天下泰平。
それは、世の中が静かにおさまること。
天下太平とも書く。
では、今は天下泰平と言えるだろうか?
人類は新型コロナという「武器」を作り出して世界を大混乱させ、落ち着いてきたかと思った瞬間、ロシアがウクライナのNATOへ加入を理由にウクライナへの侵攻を行った。
ロシアの立場は悪くなり、ウクライナとの戦争が終われば、ロシアが孤立することは明白で、それを見越して中国はロシアを自分達のものにしようとロシア側に歩み寄った。
西側諸国がロシアから撤退したことでロシア市場は中国が独占できるようにもなる。
北朝鮮も中国に同調し、ロシアへの歩み寄りを見せている。
その結果、資本主義(米国) vs 社会主義(中国)の構図が出来上がった。
資本主義と社会主義
資本主義は資本家が労働者から利益を搾取する仕組みで、社会主義は資本主義の問題点である、不平等を解決しようと資本主義では資本家が所有している生産手段を国家の共有財産にして利益を搾取する資本家を取り除いた仕組み。
一見すると、資本主義より社会主義の方が良いのでは?と思うかもしれないが、実際は資本主義では利益は資本家が労働者から搾取していたのが、社会主義では国家が労働者から搾取仕組みに変わっただけのもの。
いやいや、社会主義では利益は共有の富として国民に還元していると言われる人もいるだろう。
では、今の社会主義の国は、利益を共有の富として国民に還元しているのだろうか?
本当に還元されているのであれば、社会主義の国では経済格差がないので貧富の差が小さいはず。
社会主義国にも億万長者は存在する
中国にも億万長者は存在する。
有名なところでは、TikTokを開発したバイトダンスの創業者である張一鳴氏、アリババグループの馬雲。
そして、農村では日々の生活に苦しむ人たちも存在する。
ロシアにも、石油と天然ガスで財を成した新興財閥オリガルヒという億万長者が存在する。
これで利益は共有の富として国民に還元していると言えるのだろうか?
資本主義社会と何ら変わりはない。
利益は資本家が搾取している。
そう、社会主義の国は確かに、以前は計画経済と言われる、土地や原材料などの生産資材から食糧や生活必需品まで、すべての資源を国家が計画に従って配分する経済体制を取っていた。
しかし、それでも、政権を担っている一部の特権階級に富が集中していた。
中国やロシアが貧しかった時代のことだ。
考えを改めた社会主義国
国家が配分するのではなく、市場価格に応じて配分するのが市場経済になる。
現在、社会主義と言われる国々の多くは、社会主義と資本主義のハイブリッドのような仕組みになっている。
その結果、中国は人民服を着て、広い道を大勢の人が自転車で通勤や通学を行っていた姿から電気自動車やリニアモーターカーといった乗り物で通勤や通学を行うようにかわり、タワマンに住むようになった。
ロシアはソ連と呼ばれていた時代、内部分裂により崩壊した。
社会主義という枠の中では、頑張っても利益は全て国のもの。
これでは国民は裕福になれないので、一生懸命頑張ろうという気にならない。
国民が裕福になれなければ国が裕福になれるはずはない。
社会主義の国も、利益は国が全て搾取するやり方では成立しないことに気が付き、政治以外の部分で資本主義の考え方を取り入れたことで、国は豊かになっていった。
社会主義が成立しないことを奇しくも社会主義の国が証明することになった。
豊かになれば欲が出る
国が豊かになって勢いが出てくると、欲が出てくる。
自分達の領土だけでは満足できずに自分達にとって都合の良かった時代の歴史を持ち出してきて、奪われた領土を取り戻そうとする。
どちらも、対米国を意識したもの。
ロシアがソ連から独立していった国を来まだに自国だと思ったり、中国が自国の海域を広げようと実効支配を行おうとしたりする。
元を正せばこれらは全て欧米に起因するものだと思っている。
日露戦争はロシアが日清戦争で小さな島国に清が負けたことで清は弱いと思い込んだ。
清の広い領土の中でも朝鮮半島が欲しかった。
日本は朝鮮への影響力を高めて大陸への進出を狙って日清戦争に踏み切った。
日本も大陸への足掛かりが欲しかったので朝鮮を狙った。
争いは領土拡大から
国の争いは結局は領土の拡大を狙っておきるもの。
人類は大きく進化しているかもしれないが、基本的な考えは、自国の領土を拡大することだけ。
今も昔も何も変わっていない。
人類は愚かで、このような稚拙な考え方から脱却することさえできない。
この考え方を変えることができない限り、人類は争いとは無縁にはならない。
天下泰平の世の中は、たった一つの考え方を改めるだけで実現できるのに、それができない。