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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

損得勘定

損得勘定で考えるな?

損得勘定で物事を考えるなと昔は、よく言われたものだ。

損得勘定とは、収入ー支出がプラスになるかを計算するということ。

しかも、単純にプラスになればよいというものではない。

同じ支出を出すなら最も収入が多くなるかどうかも計算しろということ。

昔は、目先の損得が全てではなくて、常に必要とされる企業でいることを考えろと教えられたものだ。

しかし、今は、目先の費用対効果だけを考えろ、これを積み重ねていけば、マイナスになることは絶対にないので、目先の損得勘定で考えろという。

どちらが、正しいのだろうか?

損得勘定で考えた方が、売り上げも上がり利益も出るだろう。

しかし、損得勘定で考えると、どうしても自社の利益だけを優先しようとするので、他社からは恨みを買うことになる。

社内的にも、全てを損得で考えることになるので、お金に換算できないような無形効果は、なかなか認めてもらえない。

無理に金額換算しても、根拠を求められると破綻してしまうので、なかなか難しい。

その結果、社外からも社内からも、白い目で見られることになる。

利益が得られない会社を続ける意味はない。

だからといって、社会から必要とされない会社を続ける意味は更にないだろう。

今もマスコミが報道しているジャニーズ事務所やBIGMOTERも、社会から必要とされていたので社会的影響力を持つまでに成長したのだと思う。

ところが、大きくなり過ぎて、立ち上げた当初に考えていたことは、すっかり忘れ去られてしまい、全てを損得勘定で考えるようになってしまった。

ジャニーズ事務所は、社会的影響力を持ってしまったことで所属タレントの出演料を必要以上に高く請求したり、気に入らないことがあれば、自分達の力を見せつけようと、圧力をかけたりするようになった。

BIGMOTERも高い販売力を持つようになったことで、オークションなどを利用しなくても直接販売が可能となり中間マージンなどが不要になり高く買い取ることができるようになった。

車の販売だけでなく、修理、板金、塗装まで行うようになり、車に関すること全てがBIG MOTERだけで完結するようになり、買ってから売るまでずっとBIGMOTERという図式が完成した。

そうすると、ジャニーズと同じで独占状態となり好き勝手なことが行えるようになってしまった。

勢いや力のある間は、ゴマをする人は後を絶たないだろう。

しかし、ジャニーズやビッグモーターのように存続を揺るがすような問題が出てくれば、ここぞとばかり、これまでの不満を一気に爆発させることになる。

損得勘定で考えなければ、今のジャニーズ、BIGMOTERは存在しなかったと思うが、長い目で見た場合には恨みを買うことになり、何かあれば、足元を掬われることになり、痛い目を見ることになる。

誰しも一目置かれるようになれば慢心が生じ初心を忘れてしまう。

稲盛氏の京セラはどうだろうか?

京セラの稲盛和夫氏は真摯に仕事や経営にあたるという考え方だと言われている。

このため、京セラというのは凄い会社なんだろうと思っていた。

仕事柄、京セラといえば、セラミックコンデンサーではなく、レーザープリンターが頭に浮かんでくる。

ある顧客が京セラのプリンターを指定してきた。

なぜ、京セラなんですか?と尋ねると、ソフトウェアは親会社で開発したもので、初期値が京セラのプリンターになっていて、初期値を他社製に切り替えるにはソフト変更が必要になるが、ソフトウェアは一本化したいので変えられないと言われているという。

このため、他社製のプリンターを使う場合には印刷時に毎回、プリンターを選択しないといけない。

Windows上なら、どこのプリンターであっても、問題はないが、DOS上で印刷処理を行っていたのでは、確かにプリンターが変わると対応しているエミュレーションモードも変わるので、ソフトウェア側で切り替える必要がある。

そうすると、プリンターの切替を忘れて印刷すると文字化けが発生して大量の紙が無駄に印刷されてしまうので、リスク回避で京セラのプリンターを使用しないといけないという説明だった。

プリンターの初期値くらい変えたら記憶するようにする処理くらい簡単なことだと思うが、親会社は頑として受け付けないらしい。

初期値に京セラを選んだのも、開発した部門に偶々、京セラのプリンターがあっただけで、確固たる信念のようなものがあったわけではなかった。

親会社というのは、情報部門のトップが力を持った役員だということもあって、お山の対象状態で、やたらと威張っていて、変更を依頼してもなかなか対応しないので、親会社内でも評判が、よくなかった。

その結果、あそこには何を言ってもダメだということで関わりを持とうとするものがいなくなっていた。

その頃、京セラのプリンターは壊れると、修理をするより、買った方が安い金額を請求してくるような会社だった。

修理する手間が惜しくて、新しいものを買わせたいということだったのだろう。

つまり京セラ側の損得勘定を顧客に押し付けてくるような印象を持っていた。

このため、いくら稲盛和夫氏にアメーバ経営だの、京セラ・フィロソフィー(哲学)だと言われても、現実を目の前で見せられてしまうと、どうにも説得力に欠けてしまう。

それでも、顧客が京セラのレーザープリンターでないと、作業性が悪いという理由で京セラのプリンターを指定されたので仕方なく使っていた。

損得勘定で考える企業というのは、基本的に信用できないと思う。

まずは、顧客に必要とされる企業であるべきだと思う。

必要とされなくなれば終わり

どんなに凄い企業であっても、必要とする顧客がいなくなれば、存続することはできなくなる。

損得勘定だけでは、ジャニーズ、ビッグモーターのような企業ばかりが出来上がり、本当に必要とされる企業が存在しなくなるような気がしている。

企業は利益がなければ存続はできないので、損得勘定は不要だとは言えない。

しかし損得勘定だけでは、顧客が何を求めているのか?何が足りないのか?といったことを考えることが疎かになってしまう。

そう考えると、「損得勘定」と「必要とされることの追及」は車の両輪と言って良いのではないだろうか?

損得勘定ができなくても、前に進むことができないし、必要とされなくなっても前に進むことができないので、損得勘定だけでも、必要とされることのどちらが欠けても前に進むことができなくなるので、バランスよく考える必要があることになる。