街中を歩いていたり、車を走らせていると、xxx珈琲店のような店をよく見かけるようになりました。
確かに珈琲店ということで、缶コーヒーや1杯100円ちょっとのコーヒーと比較すると確かに香りも味も良いので、気分転換には凄くよい場所だと思います。
珈琲店で飲めるような珈琲が自宅やオフィスで手軽に飲めるようになるとヒットするのかな?とか考えたりもします。
そんな中、地元のテレビのニュースを見ていると、2050年コーヒー問題ということで説明されていました。
今後、コーヒーが飲めなくなるかもしれないというのです。
当たり前のような存在だったコーヒーが飲めなくなる?
どういうことなのかと真剣に見入ってしまいました。
コーヒー豆について
コーヒーが飲めなくなるという話に入る前に、
まずは、コーヒー豆について理解しておく必要があります。
コーヒー豆というのは、標高が1500m以上、十分な雨量があり平均最低気温が15℃、平均最高温が30度という環境でないと良質なものが栽培できません。しかもデリケートなコーヒー豆だと直射日光も嫌います。このため栽培できるところが限られてきます。
このため、コーヒー豆は、赤道を中心に北緯25度、南緯25度の帯状に広がった地域(通称:コーヒーベルト)で栽培されています。更に、発芽から収穫まで最短でも5~6年。十分な収穫ができる期間は30年もないとのこと。
現在、アラビカ種の育成に適した土地の半分以上が2050年までには不適切な土地になるというのが、2050年コーヒー問題です。
コーヒーというと暑い国で栽培されているイメージがあったので、暑すぎても寒すぎても栽培できないデリケートなものだったんですね。
現在、世界的に温暖化が進んでいるので、このままだと、2050年にはコーヒー豆生産の6割近くを占めているアラビカ種の生産量が現在の50%にまで落ち込んでしまうというのが2050年問題です。
残りの4割のコーヒー豆は?
コーヒー豆の品種は大きく分けてアラビカ種とロブスタ種の2種類です。
つまり残りの4割はロブスタ種ということです。
ロブスタ種は影響がないということなのでしょうか?
ロブスタ種は、アラビカ種とは異なり、病気に強く、低高度(標高300~800m)で育成できます。
育成しやすいのに、アラビカ種の方が多いというのはどういうことなのでしょう?
アラビカ種は酸味が強く、香りは花のような甘い香り(フローラル)がしますが、ロブスタ種は苦味が強く渋みがあり、香りは麦茶に似たこうばしい香りです。
つまり、アラビカ種の方が味、香り共に多くの人に好まれているということですね。
コーヒーが詳しくない僕でも知っている、キリマンジャロ、ブルーマウンテンはアラビカ種です。そして、大量生産のインスタントコーヒーなどには、安価に取引されるロブスタ種が使われているようです。
日本のコーヒー消費量は?
日本人1人当たりの消費量は、3.7Kg/年、1週間当たりの杯数は10.62杯なので1日に1杯は飲んでいるということです。(2018年)
世界的には以下の通りです。
日本は、1位 ブラジル、2位 ベトナム、3位 コロンビアの順でコーヒー豆輸入量が多い状態です。ちなみにコーヒー豆の生産量のランキング順も同じです。
茶色の線の間がコーヒーベルトです。
日本が多く輸入しているブラジル、ベトナム、コロンビアは、コーヒーベルト内の国ですね。
喫茶店が多い都道府県ランキングですが、1位はどこだと思います?
僕は東京だと思っていたのですが、以下のような結果でした。
- 大阪 8,680件
- 愛知 7,784件
- 東京 6,710件
- 兵庫 5,082件
- 岐阜 2,784件
この結果を誰が想像できたでしょう?
大阪は喫茶店が多いイメージはありますし、考えてみればコメダ珈琲店発祥の地が愛知県なので2位もなるほどという感じです。
しかし意外だったのが岐阜県です。神奈川県より1つ上の5位です。
愛知と岐阜は家族のようなイメージがあるので、愛知県の影響で岐阜も喫茶店が多いということなのでしょうね。
ちなみに1番少ないのは秋田県で233件でした。
【出典】
2050年コーヒー問題の対応は?
- スターバックス
コスタリカに自社農園を購入し気候変動に対応できる品種改良に取り組む - ネスレ
さび病に強い苗木の提供を進める - キーコーヒー
インドネシアの自社農園で原産地が異なる42種類の苗木を育て、気候変動への耐性を持った品種を見つけることを進める。
気候変動に強い品種に切り替えていこうということですが、いずれも一企業が行っていることなので、2050年問題の前には、コーヒーの価格高騰が予想されます。世界的にコーヒーの消費が増えていることもありますし、個人的にはコーヒーの価格高騰は避けられないような気がしています。