日本の三大都市と言えば?
先日、日本の三大都市はどこだと思う?と聞かれた。
東京、大阪は、誰に聞いても間違いないと思う。
問題は、残りの一つで、人口では東京都に次いで多いのは神奈川県。
そうすると、神奈川県の県庁所在地である、横浜市というのが妥当だろう。
すると、思いもよらない答えが返ってきた。
なんと、日本の三大都市は、東京、大阪、名古屋だという。
改めて人口を確認してみた。
市区町村別の人口及び世帯数
東京都 :12,548,258人
横浜市 : 3,605,951人
大阪市 : 2,525,153人
名古屋市: 2,173,945人
【出典】総務省|参考資料4 市区町村別の人口及び世帯数
人口の多さは、東京、横浜、大阪の順で間違いない。
なぜ、名古屋なのか質問してみたが、大都市の定義に基づいたもので、それは人口だけではないというものだった。
大都市の定義は?と質問すると、人口・交通・産業の3つだとか。
東京市・大阪市・京都市?
わかったような、わからないような感じだったので、調べてみると・・・
まず、明治時代に三市特例制度というものがあった。
三市とは、東京市・大阪市・京都市の3つで執行機関の特例として、 市長・助役を置かず、その職務は府知事・書記官が行うというもの。
つまり、この時代、東京都はまだ存在しておらず、東京府の中に東京市が存在した。
そして、三市には市長・助役を置かずに、府知事・書記官が兼務するというもの。
これは、1889年(明治22年)~1898年(明治31年)まで続いたがその後は廃止。
【出典】総務省:大都市に関する制度の沿革
1943年(昭和18年)7月1日に東京府と東京市が廃止され、府と市の機能を持つ東京都となった。
府と市の両方の機能を持っているので、東京都の県庁所在地は新宿区ではなく、東京都になっていることになる。
そして、1956年(昭和31年)に人口50万人以上の市の内から政令で指定された、政令指定都市制度ができた。
1995年(平成7年)には人口30万以上の市の申請に基づき政令で指定される中核市、2000年(平成12年)には人口20万以上の市の申請に基づき政令で指定 される特例市が制定されている。
上記の内容だと、三大都市は、当時の3つの府(東京・大阪・京都)の県庁所在地である、東京市・大阪市・京都市ということになるが、これは1898年で廃止されているので、振り出しに戻った。
東京・大阪・福岡?
探していると、三大都市は東京・大阪・福岡だという人もいるようだ。
まぁ人口だけでないというのであれば、バランス的に考えると、北海道、本州は東京、九州は福岡というのもありだと思う。
三大都市圏
最後に見つけたのが、国土交通省のホームページに記載されていた「三大都市圏」というもの。
圏域及び地方
「三大都市圏」とは、東京圏、大阪圏、名古屋圏をいう。
「東京圏」とは、首都圏整備法による既成市街地及び近郊整備地帯を含む市区町の区域をいう。
「大阪圏」とは、近畿圏整備法による既成都市区域及び近郊整備区域を含む市町村の区域をいう。
「名古屋圏」とは、中部圏開発整備法による都市整備区域を含む市町村の区域をいう。
そして、それぞれの整備法にて以下のように定められている。
これが答えということになりそうだ。
愛知圏とは記載せずにあえて、名古屋圏と記載されているので、三大都市の都市名と一致する。
なぜ、東京圏、近畿圏、名古屋圏の3つのエリアになっているのかというと、人口だけではなく、産業が集中しているエリアということからのようだ。
地方とは?
また、上記以外(三大都市圏以外)を「地方」と呼ぶということも記載されていた。
「北海道地方」:北海道
「東北地方」:青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県及び新潟県
「関東地方」:茨城県(東京圏を除く。)、栃木県、群馬県、埼玉県(東京圏を除く。)、千葉県(東京圏を除く。)、東京都(東京圏を除く。)、神奈川県(東京圏を除く。)、山梨県及び長野県
「北陸地方」:富山県、石川県及び福井県
「中部地方」:岐阜県、静岡県、愛知県(名古屋圏を除く。)及び三重県(名古屋圏を除く。)
「近畿地方」:滋賀県、京都府(大阪圏を除く。)、兵庫県(大阪圏を除く。)及び和歌山県
「中国地方」:鳥取県、島根県、岡山県、広島県及び山口県
「四国地方」:徳島県、香川県、愛媛県及び高知県
「九州・沖縄地方」:福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県及び沖縄県
よく都道府県を選ぶ際に、先に地方を選ぶように作られているサイト等で、北陸地方の3県を中部地方に含めているホームページを見かけるが、中部地方には含まれず、北陸地方というのが正しいことになる。