有名芸能人が一流ホテルで食事をしていて、マネージャーが遅れてきたそうです。
水だけでも、あげてもらえますか?
マネージャーが食事をしている時間がなくなり、ウエイターに水だけでもあげてもらえます?ってお願いしたそうです。
ウエイターに、何か一品とって頂かないと、お水は出せませんと断られたことが、ご立腹のようで、怒りが収まらなかったのか、テレビで、「一流ホテルのレストランなのに注文しないと水も出してくれない」といったことを話しただけではなく更にはホテルの名前まで出してしまったとか。
日本人の感覚だと、水は無料で、高級なところほど高い料金なので配慮された対応をとってくれるというイメージがあるので、まぁお怒りになる気持ちはわかります。
今回、水を依頼した、ご自身は食事しているのでレストランから見ればお客様です。
でも水は、時間がなくて食事はできないという連れの方に対してです。
それで、水だけでも出してあげてくださいというのは、いかがなものでしょうか?
水だって料金に含まれている。
日本では水は無料というのが当たり前ですが、お店で提供するからには、実際にはコストは発生しています。
何故なら、水はもちろん、お店のコップ、ウエイターへの報酬と色々な経費が掛かっているからです。
水を持ってきて、飲み終わったら、コップを洗う、片づけるといったこと、全てにコストが発生しています。
コップも一流ホテルであれば、高級ブランドのものを使用しているでしょうし、水だって一流ホテルで水道水のものが出されるなんてことは考えられません。
更に、コロナ渦なので席を使用したら、清掃・消毒も必要ですし、食器を洗うにもコロナ渦前よりも消毒・殺菌の手間も要しているはずです。
他にも色々と費用をかけているはずです。
レストランは、飲食して頂くことで経営が成立するのですから、水1杯であってもお金がかかっていて、飲食するものに費用は含まれていると考えるべきです。
それは高級なところほど、人にも物にもコストをかけているってことです。
宿泊すると朝刊をサービス
最近は、ビジネスホテルでも朝刊が無料というサービスが増えていますが、実際には無料のはずはなく当然、宿泊費に含まれています。
このため、宿泊すると無料になるだけで宿泊者とロビーで待ち合わせしていて、待っている人に朝刊だけ出してくれる?なんてことは、普通は言わないですよね?
しかし、これが水だと、なぜか違ってくるんですよね。
水が無料だというのは、宿泊者に朝刊をサービスと同じで飲食費に含まれているから無料で提供できるのであって、飲食もしないで水だけ、くださいという客ばかりになれば、経営が成り立たなくなります。
今回、芸能人の方は、一流ホテルで決して安くない価格なのということを言われていますが、一流たがからこそ、水にもお金が普通以上にかかっているんです。
お客様に対しては一流ホテルの、サービスを提供しても、お客様のお連れに対してまで要求されても困るはずです。
1人ならまだしも、30人とか多くの人だと流石に無理があります。
ご立腹の芸能人の気持ちは、わかるのですが、どこの飲食店の経営も厳しいはずなので配慮は必要だと思います。
水くらいと思うのではなく飲み物は注文するという気持ちは必要なのではないでしょうか?
更には、ウエイターの方も、一流ホテルを利用される方で、まさか水だけ注文されるなんて思ってもいなかったと思います。
それだけに、お断りの言葉を告げるのは、凄く心苦しかったのではないかと思います。
そして、そのやり取りが耳に入ってきた周囲の人達も不快な思いをしているはずです。
一流の場ほど、雰囲気を大切にする人が多いはずなので、それを台無しにしてしまっていることにも気が付いて欲しいですよね。
ドレスコードよりマインドコード
一流の場所を高くても利用するのは優雅な雰囲気を楽しむことが一つあります。
忙しい中でも優雅な環境にいると時間を忘れて気持ちにも余裕が生まれてきます。
そのために装飾品もそれなりのものを揃えていますのでランチも普通と比較すると高い設定になっています。
場所やスタッフだけでは成立しないので、利用者も協力しないといけません。そのため、ドレスコードを設定している場合もあります。
個人的にはドレスコードよりもマインドコードを設けた方が良いのではないと思うこともあります。
仮にウエイターの方が、機転を利かせて水を提供したとしても、食事もしないで、無料の水だけを飲んでいる人がいる光景というのも、その場の雰囲気を壊すことになります。
その時の、ウエイターと芸能人のやり取りは間違いなく、その場の雰囲気を壊したはずなので周囲の人達も不快にしたはずです。
僕はそういう場を壊してしまう人には利用して欲しくないので、ドレスコードよりマインドコードを設定したいと思ってしまいます。
東京オリンピックが決まった頃から、高級ホテルに宿泊する外国人の方が凄く増えました。
そのため、ホテル側の負担が増えたのだと思いますが、それまでの優雅な雰囲気を味合うという感じの場ではなくなってしまいました。
特に中国人旅行客の方は自由だったので、エレベータでは、人が来ているのを知っているのに走るようにエレベータに乗り込み扉を閉めてしまったり、逆に扉が閉まりかけているのに、無理やり止めて乗り込んできて大騒ぎしていました。エレベータから降りる時も我先にって感じで、子供がいるからと扉を開けて待ってあげても当然みたいな顔で降りていく親たち。
これが西洋の方だと、笑顔でお礼をいいつつ降りてくれますし、逆に扉を開けて待ってくれたりもします。
防音機能の高い部屋にも関わらず、夜中でも、隣の部屋や、天井から上の部屋で騒いでいる声や飛び跳ねる音がかすかに聞こえるので、どんな音量で騒いでいるんだろうと驚いたものです。
こういうのが嫌で高級ホテルを利用していたのに、こんな感じが続いたので、早くオリンピックが終わらないかな・・・とオリンピックが終わるのを待ち望んでいました(笑)
「おもてなし」と「ホスピタリティ」
おもてなし、ホスピタリティという言葉が注目されていた頃は、自分も体験したいということで、高級ホテルを利用される日本人も増えていました。
その時には、今回、芸能人の方が問題にしているような「水問題」のようなことが多くなっていました。
チェックインに長時間待たされていると大きな声で苦情を言ってる人、朝食のレストラン内で中国語でケンカのような大声を張り上げている人(あとから聞いたらケンカではなく普通の会話でした)、驚いたのは、部屋の中のテレビなどに盗難防止のワイヤーのようなものが取り付けられていたり、バスローブは持ち帰らないでくださいといった注意書きが表示されていると夢から覚めたような感じになったものです。
おもてなし、ホスピタリティに過剰に期待するあまりに、粗探しのようになってしまったり、内容までは聞けませんでしたが、中国の方が些細なことを何度も聞いて来たりして対応に時間が凄く取られているということでした。
handyというスマートフォンがホテルの部屋に設置されていますが、これも、宿泊者のためなのかな?と思っていましたが、どちらかというと、問い合わせ対応のためなのでしょうね(笑)
提供する側も人間なので、こちらの態度に合わせてしまうというのはあると思います。
自分の態度の悪さが、まわりまわって、自分に帰って来ることもありますので、気持ちよく過ごしたいのであれば、求めるばかりではなく、場の雰囲気を良くするように努めることも必要だと思うんですよね。