今でも忘れられない、悪魔のような店員が二人。
※当時の自分にとっての勝手な印象だということでご容赦願いたい。
二人の悪魔のような店員は、今は閉店して存在していないガソリンスタンドの店員。
夜9時過ぎだった。
この頃、夜9時が定時のような状態で、夜中まで残業というのが当たり前だった。
偶々早く(夜9時)帰れたので、知人に電話をするために、電話ボックスの前に車を停めた。
まだ、スマホどころか、携帯電話さえ、一般の人が持っている時代ではなかった。
そして、電話をして車に戻った。
エンジンをかけようとしたが、エンジンがかからない。
給油ランプを見ると、E(empty)ランプが光っていた。
どうやら、連日、深夜で給油メーターを見ておらず、ガソリンが切れそうだったことに気がつかずにずっと運転していたようだ。
そんなことあるか?と思われるかもしれないが、事実になる。
道路を挟んで向こう側にガソリンスタンドの事務所らしきところが明かるかった。
ラッキーと内心喜んだ。
道路を渡り、ガソリンスタンドに向かった。
すると事務所には男性が二人いたので、「ガス欠なので、道路の向こう側なんですが、給油して頂けませんか?」とお願いした。
しかし、もう閉店時間なので、無理という冷たい回答。
せめて、携行缶を貸して頂いて、給油してもらえませんか?とお願いしたが、それも無理だと言われた。
※この頃はまだガソリンを携行缶などに給油することは許されていた。
目の前の車なのに・・・と思いつつ、これ以上、お願いしても無理だと思ったので、諦めて車に戻った。
自分にとっては夜9時は早い時間だったが、普通に考えたら遅い時間。
時間が時間なので、無理だろうなぁと思いつつ、車を買ったり、点検、オイル交換、車検などをお願いしていた自動車の販売店に電話することにした。
今なら自動車の任意保険会社が24時間のトラブル対応などのサービスを行っているので問題はなかったが、その頃の自動車保険には、そのようなサービスがなかった。
すると、何と電話が繋がり、若い男性の声が聞こえてきた。
夜分遅くに申し訳ありませんと、お詫びをしたのち、事情を話すと、それは大変ですね、今すぐ向かいますので15分位お待ちくださいとの回答を頂いた。
ガソリンスタンドでの冷たい対応のあとだったので、とても優しい言葉に聞こえ涙が出そうになった。
夜の9時過ぎなので、交通量はほぼなかった。
15分程度で、車両積載車の姿が見えた。
それは、神様が乗っている車のように思えた。
そして、車から降りてきた男性の姿は神様だった。
神様の第一声は、他の要因だといけないので、念のため車両積載車できましたとのお言葉。
携行缶で給油して頂くと、無事、エンジンがかかった。
早めにガソリンスタンドで給油してくださいねとだけ言って車に戻ろうとしたので、料金はおいくらですか?と尋ねると、今回は大丈夫ですよ。と言ってくれた。
こんな時間に来てもらった上に、代金は不要だと言われると逆に困ってしまうので、そんなわけにはいきませんと返すが、営業時間外のことなので、本当に大丈夫ですよと言われ、神様は車に乗り込んで立ち去ってしまった。
その当時は「神対応」なんて言葉はなかったが、まさに自分にとっては全てが「神対応」だった。
悪魔のようなガソリンスタンドの店員の対応のあとだったけに、余計、嬉しかった。
優しさが身に染みた。
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