和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたのが2013年12月4日です。
「食」の分野としてはフランス、地中海(イタリア、ギリシア、スペイン、モロッコ)、メキシコ、トルコに次ぐ5番目の登録です。
和食の特徴
日本が和食を登録申請したときの4つの特徴は以下の通りです。
- 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
- 栄養バランスに優れた健康的な食生活
- 自然の美しさや季節の移ろいの表現
- 年中行事との密接な関わり
確かに、和食の良さというのは、季節に応じた旬の素材を活かすと共に、自然や季節を表現した見た目にも拘った素晴らしい料理です。
それだけではなく、一汁三菜を基本とすることで栄養バランスも考えられているので、完全食とも言えます。
一汁三菜というのは、主食(ご飯)に加えて、汁物で水分補給、主菜1品、副菜2品で不足する栄養を補うという献立のことです。
そして一汁三菜が完全食だということは和食を食べてきた人達が健康を保ち、日本が世界に誇る長寿国だということで証明してくれています。
日本で育った人なら献立は、ご飯、味噌汁、おかずというのが誰しも基本になっているはずです。
反面、今の日本は世界中の料理を食べることができるので、和食以外を食べることが増えたことで、一汁三菜の献立が崩れてしまい、栄養バランスについても悪くなっています。
このままでは和食の文化は過去のものになってしまうかもしれません。
和食の文化が本当の遺産になってしまわないように、和食を無形文化遺産としてではなく、形のある、具体的な料理として見直してみたいと思います。つまり、世界遺産になり得る和食ってことです。
これが和食だ!
まず、主食です。
これは、一択で「米の飯」です。
次に一汁、つまり、みそ汁です。
みそ汁の具と言って最初に思いつくのは、「とうふ」と「わかめ」です。
そして、個人的には「麩」は、欠かせません。
濃い味噌汁に具が「麩」だけというのが僕は好きですね。
車麩ではなくて、下の写真左側のようなものです。
右側の渦巻麩は、あおさのみそ汁のように塩の味が強い場合に入っていると、ほっとします。
しかし、みそ汁は一つのものではなく具を変えることで色々な味が楽しめます。
油揚げ、じゃがいも、しじみ、大根、もやし、ネギ、玉ねぎ・・・
みそ汁も、いつも、同じ具だと飽きてきますので、その日の気分に合わせて具を変えることができるのが、みそ汁の良いところです。
このため、具を特定するというのは、避けたいと思います。
そして最後が三菜です。
和食と言えば?
和食と言えば、寿司、天ぷら、刺身が必ず、出てきますが、どれも、高級な食って感じです。
どれもスーパーで買うこともできますが、寿司・刺身は素材が重要ですし、天ぷらは素材だけではなく揚げ方も重要になってきます。
ただ、それも違いが判らなければ、意味がありません。
違いをわからなくする要因として、サクっと揚げた天ぷらを躊躇しないで天つゆに、どっぷりと浸けて食べたり、刺身や寿司で魚の切り身に醤油をこれでもか!というくらい浸けて食べる行為があります。
こんなことをしたら、天ぷらに至ってはサクっと揚げた意味がなくなり、更に衣の味、素材の味も全くわからなくなります。魚の切り身も同じで、どんなに良い素材でも醤油の味になってしまいます。
和食ではありませんが、ステーキ肉も同じでA5ランクだ希少部位だと言ってもデミグラスソースをたっぷりと乗せられたのでは、どんな肉でも同じ味になってしまいます。
もう一つは、複雑になりますが、一番、わかりやすいのはワインだと思います。
ワインは高いものだと何百万円もします。
芸能人の格付け番組で、よく何百万円のワインと5千円位のワインを飲み比べて当てるというのがありますが、必ず、間違える人がいます。
普通に考えると、5千円のワインと何百万円のワインで違いがわからないはずがないだろう?と思いますが、美味しいか?不味いか?で考えれば飲み慣れてない方に違和感を強く感じるので5千円のワインの方が美味しく感じるものです。
5千円のワインで物足りないと感じられなければ、それが1万円のワインであっても違いなんてわかりません。
そして、違いをわかるためには、ワインは、どのように作られるのか?どんなぶどうが使われるのか?とワインについて知る必要があります。
得た知識は実際に飲むことで味や香りといったものに変わります。
