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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

変動祝日制により失われたもの

9月の第三月曜日は何の日?

毎年9月の第三月曜日と問われて何の日か?と自信を持って答えられるだろうか?

敬老の日」で国民の祝日と法律で定められている。

正直、ピンとこない。

以前は、毎年9月15日が「敬老の日」だったのが、土日の休みと合わせて3連休にしようということで、祝日が毎年、違う日に変わるようになってしまった。

自分は、これを変動祝日制と言ってる。

変動祝日制により今年(2023年)は9月18日が「敬老の日」だった。

結果、今日(9月18日)は何の祝日なんだっけ?という言葉が聞かれることになる。

記念する日を定めた「国民の祝日」として、これは適切なことなのか?

国民の祝日に関する法律

第一条 自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。

【出典】https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC1000000178

現在、敬老の日を9月の第三月曜日と定めてはいるが、実際は日よりも曜日に主眼が置かれているので曜日的要素が強くなってしまった。

実際、来年の9月の第三月曜日は何日か?と言われて答えられる人は、そんなに多くはないはず。

つまり、記念日として定まっていないから今日は何の日だっけ?という言葉が出てしまうのだ。

変動祝日制により祝日は記念日ではなくなった

これでは、既に記念日でなくなっている。

国民の祝日に関する法律に定められている「美しい風習を育てつつ」というのも、どこかに行ってしまった気がする。

結婚記念日や誕生日といった記念日が仮に9月15日で、昔の敬老の日と同じだったとして、敬老の日が、9月の第三月曜日に変わったから、結婚記念日や誕生日も、同じように第三月曜日にしようってことにはしないだろう。

国民の祝日でも天皇誕生日は、2月23日、昭和の日は、4月29日、憲法記念日は5月3日、みどりの日は、5月4日、こどもの日は、5月5日、山の日は8月11日、文化の日は11月3日、勤労感謝の日は11月23日としっかり、日で固定されている。

【出典】国民の祝日について - 内閣府

変動祝日制によって、「敬老の日」は、9月の三連休の一つになってしまった。

そのためか、秋分の日次第では、5連休といった、まとまった休みになるので、春のゴールデンウィークに対して秋のシルバーウィークの中の一つになってしまった。

こうなると、本来の記念の日の趣旨は、そっちのけで、まとまった休みはどこに行こうか?ということになってしまう。

こんな状態で、どれだけの人が、敬老の日を祝日として過ごしているのだろうか?

敬老の日は、以下のように、法律で定められていて、「社会に尽くしてきた老人を敬愛し長寿を祝う」とある。

国民の祝日に関する法律

第二条 「国民の祝日」を次のように定める。

途中略

敬老の日 九月の第三月曜日 多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。

【出典】https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC1000000178

老人とは何歳からだろうか?

しかし、法律では「老人」の対象年齢については定められていない。

60歳で定年を迎える人が多いので60歳以上だろうか?

日本では60歳で還暦で子供に戻ると言われている、

しかし、老人福祉法では65歳以上が高齢者、WHOでも65歳から前期高齢者になっているので、65歳だろうか?

実際、再雇用で65歳まで働いている人もいるので、現在は65歳以上というのが妥当なのかもしれない。

今はもう一つ問題があり、自治体などは、祝日の趣旨に沿って、敬老の日に長寿を祝う行事や敬老祝金事業などを行なっているが、高齢者が増加していることから、今年は行わないとか、75歳以上を対象者としていたが、来年からは80歳以上にするという自治体まで出てくるようになってきた。

高齢者が増えたからイベントが中止?

今は、高齢者が増えたことで、敬愛、長寿を祝う日ではなくなり、逆に長寿が迷惑とされるかのようになってしまっている。

昭和40年の平均寿命は男性が67.74歳で、女性は72.92歳。

これに対し、今(2021年)は男性が81.47歳で、女性は87.57歳で過去最高だとか。

このため、10人に1人が80歳の時代になっている。

これでは、最初に自分が定義した65歳老人説は、とんでもないと言われることになる。

そう考えると、法律で老人とだけ定義し具体的な年齢が定められていないことは、自治体等にとっては自分達で年齢を定義できるので大正解ということになる。

このままでは、国や自治体の財政を圧迫するので、国民の祝日から、敬老の日は外されてしまうかもしれない。

変動祝日制により、記念日である国民の祝日は只の休みに変わり、美しい風習は失われつつある。

そこに高齢化が加わり、敬老の日にお祝いするのをやめようという動きが加わった。

日本の古きよき風習は、次々に廃止されていくのは寂しい気がする。

自分の子供の頃は、老人=人格者という認識だった。

老人に質問すれば何でも答えてくれた。

しかし、今は、還暦を境に子供に戻ったかのように、自分勝手、わがままな言動をする老人が目立ってきたことで「老害」という言葉まで使われるようになってしまった。

これでは、正直、敬うという気持ちは生じない。

小さな子供ならまだ、可愛らしさがあるが、自分より年上の人では、何を子供みたいなことを言ってるんだ?という気持ちになってしまう。

それは、高齢者予備軍である年代の人にも言えることで、今の高齢者予備軍が高齢者になったときには、更に偏った知識が加わるので理屈っぽい老人になるのは間違いないはず。

そうすると、更に可愛げのない老人が増えていくので、今以上に、めんどくさい、社会になることが考えられる。

自分が子供の頃と比べると、今の日本は凄く暮らしにくい国になっているように思う。それは、禁止・中止といったことばかりが増えていき、自由が少しずつ奪われているからだと思う。

このままでは、雁字搦めで、身動きが取れなくなってしまうのではないだろうか?