」とは?

うま味って何なんでしょうね。

「うま味」で検索してみると、以下のようなサイトが出てきました。

日本うま味調味料協会は、「うま味調味料」工業の進歩・発展と共に、食生活の向上に貢献することを目的として、「うま味調味料」(グルタミン酸ナトリウム)の製造に当時従事していた9社により1948年(昭和23年)に発足しました。

現在の協会会員会社は、 味の素株式会社 、 三菱商事ライフサイエンス株式会社 、 ヤマサ醤油株式会社 、 株式会社新進 の4社であり、うま味の概念及び「うま味調味料」の普及・啓発を目的とした活動を行っています。

www.umamikyo.gr.jp

「日本うま味調味料協会」初めて知りました。

上記によると、「おいしさ」と「うま味」は大きく異なるということです。

おいしさ

  • 味だけでなく匂いや食感、その場の雰囲気や体調など、多くの要因に影響されて感じるもの。

うま味

  • 「うま味」は5つの基本味(甘味・酸味・塩味・苦味)の1つで、おいしさを表す「旨味・旨み・うまみ」とは区別して使われます。

うま味と旨味(旨み・うまみ)も違う?

  • 基本味とは、他の味を混ぜ合わせてもつくることのできない独立した味のことをさします。一方おいしさは、味そのもの(味覚)だけでなく、料理の見た目(視覚)、香り(嗅覚)、食感(触覚)、噛んだときの音(聴覚)、食事の雰囲気や環境など、五感を総動員して感じるものです。
  • 「旨味」「旨み」「うまみ」などの表現は、おいしさを表しているのに対し、「うま味」は基本味のことを表しています。基本味である「うま味」はおいしさを構成するとても重要な要素です。

https://www.umamikyo.gr.jp/knowledge/img/img004.png

【引用】「うま味」=「おいしさ」? | 日本うま味調味料協会

上図を見るとよくわかりますね。

うま味はグルタミン酸イノシン酸で相乗効果

確かに魚料理や肉料理を食べても、甘い、辛いといった基本味だけで表現するのは難しいですよね。おいしさには風味もありますし、触感、食べた時の音、食べる場所の雰囲気も影響しますよね。同じみそ汁でも寒いところで飲むと「おいしさ」が格段に違って感じられます。

そして、「うま味」というと、味の素、アミノ酸というイメージがあります。

そして、みそ汁で「うま味」を体感することができます。

「だし」がしっかり取れている、みそ汁の何とも言えない美味しさが「うま味」なんですよね。言葉だと「だしが効いている」という表現をする場合が多いです。

そして、「だし」は食材の持ち味を引き立て、料理の味に深みを加え、おいしさを支える大切な味です。

うま味物質は単独で使うよりも、アミノ酸であるグルタミン酸と、核酸系うま味物質であるイノシン酸グアニル酸を組み合わせることで、うま味が飛躍的に強くなることが知られており、それを「うま味の相乗効果」と呼びます。

例えば日本料理では昆布(グルタミン酸)と、かつお節(イノシン酸)、西洋料理や中国料理では野菜類(グルタミン酸)と肉類(イノシン酸)を組合せてだしをとり、古くから料理に利用してきました。「うま味の相乗効果」が発見されたのは1960年のことですが、それよりもずっと前から世界各地で経験的に料理に活かされてきたのです。

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【出典】うま味の成分 | 日本うま味調味料協会

日本でだしを取るというと、「こんぶと、かつお節」ですが、二つのうま味成分の相乗効果で美味しくなるわけなんですね。グルタミン酸は「こんぶ」、イノシン酸は「かつお節」だしを取るときに二つを合わせるのは、ちゃんと理由があったということです。

確かに西洋料理で「だし」と言えばブイヨンで、「肉(イノシン酸)」と「野菜(グルタミン酸)」から取っています。そして、中華では中華だしで、鶏がら(イノシン酸」と「野菜(グルタミン酸)」でとっています。

肉を熟成させると美味しくなるというのは、時間が経過することで、たんぱく質が分解されてグルタミン酸が増えるからだということです。

そして、グルタミン酸は、ほとんど全ての食材に含まれています。これは動植物や微生物、私たち人間も含め、生物はみな、生きるために必要なグルタミン酸を、自らの体内で作っているからです。

身体が欲しているものが「おいしい」?

風邪をひいた時に、みかんや桃といった果物が欲しくなり、食べた時に体にスーッと吸収されているくような何とも言えない感じになります。健康な時に食べたときより、「おいしさ」という感じが強くなります。

この時に、身体が果物を欲しているんだなぁと思うのですが、うま味を感じる時も、この時と同じような気がします。うま味というとアミノ酸たんぱく質を構成しているのは、20種類のアミノ酸です。この20種類のアミノ酸の中にグルタミン酸が含まれています。たんぱく質は人間を始め、生物の細胞をつくる主要成分です。うま味が何ともいえない「おいしさ」を感じるのは身体が欲しているからなのかな?と考えてしまいました。

旨い!美味しい!とは?

ここで、グルメ番組の話に戻しますが、基本味はおいしい(旨い)を構成する一部なので、基本味だけで「おいしい」は伝えられないことになります。

「おいしい」というのは、味だけでなく、風味・触感あとは食べている環境が合わさったものなので、これらを表現しないといけないということです。多くのグルメ番組は映像なので、食べた時の音・食べている場所・雰囲気というのは視覚と聴覚で確認できますが、味・風味・触感・香りについては言葉などで表現してもらわないと伝わってきません。「おいしい」というのは、色んなものが合わさった言葉なので、単に「おいしい」というだけでは見ているだけの人は、イメージできないんですね。じゃあ、味以外の風味や触感などを全て言葉で表現すれば伝わるのか?というと、その方が間違いなく伝わると思うのですが、それだけで十分かというとまだ足りないような気がします。

孤独のグルメ」の食べ方はおいしさが伝わる

テレビ東京のドラマで「孤独のグルメ」の井之頭五郎役の松重豊さんの演技を見ていると、おいしさを伝えるのに言葉なんて不要なんだということを実感してしまいます。

孤独のグルメ」は仕事で行った出先で、美味しそうな店を探して、何を食べようかとメニューや人が食べているのを見て決めて、出てきたものを堪能して食べるというのが基本ストーリです。午後3時ごろでまだ夕食には早いと感じている時間帯でも五郎さんが食べているシーンを見ていると、何故かお腹が空いてきて食べたくなるので不思議です。五郎さんは、言葉を使って美味しさを伝えるという感じではなく、五感を使って食べている感情・感覚を伝えてくれるので、直感的に伝わってきます。

これに対して、食べたいと感じないグルメ番組は、うーん、美味しい!という言葉と表情などが相反している気がするんですね。食べているものに対しての率直な感想ではなくて、どう表現するのが、正しいのか?稚拙だと思われる表現になっていないか?とか余計なことを考えていることばかり伝わってきてしまうので、「おいしい」という感情は伝わりません。

五郎さんは、とにかく、おいしそうに食べます。

映像と音だけで自分が「おいしい」と感じた時と同じ感覚を与えてくれます。そして五郎さんの発する普通の言葉で、どんな風に「おいしい」のかが伝わってくるのです。

孤独のグルメを見ていると、グルメ番組の本来の在り方を教えてくれます。