VIVANTの後枠ドラマは?
TBSの日曜劇場の主役級がこれでもかと出演していた、オールスタードラマ「VIVANT]の
後枠のドラマは普通の内容でもどうしても、落差が大きく感じられるので見劣りしてしまう。
日曜劇場スタッフも「VIVANT」の後枠をどうするか?と相当、頭を悩ませたはず。
普通の日曜劇場ドラマを後枠に持ってきてもダメなら、その次に繋げようと思ったのかもしれない。
どうせ落差が大きいなら、中途半端な落差ではなく、次のドラマが凄いと思えるほど落としてやろうと思ったのか、青春野球ドラマを選択した。
タイトルが「下剋上球児」と泥くさい感じがすることからも、落としてやろうという意気込みが感じられる(笑)
また、VIVANTでお金を使い過ぎたので、後枠の予算が取れないという事情もあるのかもしれない。
高校野球のドラマなら、キャストも新人などを積極的に採用できる。
TBSの日曜ドラマに出演できるとなれば、あとのことを考えた場合に、ノーギャラでも良いという役者もいても不思議ではない。
そんなことから、キャストにお金をかけていないなぁと強く感じた。
やんわりと言えば、次の枠のための捨て駒、ハッキリ言えば、VIVANTの出がらしドラマ。
酷い言いようだが、何の恨みもない、率直な感想なのでご容赦願いたい。
ノンフィクションの実話
話を戻して、ドラマのことを調べてみると、どうやら「下剋上球児」は原作があって、ノンフィクションの実話がベースだった。
夏の三重大会で2016年まで10年連続初戦敗退だった高校があった。
そんな高校が、2年後の2018年の夏に甲子園初出場を決めてしまった。
「下剋上球児」は実話を元にドラマ化したものになる。
さて、視聴率はというと、第1話は10.8%と意外と高かった。
まぁ、TBSの日曜劇場の第1話なので、それだけで最初はどんなドラマか見てみようという人も多いはず。
しかし、2話目以降は、1話を見て面白いと感じた人だけが見てくれるので、2話の視聴率の方が重要。
なんと2話の視聴率は10.7%と1話と大差ない。
これは、凄いことだと思った。
しかも、放送後の感想を見ていると野球に興味のない人達の方が面白いと感じたようだ。
出がらし、捨て駒ドラマと酷い言い方をしてしまったことをお許し願いたい。
なぜ野球を選んだのか?
では、人気のなくなった野球をなぜ、ドラマにしようと思ったのだろうか?
やはり、今やメジャーリーグの顔になった、二刀流の大谷翔平選手の影響が大きいと思う。
今、なぜ野球人気がないのか?
大谷翔平というスーパースターが1人いても、野球に興味を持つわけではなく、大谷翔平個人に興味を持つ人が増えるだけ。
野球人気が全盛だった時というのは、巨人という圧倒的に強いチームがあって、そこには王、長嶋というスーパースターもいた。
更に、強い巨人を嫌うアンチファンがいた。
アンチファンには、それぞれ、ひいきのチームがいる。
ひいきのチームが優勝するという目標もあったが、それ以上に巨人に勝つという目標の方が強かったように思う。
その結果、巨人vs11球団という構図が出来上がりプロ野球は盛り上がった。
特に巨人 vs 阪神戦は、関東 vs 関西の対決にもなっていて盛り上がり、伝統の巨人阪神戦と呼ばれるようになった。
テレビでのプロ野球中継は巨人戦だけだったが、巨人ファンだけでなく、巨人に負けて欲しいと願う人たちも見たことから視聴率も高かったのだろう。
しかし、人気チームにばかりスター選手が集まるのは不公平だとドラフト会議が導入された。
これが功を奏したのか、巨人が弱くなっていき、ひいきのチームは巨人だけに偏ることなく12球団全てに別れていった。
自然と、巨人vs 11球団という構図もなくなっていき、純粋に自分のひいきのチームを応援するファンに変わっていった。
そして、今ではドラフト会議に頼らなくても巨人に偏ることがなくなるほどになった。
自分の応援するチームの試合しか見なくなれば、テレビでプロ野球中継を行っても視聴率は取れない。
巨人ファンも当然、減り弱い巨人にはアンチファンも用はないので巨人戦でも視聴率は取れなくなった。
結果、巨人戦のプロ野球中継の頻度が減っていき今では公式戦で中継があるのは、開幕戦くらいになった。
野球中継がなくなれば、子供達が野球を見る機会が減り子供達は野球をしようとは思わなくなる。
必然的に野球人口は減っていく。
クライマックスシリーズが致命的
更に野球人気がなくなるように追い討ちをかけたのが、公式戦終了後に行われるようになった、1位〜3位のチームでトーナメント戦を行なって日本シリーズに出場するチームを決めるクライマックスシリーズだと思う。
これまで、自分のブログで野球の話をすると、高い確率でクライマックスシリーズの意味のなさを書いてきた。
セリーグで、クライマックスシリーズが最初に導入されたのが2007年。
その年、ペナントレースで優勝したのは巨人。
クライマックスシリーズでは、まず、2位の中日と3位の阪神がトーナメント1回戦を戦った。
中日が阪神に2連勝して決勝に進んだ。
決勝ではなんと、巨人が中日に3連敗して負けてしまった。
巨人は、公式戦144試合の長い戦いに勝ったのにも関わらず、クライマックスシリーズで3連敗したために144試合の結果がなかったことにされてしまった。
これは、自分にとって衝撃的な出来事だった。
あまりにも、バカらしくなって、この瞬間からプロ野球を少しずつ見なくなった。
それでも、野球を嫌いになったわけではない。
バッターが力一杯、振ってバットにボールが当たると何とも心地よい「カーン」という音が鳴り響く。
自然と足はボールが飛んで行く方に向いて追いかけてしまう自分がいる。
サッカーでシュートを放ちゴールネットに突き刺さった時の感じや、ドリブルで敵陣に入って何人もの選手をフェイントで交わしゴールに向かうというのも心地良いが、やはり自分はボールがバットに当たった時の音が何とも心地よい。
だから、野球をやっている時が今でも1番、テンションが上がる。
見る楽しさが奪われた
野球は見ても楽しいものだったが、その楽しさをクライマックスシリーズが奪ってしまった。
130試合を戦って勝率が1番高いチームが日本シリーズで戦うプロ野球の頃が一番、楽しかった。
巨人が強くても弱くても関係ない。
どこが勝っても良い。
しかし、長いペナントレースで勝者となったのに、その後に行われる5試合で勝敗が決まるなんて理不尽なことを2度と経験したくない。
クライマックスシリーズで、日本シリーズに出場するチームが決まってしまうような、プロ野球の公式戦も見たくなくなった。
今更、クライマックスシリーズを廃止してもプロ野球が盛り上がるとは思っていない。
しかし、あんなにバカらしいクライマックスシリーズがある限り、野球人気が盛り上がるとも思えない。
巨人が弱くなってしまったこと、クライマックスシリーズなんてものを作って公式戦を意味のないものにしてしまった愚行が野球人気がなくなった原因だ。