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肉の万世 秋葉原本店の思い出

肉の万世 秋葉原本店が2024年3月末で閉店だという。

肉の万世といえば、自分にとっては秋葉原の食堂だった。

順を追って話してみたい。

トラ技と秋葉原

秋葉原に行こうと思ったのは雑誌「トランジスタ技術」、通称「トラ技」を読んでいた頃。

当時はエレクトロニクスに携わるものであれば、必ず読んでいたものだ。

電子回路技術、マイコン応用技術、半導体技術、計測/制御技術などが実験や製作を通して解説されている。

毎号50ページを超える特集記事が売りだった。

また、各種測定器、各種電子パーツや半導体などを販売している店舗の広告が多いのが特徴だと言える。

特集記事の内容を実際に試してみたいと思った時に、使われた部品・半導体などは1個単位で購入することは無理なので、メーカーにサンプル依頼をしないといけないが、商品化の予定もないのにサンプルばかり依頼することもできないことから、1個からでも購入できる店舗というのは、ありがたい存在だった。

「トラ技」は、ちょっとした電話帳のような厚さで毎月発行されるので全てを保管しておこうと思うと、とても場所を取ってしまう。

当時は電子版などというものはなかったので、何か方法がないか?と考えられたのが雑誌の圧縮だ。

表紙・背表紙・裏表紙と特集記事の部分だけを残して、あとは切り取って捨てる。

これで、厚さ数㎜の厚さになってしまう。

何度も利用していると「トラ技」に掲載されている店がどんなところなのか?興味を持つようになってきた。

すると、一度、実際に見たくなり東京に出張に行って余った時間に秋葉原に行ったのが最初になる。

秋葉原駅の電気街口 南口を出ると、いきなり正面にサトームセンラジオ会館の文字が見えた。

トラ技の中の有名人が、そこら中にいるような感覚だ。

右側を見るとアキハバラデパートの前の路上で実演販売が行われていた。

左側にはマクドナルドの看板、道路ではチラシがやたらと配られている。

昼間なのに夜のネオン街のような感じで異様な光景だった。

※当時の写真とは異なります。

中央通りに出ると、派手な看板に電気製品が店の奥に、たくさん展示されている店が立ち並んでいる。

路地に入ると小さな店が、たくさん並んで、色んな電子パーツや計測器等が八百屋で野菜が売られているような感じで売られている。

こんな感じの店だったのかと、正直、驚いた。

そして秋葉原を歩いている人が、みんな電子回路のプロのように見えて、正直、圧倒された。

トラ技に掲載されていた広告の店がいくつもあって、その都度、有名人と遭遇したような気分になった。

それが何とも新鮮な感じで、居心地がよくて、また来てみたいと感じた。

それ以来、秋葉原に魅了されて、時間を作っては秋葉原に行くようになっていった。

肉のテーマパーク・肉ビル

ある時、駅を出てラジオ会館の前を通り中央通りに出ると、いつも右(上野方面)に曲がっていることに気が付いた。

左側(神田方面)には行ったことがない。

たまには、違うところも見てみようと左に曲がった。

暫く進むと、ビルの屋上に「牛」のマークと「肉の万世」という文字が書かれた看板が見えてくる。

その時は、肉屋の広告看板だと思っていて、まさかビル全体が肉のテーマパークのようになっているとは思ってもいなかった。

そして、中央通りを挟んで反対側には交通博物館の看板もあった。

万世橋を渡ると、肉の万世のビルが見えてくる。更に進むと靖国通りに入る。

右に行けば、神保町、左に行けば両国・錦糸町がある。

肉の万世が肉のテーマパークだとわかってからは秋葉原で食事をするときは肉の万世が定番になった。

正式名称は「万世橋際角肉ビル(まんせいばしぎわすみにくびる)」ということで、通称「肉ビル」と呼ばれている。

際角(きわすみ)というのは、二つの面が交わってできる、ぎりぎりのところにある角という意味なので、肉ビルが交差点の角にあることから使われているのだと思われる。

あまり一般的な言葉ではないようだ。

以前は、ビルの地下1階~10階まで、すべてのフロアが埋まっていた。

  • 10階:千代田(鉄板ステーキ&ロブスター)
  • 9階:味香華(しゃぶしゃぶ・すき焼き・ステーキ懐石・和個室)
  • 8階:ティアラホール(多目的ホール・イベント・立食パーティ)
  • 7階:七福神(定食・牛タン・シチュー・すき焼き・しゃぶしゃぶ)
  • 6階:万かつ工場(万カツサンドの工場)
  • 5階:万世牧場(焼肉)
  • 4階:洋食万世(レストラン万世)
  • 3階:洋食万世(レストラン万世)
  • 2階:ステーキハウス
  • 1階:コーヒー・ソフト(ナポリタン・ハヤシ・カレー・コーヒー・ケーキ)
       万世酒場(昼:パーコー麺、夜:酒場)
  • 地下1階:呉越同舟(昼:とんかつ、夜:ビヤホール

今は1階がコンビニがあったりするが、自分が初めて見た時には、喫茶店があった。

肉屋が自分の中で確定していて、更に1階が喫茶店だったことからここは肉屋ではないと勘違いしてしまった。

レストラン万世

肉ビルの中で、唯一自分が利用していたのはレストラン万世。

3階の線路側の席からは中央線の電車が、まるでこちらに向かって走ってくるかのような景色を楽しむことができるということだが、残念ながら自分は、そのことを知らなかったので、4階ばかりを利用していた。

考えたら秋葉原には、ずっと行ってない。

一番、最近だと、AKB48が盛り上がっていた頃、2012年頃だったと思うが中央通りをタクシーで通ったのが最後。

あれが、AKB48劇場かぁと見たのが最後の思い出。

また、一つ、東京の思い出が消えていく。

思い出の場所が消えていく都度、寂しい気持ちが強くなっていく。