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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

「金澤カレー」と「金沢カレー」の違い

カレーライス

香りが漂ってくるだけで食べたくなります。

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多少、食欲がなくても香りだけで食べたくなります。

香りに加えて食べても美味しい。

ご飯が食べたくなくても、カレーならペロリとご飯も食べられます。

こんな素晴らしいものを誰が考えたんだろうと思ってしまいます。

インドではカリー

カレーの発祥はインドです。

そしてカレーというのは、インドのタミール語の「カリー」が語源だと言われています。カリーというのは日本語では「汁」という意味です。

インドでは、料理の味付けに「スパイス(香辛料)」を混ぜ合わせたものを使います。

混ぜ合わせたスパイスのことをインドでは、「マサラ」と言います。

マサラと聞くと、「ガラム・マサラ」が有名ですが、がラムというのは「辛い」という意味になり、マサラの中でも特に辛いものが「ガラム・マサラ」と呼ばれます。

インドでは牛肉は絶対に食べてはいけません。そして他の肉や魚についても禁止している場合もあるので、野菜や豆類が中心の食生活です。

味が淡白な素材を美味しく食べるためにスパイスがインドでは重要なものとなったのだと思います。

そしてイギリス・東インド会社に勤めていたウォーレン・ヘイスティングが、インドからイギリスに一時帰国する際に友人にも食べさせたいということで、粉末の混合スパイスと米を持ち帰ったことがきっかけでイギリスでカレーパウダーが作られました。

これが日本に輸入され日本独自の「カレー」に変化していったのです。

カレーは誰かが発明したというものではなく、食文化が色んな国、色々な人を経由して変化していった結果の産物だと言えます。

カレーライス?ライスカレー

カレーライスですが、ライスカレーと呼ぶ人もいます。

違いってなんでしょうか?

ライスにカレーがかけられた状態で出てきたら、カレーライス、ライスだけが皿に盛られてカレールーが「グレイビーボート」というアラジンの魔法のランプのようなものに入れて出さたものがライスカレーだということです。

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グレービーポートというのは、カレーのルーを入れるためのものだと思っていたのですが、実は、食肉から出る肉汁を元に作られたソースがグレービーで、それを入れるための容器ということでグレービーポートと呼ばれています。

日本では「カレーポット」と呼ばれることが多いかもしれません。

ソースを入れる容器にボートという表現を使うところが、おしゃれな感じです。
ちょっと高級な感じのお店では、ライスとカレーのルーが別々に出てきますね。

石川県はカレーハウスが日本一多い

石川県は、人口10万人当たりの「カレーハウス」登録件数による偏差値の都道府県ランキングで2013年に1位になっています。

カレーハウスというと「CoCo壱」をイメージしますが、金沢だと、

が有名です。カレーハウスではありませんが、洋食店 キッチンユキのカレーも有名です。僕はよく知らないのですが、大黒屋食堂も有名だったようですが、現在は、うどん店大黒屋として金沢カレーを源流とした「カレーうどん」が美味しいと評判のようです。

そしてこれらの店舗で出されているカレーが、現在、金沢カレーと呼ばれているものになります。

金沢カレーとは?

金沢カレーの特徴は、以下のような感じでしょうか?

  • ドロドロ系のこってり濃厚なルー
  • 食器はステンレス製の卵型のお皿で先割れスプーン、水はプラスチック製のコップ
  • キャベツの千切りが盛り付けられている
  • カレーのルーが目立ちライスは、ほとんど見えない。
  • 1口食べると、もう1口食べたくなる

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金沢カレーの源流は「レストランニューカナザワ」だと言われています。

レストランニューカナザワには、金沢カレーと呼ばれている創業者達が働いていたのです。

  • 田中 吉和(チャンピオンカレー創業者)
  • 野村 幸男(インデアンカレー創業者)
  • 今度 忠(カレーの市民アルバ創業者)
  • 宮島 幸雄(キッチンユキ創業者)
  • 高田 義教(大黒屋食堂 継承者)

