前日は雨で中止
2023年6月2日〜4日にかけて、金沢市で毎年恒例となっている、「金沢百万石まつり」が開催された。
初日は、あいにくの雨となり、子供たちが参加するはずの「ちょうちん行列」は中止。
翌日は快晴!
翌日のメイン行事である、百万石行列が中止になるのでは?と思っていたが、何と翌日は朝から快晴。
気温も最高気温が20℃前後ということで、最高のコンデションで開催された。
開催日以降、天候が心配されたが、今年の金沢百万石まつりは、主役の前田利家公を演じた、市川右團次さんが、初めて馬に乗るということで乗る時に危なっかしい場面があった以外は何事もなく無事、終わった。
翌日の地元新聞紙の1面のタイトルは、以下のような感じになった。
時代絵巻39万人沸く
百万石行列、4年ぶり通常開催
今年はコロナに関する制限はなくなり、通常通りに行われたことから、このような見出しになっている。
あれから1ヶ月・・・
あれから、約1ヶ月が過ぎて百万石まつりのことは、金沢市民の記憶から消えてしまった頃の2023年7月1日、以下のような記事の見出しを中日新聞が掲載した。
- 【石川】百万石行列 観客数 ほんとに39万人?
交流サイト(SNS)上では「ほんとに39万人おったか?」と疑問も。
確かに39万人と言えば金沢市人口の八割以上の人数。
確かに言われてみれば、39万人なんて人数は金沢市民の大半が行かないと成立しない数。
観光客の来場で人数が加算されたとしても、せいぜいが数万人レベルではないだろうか?
自分は、金沢市民ではあるが、休みの時なら基本、テレビで見るようにしている。
混雑しているということもあるが、テレビだと解説もしてくれて、好きに飲み食いができ、トイレを探す心配もなく気持ちよく見ることができる。
実際、そんな人も多くなっているはずだ。
そんなことから金沢市民の8割が出向くなんてことは確かに考えられない。
来場者数はどうやって算出したのか?
すると、どのように来場客数を算出したのかが、気になってきた。
記事を書いた中日新聞は、金沢市にしっかりと確認してくれていた。
金沢百万石まつり実行委員会の構成メンバーである金沢市に計測方法を聞いた。
観光政策課は「行列を歩いているスタッフが例年の状況と比較をしながら、おおよその数字で出しているのが正直なところ」と答えた。
「比較」と言っても、目視で数えているわけではない。
結果として「昨年は上回っているが、コロナ前(二〇一九年は四十二万人)までには回復していないようだ」という、見た目の印象を経験値に照らし合わせて三十九万という人出を決めた。
観光政策課も「科学的ではない」と認める通り、あまりにも根拠が心もとない。
国土交通省が定める観光客数を調査する上での共通基準では、海水浴場や公園など出入りが激しい観光地点で「一定面積の最盛時の利用者数×回転数(時間)×全体の面積÷一定の面積」で推計する方法が示されている。
金沢市は「かつてはやったことがあるかも」というが、現在はこの計算式を利用していない。
思った以上にいい加減な集計であることに驚いた(笑)
実際のところは?
中日新聞は更に正確な数字まで推計している。
スマートフォンの位置情報を使用している。
KDDIの人流データを提供する「Location Analyzer」の協力を得て、当日どれだけの人がいたかを調べた。
条件は、武蔵交差点を中心に金沢駅や金沢城公園を含む半径1.5キロの範囲で、30分以上滞在。その結果、行列のピーク午後2~4時の段階で7万2千人前後。
全日でも約13万人。
全員が見物客とは限らない、また、20歳未満の位置情報は取得していないこと、KDDI利用者以外も存在するので値は、実際の人数より1~3割少なめになる。
以上の情報より、推測すると、ざっと、10万人という感じではないだろうか?
まぁ自分は、百万石まつりの観客数が39万人というのが正確な数字でなくても、大きな問題という認識はない。
しかし、不正確な数字を公式に発表するというのは、どうかと思うので、金沢市も来場者数を公表するのであれば、来年からは、同じように調べて公表した方が、良いのではないだろうか?
昨年は百万石パレードの利家公とお松の方の撮影を禁止してネットで炎上して問題になっていたので、今年は、何事もなかったと安心していたのに、今回、来場者数のことで騒がれると来年は、位置情報を利用して行うことになりそうだ。
市の職員さんは、政府のマイナンバーカードに振り回されて、そのあと、百万石まつりと、休みもほとんどなかったのではないだろうか?
そんなこともあり、今回の件は金沢市に対して同情的に見てしまった。