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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

泊まるところで旅は変わる

ヒルトンホテルの動画

10月24日にヒルトンの公式YouTubeチャンネルに投稿された〈ヒルトン「とまるところで、旅は変わる。予定でいっぱいの休暇」篇〉という30秒ほどの動画。

動画の内容は、和服を着た旅館の女性が、フロントのような場所で宿泊客に対して、入浴時間、夕食の時間、朝食の時間や注意事項を事細かく説明するところから始まる。

笑顔で丁寧な口調ではあるが早口で捲し立てるような感じなので宿泊客は、あまりにもビッシリと決められた時間に顔を見合わせて驚いている。

そこへすかさず、「せっかくの休みなのに全くゆっくりできない時」というナレーションが入り、次にヒルトンホテル(コンラッド東京)のレストランで夜景を楽しむ夫婦の画面に代わった。

すると、フロアスタッフのような人が、「ごゆっくりされたいのであれば、ディナーの時間をずらしますよ」という声をかけてきた。

ヒルトンホテルは、時間がギッシリと決められた旅館とは違ってゆっくりできますよと言いたいのだろう。

この部分が旅館のサービスを否定しているように感じたのだと思う。

価格差があり過ぎる

正直、ヒルトンホテルの動画で使われているような旅館に自分は宿泊したことはないが、世の中では一般的な「あるある」のようだ。

ただ、動画は、かなり誇張しているのだろう。

多くの旅館は、事前に希望時間くらいは聞いてくれるはずだ。

また、コンラッド東京といえば2人で一泊食事なしでも10万以上、早期予約でも6万以上するような高級ホテルだ。

動画に出ていた旅館らしきところは、高級旅館のようには見えなかったので、高くても2人で数万円といった感じだった。

しかも、旅館なら食事も料金に含まれるが、コンラッド東京のレストランなら1人何万円もするだろうから、1人分のディナーだけでも普通の旅館に2人が宿泊できるくらいの価格差がある。

このため、旅館もコンラッド東京クラスの料金を頂いていれば、宿泊者数を減らして、食事の時間や入浴の時間を優遇するくらいは、造作もないことだと思う。

動画では料金については一切触れられていなかった。

動画に登場する旅館のような価格でも動画のように、「ごゆっくりされたいのであれば、ディナーの時間をずらしますよ」なんてことが言えるのか?ということを旅館側としては言いたくなるはずだ。

高級レストランとラーメン店

このため、比較の仕方が公平ではなく、1人何万円もするような料理とサービスを提供している高級レストランが、一杯1000円もしないようなラーメンを提供している店を引き合いに「食べるところで食事は変わる」等と言ってるのと同じだと思う。

高いお金を出せば、それなりに優遇はしやすくなるのは当然のこと。

夕食の時間をズラしてくれるから倍以上のお金を払うか?というと半分以上の人は、「だったら旅館に泊まるよ」というのではないだろうか?

高級ワインはなぜ高いのか?

高級ホテルというのは、高級ワインのようなものだと思う。

高級ワインというと、何十万円、何百万円もするようなものになるが、単に飲むだけであれば、数千円のワインでも高級ワインに近い味のものは見つけられる。

じゃあ、なぜ、高級ワインは異常なまでに高いのか?といえば、希少価値、つまり、限られた数しか作られていない、残っていないとか、長い年月をかけて作られたものとか、なかなか簡単に手に入れることができないという部分の価値だと思う。

ワイン自体には何百万円もの差がないのだから、格付けチェックで高級ワインをよく飲んでいるような芸能人がテーブルワインとの違いがわからずに間違えてしまうのは当然のことだと思う。

高級ワインは、味や香り以外の、これまでの歴史や作り手の気持ちや、醸造方法などに対する拘りといったものを五感を使って感じ取るためのものだと思う。

高級ホテルの価値

高級ホテルも同じで、ビジネスとホテルと何が違うのか?というと、今ではビジネスホテルもベッドに拘り、良い品質のものを採用しているところもある。食事も拘りのあるビジネスホテルもある。単純に食べて寝るだけなら、違いは、わからないし、わかったとしても、高いと感じるかもしれない。

ヒルトンホテルの動画にあるように、時間の融通は利くかもしれないが、それが価値相応と感じるかどうかは人それぞれだと思う。

お金に余裕がある人であれば、安いと感じるだろうし、毎月、ギリギリの生活をしている人であれば高いと感じるだろう。

更には、自分には、上品な場所は緊張するので合わないという方にとっては価格は関係ないと言える。

このため、泊まるところだけで旅は変わらない。

泊まる人と泊まるところで旅は変わる。