そして、田中吉和さんが独立して「洋食タナカ」を開業し現在の金沢カレーと言われているカレーのレシピを考案しました。そのレシピが、カレーの市民アルバ、インディアンカレー、キッチンユキに金沢カレーと言われる店にも受け継がれています。ゴーゴーカレーターバンカレーから出られた方が創業しています。

テキサスというカレーで有名な店がありますが、元々はインディアンカレーのフランチャイズ店でした。その後、独立されて「てきさす」という洋食店を開業し現在に至っています。ゴールドカレーは元々、カレーのチャンピオンフランチャイズ店から独立されたそうですが、カレーのチャンピオンではフランチャイズ店にレシピを公開していないということなのでチャンピオンカレーのレシピとは無関係だそうですが、カレーのチャンピオンのカレーを元に作られたレシピになっていることに違いはないかと思います。

田中さんのカレーは金澤カレー

つまり金沢カレーは、元を辿れば田中さんが作ったカレーだということです。

しかし、金沢カレーを全国区にしたのは「ゴーゴーカレー」です。

このため、僕は金沢カレーは、現ターバンカレー系とし、カレーのチャンピオン系のカレーについては、田中さんのカレーと記載します。

金沢カレーですが、色んな方が独立してそれぞれ田中さんのカレーをベースにしカレーを提供している関係で、いざこざがありました。

カレーのチャンピオンは元々、「ターバンカレー」という名前でした。

洋食タナカがターバンカレーに名前を変えカレー専門店になりました。

名前を変えるきっかけになったのが、洋食タナカに通っていた常連さんで岡田さんという方が共同経営をもちかけたことです。田中さんは経営的なことは苦手だったようで、岡田さんの提案を受け入れます。

そして、料理は田中さん、経営は岡田さんということで役割を分担したのですが、これがうまくいかずに2年程度で共同経営を解消しました。

ターバンカレーはそのまま岡田さんが営業を続け、田中さんは野々市の方に店を移転し「タナカのターバン」として営業を行っていました。しかし、その後、「ターバンカレー」が商標登録を行い、「タナカのターバン」という名前を変えるように通告を受けたことで「カレーのチャンピオン」に変更しています。

僕は野々市に移転した「タナカのターバン」には何度も行きましたが、名前は「ターバンカレー」だったように記憶しています。

このため「タナカのターバン」という名前は、僕は馴染みがありません。

ゴーゴーカレーは、現ターバンカレー出身の方が創業者です。

このため、現在は田中さんのカレーと源流は同じでも関係がないことになります。

ゴーゴーカレーは1度だけ食べたことがありますが、濃すぎて僕には合わず、もう1口食べたいという感じにはなりませんでした。

ゴールドカレーについても、付き合いで何度か、利用したことがありますが、田中さんのレシピではないので、1口食べると、もう1口食べたくなるという感じのカレーではなく、単なるドロッとした普通のカレーです。

以下の4店舗については、田中さんのカレーと言えますが、ゴーゴーカレーとゴールドカレーについては、別物というのが僕の意見です。

ゴーゴーカレーが「金沢カレー」なら、田中さんのカレーは「金澤カレー」だと思います。

金沢と金澤の違いですが、「澤」は旧字体です。

歴史や文化を表したいときに旧字体を用いられる場合があります。

金澤と書くときも歴史や文化を強調したいときです。

田中さんのカレーには長年の歴史と苦労があります。

共同経営者になった、何年か田中さんのカレーを受け継ぐ店で修業したくらいで独立して提供しているカレーに僕は歴史や文化を感じません。

田中さんのカレーには歴史と文化が感じられます。だからこそ「金澤」という文字がピッタリだと思います。

金沢カレー」も美味しいと思いますが、「金澤カレー」を是非、味わって頂きたいと思います。