タレントイベント
タレントさんが写真集を発売する際に記者会見などを行うときに、バックパネルには必ずと言っていいほど「福家書店」の文字があったものだが、最近は全く、見かけなくなった。
そもそも福家書店という本屋に行ったことがないので、どんな書店なのかさえわかっていない。
いや、もしかすると、行ったことはあるのかもしれないが、記憶に残っていないだけかもしれない・・・
とりあえず、「福家書店」のホームページを見てみた。
すると「タレントイベントの福家書店」と記載されている。
福家書店は首都圏を中心に展開していた書店チェーンでタレントが写真集を出版する際のイベント開催で知られていた。
しかし近年は経営状況が悪化し店舗の閉店が相次いだ。
2022年12月には、新宿サブナード店が閉店し、2023年7月には福岡木の葉モール橋本店も閉店し、現在は、茨城の古河店だけが残っている感じだ。
実店舗販売は撤退してネット販売に切り替えたのかと思ったがホームページには閉店になったはずの橋本店がまだ掲載されていることからネットに力を入れている感じもしない。
福家書店の閉店は、紙の本が売れなくなったこと、コロナ禍でのタレントイベントの減少が大きかったように感じる。
タレントイベントは書店にとって重要な集客ツールでありタレント本人から写真集を受け取れるとなれば、ファンには貴重な場になる。
しかし、ソーシャルデイスタンスの状態では、不特定多数が集まる場を作ることも、タレントが1人ずつに手渡しするなんてことはできるはずもなくコロナ禍では需要がなくなってしまった。
HMV
福家書店以外にも、ソフマップや、ブックファーストといった企業もタレントイベントを行っていたが現在は、HMV & booksという名前を一番見かける。
HMV & booksは、ローソンが、2010年にHMVジャパンを買い取り現在、行われている事業の一つになる。
HMVは、イギリスのHMVグループPLC社が世界展開しているレコード販売店グループで
「His Master’s Voice」(主人の声)の頭文字からHMVとした。
このフレーズは、元々、蓄音機メーカーである「グラモフォン社」の商標として使用されていたもの。
HMVの商標とビクターの商標
商標では犬がグラモフォンの前に座っていて、蓄音機から音楽を聴いている絵柄が描かれた。
犬の名前はニッパーという。
この商標はニッパーが主人の声を聞いている様子を表していて蓄音機が音楽や声を再生するのが、まるで主人の声が再生されているような感覚を連想させるという意味合いが込められているらしいが、自分には、正直、そのような連想ができない・・・
とりあえず「His Master's Voice」というフレーズは、音楽や録音技術の世界で音楽の再生や録音に関連した事柄を指す際に用いられることがあるとのこと。
そんなことから、ビクターの商標でもニッパーをモデルにしたというか、そのまんまのものが使われている。
HMVは2013年に経営破綻している。
更に2018年には経営再建にも失敗して2019年にカナダの「サンライズ・レコーズ」の関連企業に買収されることになってしまった。
HMVジャパンは、ローソンに買い取られたあとは、ローソンHMVエンタテインメントと名前を変えた。
その後、更にローソンエンタテインメントへと名前を変えている。
写真集は電子媒体よりも、紙の方が伝わるものがあるので、写真集が唯一、売れ筋かと思っていたが、写真集は最も売れないジャンルらしい。
確かにそう言われれば、自分も写真集といった類のものを買った記憶がない・・・
写真集というと、普段とは全く異なる奇抜な服装やヘアスタイルで撮影というイメージがあって、ファンの人にすれば、普段とは全く異なる姿を見たいわけではなくて、むしろ、プライベート感が感じられるような写真を期待しているのではないかと思う。
そのため、ファンでも、そんな写真なら買うのはもったいないと敬遠する人も多いのではないか?と思っているのは自分だけだろうか?
おっと、福家書店の話だったのに、写真集の話になってしまったので、軌道修正したい。
福家書店は倒産?
どうやら、2018年11月22日付で東京地方裁判所より特別清算の開始決定を受けたようだ。
特別清算というのは、債務超過で破産状態ではあるが、利用はできる状態のことを指す。
その後も、営業は継続していたようだが、結果的に実店舗は全て閉店となってしまった。
福家書店の悪い評判もあったようなので、改善する点もあったのではないかと思う。
ただ、本を並べるだけでは売れる時代ではなくなっているので、これからはセレクトショップ的な書店に変わっていかないといけない。
読まれる本、興味を持ってもらえる本のみを選んで、この本屋に行けば、面白い本に出会えると思ってもらえるようにならないと単なる待ち合わせや暇つぶしの場になっておしまいになる。
福家書店は社会の波に乗れなかった
福家書店は残念ながら社会の波に乗ることができずに閉店になってしまった。
原因は経営陣にあったのかもしれないが、言いなりになってしまった従業員に非がなかったとも言い切れないはずだ。
少なくとも自分が聞いた悪い評判は従業員のことだった。
そして、特別清算という形で、営業を継続できていたはずで、それでも閉店が相次いだのは紛れもなく書店の運営メンバーの責任になる。
結局、福家書店には再建させるだけの力がある人がいなかったということだ。