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私の教科書はカップラーメン

はじめての「CHEF-1グランプリ」

「CHEF-1グランプリ」という番組を初めて見た。

夕方、テレビを見ていて、「とんかつ」「ラーメン」「すき焼き」という

どれも国民食と言えるもので革命を起こせという内容だった。

この番組、若き料理人にとっての登竜門となる大会だとか。

日本全国47都道府県から集結した若き料理人たちが、No.1の称号を目指す頂上決戦。

審査員は、以下の4人

早々たるメンバーだ。

予選を勝ち抜き、決勝に残った4人が、今日、1対1のトーナメント方式で争い、準決勝、決勝へ進む。

準決勝の1組目は「とんかつ」、もう1組は「ラーメン」、決勝は「すき焼き」に決まっていた。

最初の対決は「とんかつ」

それぞれ、革命を起こせ!がテーマなので、ありきたりのものでは評価されないだろうから奇抜なものを考えるしかない。

しかし、結果は、残念ながら、どちらも正直、とんかつには見えなかったし、とんかつより美味しそうには見えなかった。

ここで、トンカツの定義を考えてみた。

分厚い豚肉に衣をまぶして油で揚げたものだと思う。

トンカツに革命ということなので、トンカツという枠をはみ出てしまえば、それは別の料理になってしまう。

このため、最初に枠は設定するべきだと思った。

しかし、自分が定義する「とんかつ」とは、全く異なり、どちらも肉が薄いし何より小さかった。

衣に至っては、一方は、衣をふりかけのようにしてしまったことで、口にした時のサクサク感が失われて、ザラザラした感じに変わっていた。

もう一方は、衣にソースを含めてしまった。

更に衣に色んなものを混ぜてしまったので見るからに味が濃そうなものが仕上がった。

間違いなく、これでは肉の味がわからなくなるはず。

使っている工程だけを見て、思わず「とんかつ」じゃないと叫んでいた。

既存のものを超えてこその革命なので見た目で既存のものを超えていなければ革命失敗だと言わざる得ない。

審査員は1人10点の持ち点だったが、自分なら共に0点という評価だったと思う。

トンカツ対決をみる限り、大したことないなとスマホを見ていた。

インスタントラーメンに革命だと?

準決勝2試合目のルール説明が始まった。

テーマは「インスタントラーメンに革命を起こせ!」

ここで、インスタントラーメン?と耳を疑った。

戦うのは、フードクリエーター部門代表の丸山千里さんと、ジャンルレス部門代表の山下泰史さん

丸山さんは鹿児島県出身のフードクリエイター。

飲食店での修行などを経て、現在は関東を拠点に食のプランナーとしてレシピ、商品開発を行っている人。

対する山下さんは長崎のホテル内のレストランのフレンチ部門での修行に始まり、国内ではロブション、アムールなど、国外ではパリのビストロで研修を受けたりして福岡に自分の店をオープンし、CHEF-1グランプリには過去2回出場し、いずれも準優勝しており、センスの塊だと言われていて、今回も優勝候補だと言われている人になる。

ルールは、必ず袋の乾麺「インスタントラーメン」を使用しないといけない。

袋の乾麺ならどのメーカーでもOKで調理時間は20分。

最初、ラーメンと書かれてあったので生麺だと思いこんでいた。

確かに放送時間を考えると、生麺だと麺を打つところから始まってしまうかもしれない。

ラーメンだけ、あまり調理時間が長くなるのは他のテーマとのバランスが悪くなり不公平になるので仕方ない判断かもしれない。

しかし、トンカツもそうだが、インスタントラーメンも既に長い年月をかけて何人もの人が試行錯誤を繰り返して進化させてきた国民食と言えるようなもの。

そのため、既に色々な会社によって色々なアイディアが出されて、色んな種類のものを試作したりして商品化している。

言い換えれば商品化されていないものは、既にラーメンには合わないと判断されたものだと言っても過言ではない。

つまり、インスタントラーメンほど、アイディアが出し尽くされているものはないということだ。

更には、ラーメンには定番と言われる、醤油、味噌、塩、豚骨といったものがあるので、定番ラーメンを超える必要もある。

その上で、革命だと感じられるものを作るというのは簡単にできることではない。

トンカツ、すき焼きより、インスタントラーメンの方が遥かにハードルが高いことになる。

カップラーメンが教科書

対決の前に審査員を務めるニューヨークのラーメンダイニング「NAKAMURA」で大成功をおさめた中村栄利さんが以下のようにコメントしていた。

実はですね、私はラーメン屋なんですけど、

私の教科書ってカップラーメンなんですね。

成分表とかを見て、色々・・・これを天然素材でやるなら、どうできるんだろう?

