WBC強化試合がテレビ中継?
2023年3月6日に2023WORLD BASEBALL CLASSIC強化試合ということで「日本 対 阪神」戦が行われた。
強化試合であるにも関わらず、ゴールデンタイムに野球中継が行われていた。
これは、全米野球記者協会が選出する2021年の最優秀選手(MVP)に選ばれた大谷翔平選手が出場するからだろう。大谷翔平選手が出場しなければテレビ中継は行われなかったはず。
たった1人でもスーパースターが存在するだけで強化試合であってもテレビ中継が成立してしまうのだ。
そう考えると、日本のプロ野球選手がスーパースターになれそうなタイミングになると、メジャーリーグに行ってしまう「FA(フリーエージェント)制度」が始まってから、日本のプロ野球が衰退してしまったのでFA制度を恨みたくなる。
選手の立場で考えれば、当然、メジャーリーグに挑戦したいという気持ちはあるので仕方ないと思う反面、夏の風物詩だった「プロ野球中継」がなくなってしまったというのは、やはり悲しい。
プロ野球離れのキッカケはクライマックスシリーズ
自分がプロ野球を見なくなったのは、クライマックスシリーズという数試合で、ペナントレース130試合(今は140)を超える長丁場の結果を、ひっくり返してしまうという、「つまらない制度」を追加したからだ。
そんなことから野球とは無縁の生活で、昨年の日本シリーズは、どこが勝ったのかさえ、あやふやな状態だった。
実は自分は野球中継が、あることさえ知らなかった。
しかし、種々の事情でテレビで強化試合を見ることになった。
久しぶりの野球中継だったが、試合前というのは、なぜかワクワクするものだ。
何だかんだ言っても、野球が好きなんだと改めて認識した。
大谷選手以外、顔も名前も知らない人ばかりだったのは、自分がそれくらいプロ野球を見なくなった結果になる。
王選手の記録を知らない人
2022年に村上選手が王選手の年間ホームラン記録を抜いたというので、何回か顔は見た記憶はあるが、あまり印象に残る点がなかったので、昨日の時点で既に「知らない人」になっていた。
王選手の時代は140試合で、今のプロ野球の試合数は、調べると143試合なので3試合多いことになる。
しかも56本目は最終戦に打ったというので140試合で考えると同数ということになる。
ちなみに55本目は125試合目だとか。
日本人最初のメジャーリーガーは?
今は、日本のプロ野球はスーパースターが不在の状態で、怪獣だけが暴れまわっていて、ウルトラマンがいない状態のように見えてしまう。
酷い言い方になるが、今はプロ野球経験が10年未満の若い選手と10年を過ぎてもメジャーに行けない選手で構成されている状態なので、村上選手には好条件だったように思う。
試合前に、日本人最初のメジャーリーガーは誰だと思う?と聞いてきた人がいた。
普通は、近鉄バファローズからメジャーに行った「野茂英雄」と言いたくなる。
しかし、それでは不正解。
とは言っても、自分は村上さんのプレーは見ていないし、それ以上のことは知らないので偉そうに語る資格はないと思った。
何より試合前に話を膨らませようと思って話を振ってくれたのだろうから静観していた。
ところが今の人達は「野茂英雄」の名前さえ出てこない。
「誰だろう?」「イチロー」とか言っている・・・これは自分以上にプロ野球離れが進んでいるのだと改めて実感した。
正解発表の時間になった。
「正解は野茂英雄!」
思わず「村上選手!」とツッコミを入れたら、「ヤクルトの?」「56本の?」と違う意味で話が盛り上がっていた(笑)
試合開始
そんなことを話していると試合は始まった。
日本が先行で先頭バッターはヌードバー。
投手は阪神の才木。
大谷は何番?4番?という声がしたが、誰も答えられない。
その間に、センター前ヒットで出塁した。
次の打者、近藤がバッターボックスに入るとネクストバッターサークルに大谷が入っていたので3番だと分かった。
つまり、この回、近藤がダブルプレイになったとしても大谷に必ず回ってくる。
監督が大谷を4番にしなかったのは、1回でも多く日本のファンに大谷のバッティングを見てもらいたいという気持ちからかな?と1人で納得していた。
その間に本当にセカンドゴロでダブルプレイになってしまって塁には誰もいない状態で大谷に回ってきた。
一球目は外角高めの154kmストレートを見送りワンボール。二球目も154km外角低めのストレートを見逃しワンボール、ワンストライク。
才木は大谷に強気の勝負を挑んでいる。
三球目は外角ストレートをフルスイングしたがファール。
初めてバットを振ったが、どこかタイミングが合ってないようだ。
そして四球目は真ん中高めのストレートを空振りして三振で終わった。
3回は3塁にランナーを置いてヌードバーがセンタ前ヒットで日本が先制した。
次の近藤はフォアボールで出塁し、ツーアウト1塁2塁で大谷に回ってきた。
思わず、この打席、大谷はホームランを打つと叫んでいた。
初球は外角高めのボール。
二球目は低めのボールを凄いスピードのスイングで打ちにいったがレフト方向へのファール。
やはり、タイミングが合ってない。
三球目も同じように打ちにいったが降り遅れている感じだった。
そして四球目。
真ん中低めのボールを左膝を地面につけた状態で軽く合わせた感じでバットを上に向けて振り抜いた。
最初、センターがフェンスのかなり前で止まった。
誰もがセンターフライだと思ったはずだ。
しかし、なんとバックスクリーンの右の2階席にボールが落ちていった。
大谷のスリーランホームランだ。
桁違いの大谷
打たれた才木が1番驚いたのではないだろうか?
打ち取ったと思ったはずの打球がバックスクリーン右の2階席まで飛んで行った。
素人目にも、レベルが違いすぎるのは明白だった。
高校生、いや中学生とプロ野球選手並みの実力差を感じた。
ここまで差があると、時差ボケ、初対決、研究不足といったことは関係がなかった。
メジャーリーグの試合で見ていた大谷の時には気がつかなかったが、日本で阪神を相手にプレイしているのを見て、こんなにも実力差があったのかと改めて大谷のメジャーでの成長ぶりを感じた。
それだけに、日本でプレイして欲しいという思いが一層、強くなった。