そうすることで、ワインの違いが感じられるようになります。
和食も同じで、高いから美味しいとしか考えていない人にとっては、とても勿体ない気がします。
でも和食もワインも安くても美味しいというものもたくさんあります。
大切なのは価格ではなくて、「美味しい」と感じるかどうかだと思います。
高くて美味しいものを知ってしまうと、安いものは劣ってしまうのは当然です。
僕は和食は普通に美味しく食べられる料理という定義も必要だと思っています。
高くて時間をかければ美味しくても当然です。
このため、素材や技法が重要となる寿司・刺身・天ぷらというのは、今回は、あえて外したいと思います。
味付け次第で美味しく感じれる料理が僕は本当の意味での和食なのではないかと思います。
その代表として、すき焼き、おでん、肉じゃが、があります。
スーパーに普通に売っている材料で作っても味付け次第で美味しくなります。
「おふくろの味」と言われるものが和食と言っても良いのではないかと思います。
麺類
そうそう、和食には麺類もあります。
うどん、そば、そうめん。
これも味付け次第で美味しくなります。
無性に食べたくなるというのは、何万円もするような高級料理ではなくて、どこにでも売っているようなもので普通に作った料理だと思います。
家庭料理
和食の真骨頂は家庭料理になります。
ほうれん草と鰹節のおひたし、茶わん蒸し、きんぴらごぼう、かぼちゃの煮物、たらこ、鮭の塩焼き、白菜の漬物・・・
家庭により異なる味ですから人それぞれ、美味しいと感じる味が違います。
特に漬物は漬ける人によって変わってきます。
家庭料理の中の最高峰、The家庭料理と言えます。
しかし、最近は、家庭料理って国境を越えてきますので、和食だけとは限らないんですよね。
餃子、トムヤムクン、エビフライ、コロッケ・・・
こんな感じで、外国料理が日本の家庭料理になっていたりするのは日本らしいと言えば、日本らしいですよね。
和食でなさそうな和食
このため、一見すると和食ではなさそうなものが和食のようになっています。
ラーメン、カレーライス、とんかつ。
とんかつは、日本発祥で食べる頻度も多いので和食でも良いと僕は思ってますが、一般的には洋食になってますね。洋食屋さんが作ったので洋食ってことだと思いますが、日本で生まれ、日本の風土に育てられ進化してきたトンカツですから和食だというのが僕の考えです。
その考えから、ラーメン、カレーライスも僕の中では和食です。
それになんと言っても日本で、ラーメン、カレーライスは既に日本人の国民食と言っても過言ではありません。
1か月、いや、もしかすると1週間に1回、ラーメン、カレーライスを食べないことはありません。
ラーメンに至っては、1か月も食べられないと、ストレスが溜まるのではないでしょうか?
焼肉と唐揚げ
金沢市で大人気の焼肉を忘れていました。
日本の焼肉って戦後、朝鮮から日本に来た方が伝わったもので韓国の焼肉と比較するとどうしても見劣りするんですね。
ラーメン、カレーは世界に誇れますが、焼肉は韓国の方が進化していると思っています。
あと、洋食と言われている日本発祥のとんかつが和食なら鶏の唐揚げも日本発祥なので和食になります。
もう少しで和食
あともう少しで、和食かな?というのが、ハンバーグとスパゲティ・ナポリタンです。
ハンバーグ、正式名称はハンバーグ・ステーキです。
発祥はドイツで、英語で書くと、Hamburgでドイツのハンブルグを意味しているそうです。
ナポリタンは言うまでも日本発祥のスパゲティです。
神奈川県横浜市のホテル、「ホテルニューグランド」で1927年に提供されたのが最初だと言われてます。
こちらも洋食店が発症なので、洋食と言われていますが、この2点については確かに、まだ洋食感の方が強い気がするので、もう少しでということです。
粉もの
日本には「粉もの」という分類もあります。
たこ焼き、お好み焼き、焼きそばです。
丼もの
粉ものが出てきたので、丼ものを思い出しました。
親子丼(かつ丼)・うな丼・天丼が3大どんぶりと言えるのではないでしょうか?
かけもの
そして、僕が勝手に名付けた、「かけもの」
代表的なのは、卵かけごはん、お茶漬け、ふりかけごはん(笑)
炊き込みご飯
そして最後が、炊き込みご飯。
釜めし(炊き込みご飯)、雑炊があります。
和食だけでも、たくさんあるのに海外のものまで取り入れてきますので、日本の和食は更に進化していくと思います。
まさに世界に誇れる和食です。