モバイルバッテリーの火災は止まらない
まだ、モバイルバッテリーによる火災が続いている。
2024年4月13日、川崎市川崎区日進町の簡易宿泊所の1階と2階の部屋が焼け、宿泊していた64歳と52歳の男性が死亡しました。
火が出たのは1階の客室とみられ、消防が現場検証をして調べたところ、激しく焼けたモバイルバッテリーが見つかったということです。
当時、この部屋の宿泊客は外出していて、「モバイルバッテリーを充電したまま出かけていた」などと説明しているということです。
2024年2月6日(午後5時45分頃)山手線の電車内でモバイルバッテリーによる火事が発生した。
乗客の男性の鞄に入っていたもので、警視庁によると、男性は「熱い」などと言いながらバッテリーを取り出し、床に投げ捨てた後に立ち去ったという。
【出典】山手線では火事が発生…「モバイルバッテリー」に潜む危険性 粗悪品の場合“充電するだけで出火”の恐れも|FNNプライムオンライン
モバイルバッテリーが劣化したときの症状
モバイルバッテリーの寿命は、破損などの場合を除いて、リチウムイオン電池の寿命と同じと言える。
リチウムイオン電池は、充放電回数を重ねることにより劣化 (電池容量の低下) が生じる。
モバイルバッテリーの寿命の目安と言われているのは、一般的に電池容量が本来の80%以下になった状態。
この目安は、300〜500サイクルの充電回数と言われ、1サイクルはバッテリー残量が0%から100%まで充電され、再び0%になるまでとしたもの。
リチウムイオン電池は使用頻度によっておおよその寿命が予測できる。
仮に毎日使用した場合は約1年から1年半が寿命となる。
ただし、使用環境によっても左右されるため、あくまで目安だと考えて欲しい。
使用期間に限らず、モバイルバッテリーに以下の症状が見られた際には寿命の可能性が高いため、使い続けることなく早めに買い替えること。
- 本体の充電時間が以前より長い
- バッテリー残量の減りが以前より早い
- 機器への給電が遅い充電できないことがある
- 充電器の本体が以前よりも熱く感じる
- 本体が膨張しているまたは破損している
- 落とす、ぶつけるなどして、衝撃を与え、一部が変形した。
- 不意に電源が切れてしまう。
そして、モバイルバッテリーを使用する際には以下のことに注意して使用する。
極端な使用環境を避ける
モバイルバッテリーは極端な高温下や低温下に弱いという特徴がある。
そのため熱を発する製品 (ドライヤー / ヒーター / 電熱ベスト等) の近くでの使用や放置は控えること。
また、布団や衣類等をかけた状態の使用、直射日光が当たる場所でのモバイルバッテリーの長時間の放置は火災などのトラブルに繋がる危険性があるため注意が必要。
衝撃や過度な力を加えない / 水気を避ける
モバイルバッテリーは精密機器のため衝撃や水気は禁物です。これらを避けるため、落下などの衝撃や、ポケットに入れたまま座る、バッテリーの上に重いものを載せるといった、過度な力を加える行為にご注意ください。また、本体を水濡れさせないためにも、水気の近くや高湿度の環境での使用や保管は避けてください。
中古品を使用しない
不具合報告の中で、友人が2〜3年使用したモバイルバッテリーを譲り受け使っていた、というケースが多いということ。
これは開封済みの製品や中古品は前回使用時にどのような取扱いをされていたか不明な点や、そもそもどのくらいの期間使用されていたかも分かりづらいので、トラブルの原因となるリスクが非常に高い。
また、中古品の場合は各メーカーの保証対象外となる場合が多いのでモバイルバッテリーは新品を購入した方が良い。
バッテリー残量がない状態で長期間放置しない
この場合、過放電の状態となり、最終的には充電できない状態にまで劣化してしまう場合があります。また、過放電によってリチウムイオン電池の中にガスが発生し、バッテリー自体が膨らんでしまうこともあります。
長期間使用しない場合、バッテリー残量を50〜80%にしておく / 3ヶ月ごとにバッテリー残量を50%以上まで充電する
リチウムイオン電池には、使用していない状態でも電池の容量が減っていく「自己放電」という特性がある。
これにより長期間放置していない間に、バッテリー残量が0%になり、思いがけず過放電の状態になってしまうことがある。
最適なバッテリー残量を維持するために、予めの充電と3ヶ月ごとに充電することが推奨されている。
モバイルバッテリーは長時間、外で過ごす場合には必需品だと思う。
このため使用頻度も増えるので、本来、買い替えの回数も増えてくるもの。
まだ、使えると考えて使用することで思わぬタイミングで発火してしまう可能性もあるので、適切なものを適切に使用するということが必要になるので、今回紹介したようなことに注意して使用して頂ければと思う。