北陸新幹線は大成功
今は平日の午後。
東京に向かう北陸新幹線に乗っている。
平日のど真ん中の午後だというのに車内は、ほぼ満席だ。
北陸新幹線が開業する前は電車が、ほぼ満席というのは週末の夕方とかだった。
北陸新幹線は単に満席というだけではなく、乗客層がビジネスマンや地元の人だけではなく、旅行客に外国人と多種多様な人達が乗車している。
北陸新幹線の乗車率が開業して8年になろうとしているのに、こんな状態を維持しているとは誰が予想しただろうか?
そんな北陸新幹線は次のステージに進んでいる。
2023年末には敦賀まで延長
現在、金沢ー東京間だったのが、2023年末には福井県の敦賀市まで延長される。
新しく追加となる駅は敦賀を含めて6駅。
最終的には大阪、京都まで接続することを見越したもので、実現すると東京ー大阪ー金沢ー東京といった新幹線の環状線が実現する。
金沢を走る特急は廃止
しかし、新幹線が開通すると、この間の特急利用者は減ることが予想される。
特急以外の在来線だけが残っても大きな利益には繋がる見込みはないので、金沢ー大阪間の特急「サンダーバード」金沢ー名古屋間の「しらさぎ」を敦賀止まりにして、北陸線の金沢―敦賀を3セクターに譲渡することにした。
移管先の鉄道会社は、石川県内は「IRいしかわ鉄道」、福井県内は新設の「ハピラインふくい」になる。
これは、金沢から大阪や名古屋に向かう場合は新幹線で敦賀へ行き、そこで大阪の場合は、特急サンダバード、名古屋の場合は特急しらさぎに乗り換えることになる。
名古屋に行く場合、更に米原で新幹線に乗り換える場合が多いだろう。
すると、名古屋へは3つの列車を乗り継ぐことになる。
これは、行く時はまだ元気があるので、苦にならないが、疲れて寝ていたい時には乗り換えがあるとのんびりと寝ていられないことになる。
これまで、特急一本で大阪、名古屋に行けたのが北陸新幹線が敦賀まで開通すると最低でも2つの列車を乗り継ぐ必要が生じる。
それだけではない。
今は名古屋に向かう場合、5時10分のしらさぎに乗れば米原で新幹線を乗り継ぐと7時42分に到着できるが、これが金沢発のしらさぎがなくなり、北陸新幹線に変わると東京発の始発が6時16分発のかがやきで、金沢着が8時45分。
これに乗ったとして、敦賀までは46分要する見込みなので、9時30分過ぎに敦賀に到着するので、これは問題外。
現在、富山発の「つるぎ」のような新幹線が仮に金沢初6時で追加された場合でも、現在の敦賀発 6時33分のしらさぎには間に合わない。
すると、次の7時12分のしらさぎにしか乗れないので名古屋へは8時25分着になり、これまでのように8時前に名古屋に入ることができなくなる。
ちなみに大阪行きのサンダーバーであれば、6時発の新幹線があれば、敦賀には6時46分に到着できるので今と同じように敦賀6時53分発の大阪着 8時20分で到着できる。
まぁ、自分は名古屋には行くことはなさそうなので気にはならないが、金沢は名古屋の植民地と言われるほど、名古屋系列の企業が存在する。
このため、名古屋からお呼びがかかれば、何をおいても行かねばならない人達にとっては、電車ではなく自動車で名古屋に向かうことになるかもしれない。
北陸新幹線が大阪まで開通しても大阪駅には新幹線は停車しないので、京都か新大阪で乗り換えて大阪に向かうことになる。
新大阪までは、現在より30分短縮されるようだが、乗り換え等を行なっていれば、せいぜい、20分程度の短縮にしかならないだろう。
移動時間だけだとメリットは少ないかもしれないが、新幹線だと踏切などがないので人身事故が起きにくいし強風や雪にも強くなるので遅延や運休は今よりも減るのだろう。
この点を含めると、特急を廃止するのも仕方ないのかもしれない。