seegeのまとめサイト

もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

日本が称する処理水は汚染水ではないのか?

海洋放出へ

東京電力は2011年に被災した福島第一原子力発電所から出た「処理水」と称するものの海洋放出を2023年8月24日から開始した。

東京電力は2023年8月24日、2011年の東日本大震災で被災した東京電力福島第一原子力発電所から出た処理水の海洋放出を開始した。

2023年度は合計約3万1200トンを放出する計画。

処理水は、いまだ高温の原子炉を冷却した際に放射性物質で汚染された水を、多核種除去設備(ALPS)でトリチウム以外の核種を取り除いている。

【出典】福島第一原発処理水の海洋放出開始、東電 トリチウム以外の核種を除去 | Science Portal - 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」

中国をはじめとする国々が、これに猛反発し、海洋放出と同時に、日本の企業や団体に、中国から嫌がらせの電話が殺到した。

日本が処理水だと称しているものが、他国が海水放出している処理水と同じものかどうか?という点が論点になると思うが、その点についてはあまり報道されず、放出した処理水に含まれるトリチウムの量は基準値を下回るものだということから中国等に対して科学的根拠に基づかない発信だと批判している。

まず、日本が称する処理水なるものは、本当に処理水と呼べるものなのか?ということを確認してみたい。

原子力発電の仕組み

原子力発電というのは、火力発電と仕組みは同じ。

火で水を蒸発させることで発生する蒸気でタービンを回して発電する。

原子力発電は、ウランが核分裂する際に発生する熱で水を蒸発させて発生する蒸気でタービンを回して発電させている。

原子爆弾で使用するウラン235核分裂しやすい)は一気に核分裂を行うので爆発的なエネルギーを発生させる。しかし、原子力発電では、ウラン235の比率を低くし、核分裂が持続するウラン238の比率を高くしている。

蒸気を水に戻すのが復水器。

復水器を冷やすのに海水を取り込んで循環させる。

冷却に使われた海水は海へと戻される。

完全な汚染水を処理したもの

2011年の津波で、福島原発は破壊された。

その結果、冷却システムが壊れ、炉心がオーバーヒートし、施設内の水は高濃度の放射性物質で汚染されてしまった。

原発の燃料棒を冷却するため、水をくみ上げ続けている。そのため毎日、汚染水が発生している。

燃料棒というのは、ウランの粉末を直径・高さとも約1cmの円筒形に焼き固めた「ペレット」を長さ4mほどの金属でできた管(被覆管)に詰めたもので原子力発電のエネルギー源と言えるもの。

現在、海洋放出しているのは、リチウム以外の核種を取り除いているとは言っても、完全に汚染された燃料棒を冷却するのに使用している水であり、通常の原子力発電で発生した冷却水の使用済みのものを放出するのとは異なる汚染レベルの汚染水になる。

これをALPSと呼ばれる「核種除去設備」でトリチウム以外の核種を取り除き、トリチウムが残った処理済水を海水で薄めて1Km先の海洋に放出している。

そもそも、日本が処理水だと言っているものは、通常の原子力発電の運用で発生する処理水とは元が異なるものなので、海洋放出に反対している国々は、この点を懸念していることになる。

汚水をろ過したものが大丈夫だと言ってるようなもの

通常、水道水を「ろ過フィルター」で浄水して飲んでいるのが、汚水を「ろ過フィルター」で浄水して問題ないレベルにしたので、科学的には飲んでも大丈夫だと言っているようなものだ。

とはいっても口に入れるものなので、汚水が本当に完全に飲めるレベルになったのか?と言われると不安になるのが心情というものだろう。

経済産業省は、ALPSでろ過した処理水に残っている「トリチウム」の量を持ち出して、海外では韓国の月城原発が71兆ベクレル(2021年)、中国の秦山第3原発は143兆ベクレル(2020年)、フランスのラ・アーグ核燃料再処理施設は、1京ベクレル(2021年)と桁違いの排出量だと言っていることになる。

怖いのは、現時点の科学では問題ないとしても、10年後、20年後、その先も永遠に問題ないと言い切れるのか?という点だ。

直ぐに異常が出ないとしても、これが継続すれば、何らかの見落としがあって実は大きな問題になる可能性もある。

そこまで日本は検証して大丈夫だと断言しているのか?と問われれば、そんなことは現段階で断言できるはずはない。

このため、海外の国々が心配するのは、当然のことだと思う。

日本は、科学に基き行っていることだというのであれば、未来永劫、今の方法で問題はないと断言できるのか?という点を科学的に証明できなければ、納得させることはできないと思う。