っていうのを紐解いて自分のラーメンを作っていったんですね。

インスタント麺の触感とかテクスチャをどこまで熟知してやっているのか?というのはちょっと楽しみなところですね。

つまり、インスタントラーメンの特性などを含めてどこまで熟知しているのか?という点も必要になってくるということだ。

こんな厳しい条件の中、2人が、どんなものを作るのか興味が出てきたのでスマホから一旦、手を離した。

2人が選んだのは棒ラーメン

九州にゆかりのある二人が、選んだのは偶然にも「マルタイ 屋台とんこつ味 棒ラーメン」で同じもの。

とんこつラーメンによく使われる、細麺で、つるっとした舌ざわりが特徴。

何より、麺は小麦粉と塩だけで作られているので余計な味付けがされていない。

多くのインスタンラーメンの麺には、油脂、調味料、卵紛といったものも含まれているのでオリジナルのものにしようと思った時に邪魔になる。

しかし、マルタイの棒ラーメンの麺は、小麦粉(国内製造)、食塩、植物性たん白だけ

そしてノンフライ麺なので生麺に近い触感になる。

これが選んだ理由なのではないかと思っている。

丸山さんの革命は?

丸山さんはなんと、出汁に鶏ガラだけだなく、

玉露出汁(60℃で1時間とったもの)をこれでもかというくらいに鍋に投入していた。

自分は知らなかったが、お茶にも旨味成分であるアミノ酸が多く含まれており、陸の昆布とも言われているそうだ。

最後に、仕上げに出汁が取れた鍋に抹茶を投入していた。

麺のゆで汁も緑茶と抜かりがない。

麺の上には、蟹と生クリームで作った濃厚な餡をかけ、その上にはミカンの輪切りとネギを添えたことで見た目も美味しいそうな感じに仕上がった。

口直しの品として出汁に使った玉露の出し殻とベルガモット果汁を合わせた、おひたしが用意された。

ベルガモットというのは、紅茶の香り付などに使われるイタリアで栽培されているみかん属ミカン科の柑橘類。

これで「蟹と柑橘のお茶ラーメン」の完成だ。

最初、お茶でラーメン?大丈夫?と思っていたが、出来上がったものを見たら正直、食べたくなった。

見た目的には革命は大成功だ。

山下さんの革命は?

これに対して山下さんの出汁は、いりこ、焼きあご、昆布、ネギ(青い部分が含まれる)と和風の一般的なもので、美しく透き通った黄金の出汁に鮎の魚醤で味付けしたもの。

これだけで飲んでみたくなるようなものだった。

調理時間の20分、山下さんは、ずっと豚バラを丁寧に焼いているような感じだった。

そして、途中、棒麺に添付されている粉末スープを焼いた肉の表面に塗ってまた焼いていた。

麺は1分茹でたあと、太白ごま油を加えていた。

テレビでは香り付けでと説明していたが、太白ごま油は、胡麻の香りではなく、旨みを活かしたものなので、間違っていたように思う。

更に山椒と木の芽を添えた。

成長するインスタントラーメンが完成した。

山下さんのラーメン、見た目的には美味しそうではあるが革命が成功したかと言えば少し弱いような気がした。

しかし、どちらの方が美味しそうか?聞かれると、山下さんの方を選びたくなる。

それは、麺・スープ・具材それぞれのクォリティーは圧倒的に山下さんの方が上だと感じたからだ。

しかし、革命という点に絞ると、丸山さんの方を選びたくなる。

結果は?

丸山さんのラーメンを審査員全員が絶賛した。

中村さんはなんと、10点、神田さん、関谷さんも9点、GACKTさんも7点と全員が高得点。

山下さんは食べ方の指定でも失敗しまった。

先に麺だけを味わってくださいと指定していたが、生麺に近いとはいっても即席麺なので麺が最高の状態とは言えない状態だ。

これで麺を味わって欲しいというのは酷な気がした。

そんなこともあって、神田さんは9点だったが、他の3人は、関谷さんが6点、中村さんは4点、GACKTさんは6点と評価が低かった。

革命という縛りがなければ、山下さんは、麺・スープ・具材と別々にせずに一緒にした状態で提供していたはずだ。

革命というテーマが勝敗を左右したように思うが、共に想像以上にレベルの高いものに仕上がったことに驚いた。

また、インスタントラーメンもまだまだ、改善の余地があることを思い知らされた。