10年前はカーナビがないと出張に行けないだった・・・
10年くらい前は、入社して数年経った社員でも車で出張に出かける際に社用車にカーナビが搭載されていないと道がわからないので行けませんと言われる時代になったと驚いたものだ。
それを聞いたベテラン社員は、自分達は手書きの地図と紙の地図を持って出かけていたものだが、今の奴らは甘いことを言っていると呆れていた。
今は古いナビの地図だと道がわからない・・・
今では、社有車を購入する際にはカーナビは必須となり、カーナビが搭載されていない車はなくなったが、今度は、カーナビの地図が古いから道がわからないので、最新の地図が使えるスマホ用のカーナビアプリをインストールして移動しているので、社用車にスマホホルダーを設置して欲しいとか言い出すものが出てきた。
カーナビが搭載されているのに更にスマホアプリを使用するって?そんな発想がよくもまぁ出てくるものだと話を聞いてみると、スマホアプリ(Google マップ)だと、宿泊予約サイトなどで、宿泊先を予約する際に、住所のリンクがあり、そのリンクをクリックするとGoogleマップが表示され、「ナビ開始」をクリックするとナビが開始されるという便利さもあるようだ。
まぁ、便利なのは十分に伝わってきたが、手書きの地図と紙の地図を頼りに移動していた頃に比べれば、どんなに古い地図であっても、カーナビが搭載されている方が随分とましだと思うが最近の人は「便利」に慣れきってしまって、少しでもストレスがたまるようなことがあると不満に感じるようだ。
ながら運転は禁止
確かにスマホのカーナビだと「ながら運転」が心配になってしまうので下を向かないようにするために、スマホホルダーは必要なのかと思うが、それはスマホのカーナビを認めた場合の話になる。
そんなことから、スマホアプリでのカーナビの検討を依頼された。
まず、カーナビアプリを実際に使用することに問題がないか?の確認を行った。
ながら運転は、「道路交通法第71条(運転者の遵守事項)5-5」で定められている。
五の五 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第四号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第一項第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第四号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。
- 走行中に全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができない無線通話装置での通話
- 自動車に取付られたもの持ち込んだものを問わず、画像表示用装置に表示された画像を注視
※道路運送車両法第四十一条第一項第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置は以下のもの
- 後写鏡、窓拭き器その他の視野を確保する装置
- 速度計、走行距離計その他の計器
つまり、画像を表示する装置であれば、搭載されているものでも持ち込んだものでも注視をすれば違反ということになる。
指などで操作することは画面を見ないと行えないので走行中に操作を行うことも注視に該当するものと考えられる。
以上から、スマホカーナビアプリを使用する場合、走行中に以下のことができないようになっていれば違反にはならないということだ。
- スマホを持つ
- 操作する
- 注視する
操作をさせない→走行中はアプリの操作ができない・音声操作が可能
注視をさせない→画面を頻繁に見なくてもよい→音声操作・音声ガイドが可能
これで、使用可否の条件は決まった。
Google Maps一択?
使用可否の条件は決めたので、あとは、条件を満足できるようになるか?どうか?を
検討することになる。
入社1年目の「A」に担当させるには丁度よいと考えて任せることにした。
どこから手をつけるのか興味があったので、暫くは、それとなく作業を見ていた。
最初に選んだのは「Google Maps」 だった。
本人が徒歩での移動時のナビとして普段使用しているようで、自分の中では1択のような感じだった。
すると、自分に説明してもらっているのを聞いていた同期の「B」が「Google Maps」は、時々、とんでもないルートを案内する不具合がありますよと言ってきた。
確かに以前、会社見学会の際、見学者の一人がGoogle MapSのナビで会社までのルートで途中、道のない場所がルートになっていたということを言われたのでルート修正を依頼して欲しいと人事が言ってきたことを思い出した。
今も、徒歩経路については、「徒歩経路は実際の状況を反映していない場合がありますので、ご注意ください。」と最初に表記されている。
それを聞いて「A」は困ったようだ。
なぜなら、その他の選択肢を考えていなかったからで、それほど、Google Mapに絶対の信頼を置いていたことになる。
無料版の候補を決定
「B」はYahoo!カーナビが無料で使えて評判が良いという。
確かに長い歴史があるし、有料・無料を問わない場合でも、Yahoo!カーナビの評価は高い。
「A」は無料版と有料版に分けて、それぞれ一つは世間での評価の高いもの、もう一つは自分で仕様等を確認して最も優れていると感じたものを候補にしようと考えたようだ。
無料版の定番と言えば以下の3つ
- Google Maps
- Apple Map
- Yahoo!カーナビ
そしても一つ、見つけたのが、トヨタの「MoviLink」
トヨタの車載ナビ品質のナビゲーション機能が無料で利用できる。
そして細い道を避ける探索設定を備えているので不慣れな場所でも優先的に広い道路を案内してくれる。
土地勘のない場所というのは狭い道路は不安になるので、広い道路を優先して案内してくれるのは助かる。
無料のナビアプリの候補はYahoo!ナビとmovi LINKに決まった。
有料版の候補を決定
有料アプリの人気No1はNAVITIMEのカーナビタイムなので一つは決まった。
有料版は意外と選択肢が少なくて、NAVITIME製のものが目立つ。
NAVITIME製だけでも、エントリーモデルの「ドライブサポーター」と本格的な機能が搭載された「カーナビタイム」がある。
地図の操作が少なくなるようなオートズーム機能に、音声で操作が可能なボイスコントロール機能は操作をさせない、注視をさせないという目的では魅力的な機能だ。
AiRCAMという別アプリを併用すると走行中の映像をAIがリアルタイムに分析して前方にいる車両や歩行者を検知して教えてくれるという安全運転機能までスマホアプリで実現できてしまう。
他にも地図上にガソリンスタンドの位置を示す際に一緒にガソリン価格まで表示してくれるという。
さすが、有料版だと思った。
「A」が選んだもう一つの有料版は、パイオニアの「COCCHI」
車載カーナビと言えば「カロッツェリア」と言われるほど有名なカーナビがスマホアプリになったという。
MoviLinkは、トヨタの純正カーナビ品質だったが、COCCHIは、カロッツェリア品質ということになる。
なぜ、COCCHIが人気ランキングの上位に入らないのかはわからないが、カロッツェリア品質ということでもう一つも決定した。
次は、使用可否の条件をクリアできるか?を実際に試してみることになる。
【次回:スマホアプリ版のカーナビ(評価編)に続く】