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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

独占禁止法まがいの代理店制度

中古車販売の闇

ビッグモーターというと、中古車販売の会社だと思っていたが、それだけではなく、整備・修理も行っていた。

保険金の不正請求を行っていた。

修理依頼の車を預かると、わざと車に傷をつけて「不必要」な修理を行なって修理費用を水増して損害保険会社に請求するという手口。

少なくとも1275件、約4995万円を水増し請求していた。

売上のために顧客から預かったものに傷を付けるなんて発想は、これまでの日本になかった。

これまでにも不祥事はあったようだが、記者会見や謝罪といったことは一切していなかったこともあってか、マスコミの印象は悪かった感がある。

テレビ局の力が強かった頃は、スポンサーであっても忖度することなく報道していたと思うが、テレビ離れが進み、広告媒体の選択肢も増えて今だと、昔のようにはいかず、若干の忖度はあったのではないかと思うが、流石に今回の件は、忖度すれば報道機関としてのテレビ局の信頼を損ねることになるので報道せざる得なかったのだろう。

しかも、今回は、かなり強めの報道だったように思うので、ビッグモーターに見切りをつけたのかもしれない。

それくらい、今回の件は致命的だったと言える。

ビッグモーターの場合は、極端な例だと思うが、中古車販売業界も昔に比べると顧客重視ではなくなっているので、似たようなことは当たり前に行われているように思う。

自動車の新車販売

中古車販売だけではない。

新車販売にはディーラー制度がある。

これは、自動車メーカー1社のみと契約することで、そのメーカーの車の販売とアフターサービスを行う会社になる。

そして、その地域内で「独占的」に販売することができる。

複数メーカーを取り扱う自動車販売店は、ディーラーからしか購入できないので車単体では価格面で太刀打ちできないので不利になる。

その結果、下取りや純正品以外のオプションでの合計金額と、メンテナンス費用で勝負することになる。

ディーラーのメンテナンスパックなんて年間何万円も支払って、数ヶ月に一回、わざわざ店舗に足を運んで点検を行ってもらう。

そして、ワイパーのゴムの交換といった交換頻度の低いものを無料にしてお得感を演出。

そして、点検に行く都度、毎回、エアコンのフィルターや、オイルエレメントが交換の時期だといって数千円を支払う事になる。

これだけの額を支払うならメンテナンスパックなんて加入しないで、発生都度、支払った方が、余程、安価に済ませられる。

その上、昔ほど、大きな値引きもしない。

商談の際に、大きな値引きはメーカーの意向で今は、できないし純正オプションの値引きも同じだと最初から言ってくる。

あからさまに値引きはしないと言ってるようなものだ。

それでいて、メンテナンスオプションを勧めて来る。

しかし、それは、顧客のことを思ってことではなく、ディラーも車の販売だけでは、やっていけないため。

そして営業マンには、毎月のノルマといった事情もあるのだろう。

先日、点検に出した時もドラレコのSDカードがフォーマット不良になって帰ってきた。

今はエンジン停止中も悪戯対策のためにドラレコで録画している場合があって、車の整備をしている時に、整備員が知らずに車のオーナー悪口を言っていたら後日、車のオーナーが、ドラレコの映像をチェックしていて怒鳴り込んで来たという話を随分前に聞いた。

それ以来、整備士はドラレコの録画には敏感になっているという。

しかし、今では録画を気にするのではなく、整備後に映像を確認できないようにしているのではないか?と勘繰ってしまった。

ビッグモーターの報道を見ていると、あながち、あり得ない話ではないと思える。

自動車業界だけでない

自動車に限らず、特約店制度は、どのような商品やサービスでも存在する。

中でも、昨年?だったかの富士通の方向転換のように酷い例もある。

直接販売するのは特約店のみだった。

ここまでは、自動車と同じ。

しかし、富士通は地域毎の一次代理店といった感じの特約店制度を設けて、地域毎の商社は、一次代理店を経由しないと注文ができなくなった。

従来、代理店認定された商社であれば、特約店に直接注文ができていたのが、富士通の方向転換で、できなくなってしまったのだ。

なぜ、そんなことをしたのかと言えば、「合い見積もり」を減らすため。

購入する側は、合い見積もりが基本。

通常は、3社から見積もりを取って比較する。

富士通製品であれば、仕入れ先が同じであれば、卸値も同じになる。

あとは、注文を受けた代理店が、どれだけ利益を取るかで変わって来る。

このため、代理店が変われば見積もり額が異なる場合が多い。

1つの案件なのに、3回も見積もりが来ると場合によっては3つの特約店から富士通への価格確認の依頼が届くことになる。

価格を必要以上に下げられてしまうのを嫌った結果だと思う。

しかし、購入する方は、富士通に見積もりや注文を行う都度、最低でも2社を経由することになる。

そうすると、ちょっとした部品を注文するだけでも、2社以上経由するので、経由する会社毎に時間を要し、更には無駄な手数料が加算されて無駄に値段が高くなる。

更には特約店に情報が集中するため、依頼事項が抜けてしまったりして納期トラブルに繋がることもある。

代理店制度はメーカーにとってのみ都合の良い制度

現状、代理店制度は、メーカー側に都合の良い存在になっている。

今の姿が、独占禁止法が目的とする、「公正かつ自由な競争を促進し,事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすること」に合致しているのだろうか?

競争は生まれない。

メーカー側の要求ばかりを受け入れて、事業者は自主的な判断で自由に活動できているのだろうか?

ビッグモーターの事件をキッカケに、代理店制度の見直しも行って欲しいと強く感じた。