算数の問題
カフェオレを一人分作るのに、コーヒーが100ml、ミルクが50mlの比率だとする。
では、二人分を作る場合には、コーヒーとミルクをそれぞれ、どれだけの量にすれば「同じ味」になるだろうか?
答えは、コーヒーを200ml、ミルクを100mlとなる。
一人分だと100対50の割合、二人分だと200対100の割合なので、2対1の比率でコーヒーとミルクを混ぜれば良いということになる。
これは、小学校の算数で習う問題になる。
本当に同じ味?
しかし、これが本当に正解と言えるのだろうか?
「同じ味になるか?」というのが問いになるが、二人分の場合に、うまく混ぜないと底に溜まったりして、上半分と下半分で濃さが異なってしまうと味も当然違ってくる。
このため、本当に同じにしたいのであれば、一人分であっても二人分であっても、コーヒー100ml、ミルク50mlで2回に分けて作るべきではないだろうか?
料理の世界では、少しだけ作るより、たくさん作った方が美味しくなるという場合がある。
煮込み料理の場合だと同じ材料で味付け比率を同じにしても、量が多い場合と少ない場合で、煮込み温度が同じになるまでの時間は必然的に変わる。
当然、量の多い方が、当然、長時間煮混むことになるので、うまみ成分といったものが増すことになる。
そんなことから、先の算数の問題は、誤解を与えることになるので、あまり良い問題とは言えない。
同じ条件か?
料理の場合、同じ条件というのが問題になってくる。
同じ材料だといっても、実際には全く同じとは言い切れない。
大根一つとっても、同じ畑で同じように作られたものだとしても、間違いなく同じ味か?というと、それは言い切れない。
日当たりが全く同じか?、肥料のバラつきはないのか?与えられる水の量・・・
野菜が育つための、色々な条件があると思うが、それらが全く同じ条件だとは言い切れない。
種の違い、環境の違い、収穫時期の違い・・・といった条件もある。
材料の量が多くなればなるほど、差が出やすくなるはず。
とはいっても、同じ場所で同じように作られたものであれば、味の違いがわかる人がどれくらいいるのだろうか?
正直、自分は、違いを指摘する自信はない。
同じものなんてない
芸能人格付けチェックでは、カニとカニカマの違いがわからないだけではなく、何と、カニカマをカニと間違えてしまう人までいる。
人間の舌というのは、それくらい、いい加減なものということになる。
味に関しては、本当は同じものなんて一つもない。
なぜなら「同じ人間」が存在しないように、「同じカニ」だって存在しない。
にも拘わらず、同じ味だなんて言うこと自体が間違っているということだ。