歌だけは譲れない。だから選曲はシビアに徹する
「HOLD ME」はZARDの3枚目のアルバムになります。
- 眠れない夜を抱いて
- 誰かが待ってる
- サヨナラ言えなくて
- あの微笑みを忘れないで
- 好きなように踊りたいの
- Dangerous Tonight
- こんなに愛しても
- Why Don't You Leave Me Alone
- 愛は眠ってる
- 遠い日のNostalgia
- So Together
以下は、音楽雑誌(GiRL POP 1992年)で、ZARD 坂井泉水さんのインタービューからです。
- 「HOLD ME」はZARD初のフル・アルバムなんですけど、私これに関してはとっても自信があるんです。自分で言うのもなんなんですけどね(笑)
候補曲が何十曲もあって、その中から本当にいいと思った曲しか選んでないから、曲のクオリティはすごく高いと思います。全部シングルにしても大丈夫だって、本気で思ってますから。
選曲に関して、私たちってすごいシビアなんですよ。ちょっとでも気に入らないところがあれば、バツバツバツ!って感じで、そのへんは男性的にシビアに、白黒はっきりつけないと、いやなんです。そのかわり通った曲、選んだ曲に関しては、難関を突破してきたわけだから、ものすごく大切にしますよ。こんなにいいめろでぃなんだから、私の詞で、私の歌で、もっともっと良くするぞって、必死にがんばるんです。
私が詞でつまづくと、”こんなにいい曲なのにどうしてうまく書けないの?”って自分を責めちゃうぐらい、曲に対して愛着を持っていますね。今も次のアルバムの曲選びをしているんですけど、ついこの間も40曲あった中で1曲も選べなかったんです。
”いい曲って、本当に少ないんだね”ってスタッフの人たちとも話してたんだけど、私はやっぱり、いい楽曲を歌わないとうたっている意味がないと思うんですよ
歌以外のことにはそれほどこだわる性格じゃないんですけど、これだけは、歌だけは譲れないってとこ、あるんですよね。
私が選んだものをみんながいいと言ってくれるかどうかはわからないけど、たとえばCDを買ったのに”手を抜いているな”って思われる曲がひとつでもあったらイヤなんです。憧れのアーティストを見ていて”私もうらやましくなることがあるんだけど、その逆に私もそう思ってもらえるように、聴いてくれる人が”私も歌いたい”って思ってもらえるように、歌を作っていきたいですね。
ハードなサウンドにポップなメロディ、これがZARDの基本テーマ
- シングル、アルバムのリリースが続いたり、TV出演もあったりで、
一気にいろいろなことをやっているように見えるとおもうんですけど、
私たちとしては今までずっと自分たちの音を探してきて、それをみなさんに認めてもらって、この状況はすごく自然な流れのように感じてるんです。
いまとても充実しているし、いい時期なんでしょうね。
音楽面では、ハードなサウンドにポップでわかりやすいメロディ、ミディアム・テンポのほどよい心地良い平衡感覚を保ちながら、自然に高まった気持ちを出していきたいから・・・
やっぱり、今までどおり、いつも気張らずに自然にいられるのがいちばんかなと思いますね。
急激な速度でオトナになりたくない。
オトナになっちゃったら、ガニ股で歌なんて歌えないですから(笑)。
子供の頃から持ち続けているものは残ってほしいです。
どんな状況にあっても、年を重ねてもね、自然に何となく年を取っていけたらいいなって思います。
坂井さんが、初のフル・アルバムだと書かれているのは、過去の2枚は、収録曲が6~7曲でミニアルバムに分類されるものでした。しかし、HOLE ME は基準である8曲を超える11曲で、堂々のフルアルバムとなったのです。
あの微笑みを忘れないで、好きなように踊りたいの、遠い日のNostalgia、So Together、ZARDの曲って今、聞いても不思議と古いって感じがしません。
このアルバムの収録曲ではありませんが、「気楽に行こう」という曲のサビ部分なんて飲み物系のCMにピッタリだと思うんですよね。
そういうZARDの曲は、シビアな選曲から出来ていたんですね。
本当にいいと思った曲しか選ばない、少しでも気に入らないところがあればバツ。普通なら、これくらいはいいかな?というところでも、手を抜かないから今でもZARDの曲は古く感じない。そこに坂井さんの歌声が加わるのですから当然と言えば当然です。
「ガニ股で歌なんて歌えないですから」多分、坂井さんの中では映像が描かれているのでしょうけど、その映像が見えない読者にとっては、何のことだかわかりません(笑)多分、説明が省略されてしまっているのだと思いますが、大人になったら自然では、いられなくなることもあるってことなんでしょうね。
- ハードなサウンドにポップでわかりやすいメロディ、ミディアム・テンポのほどよい心地良い平衡感覚を保ちながら、自然に高まった気持ちを出していきたいから
坂井さんは、「負けないで」を「アップテンポのロック色の強い曲だと思います」「男の人全般に負けないでということで、今だと受験生とか、就職前の男の人にいいんじゃないかと」とミュージックステーションで話していました。
何となく、言ってることが変わっているように感じますが、人間なので考え方は時間と経験と共に変わっていきますよね。