ホッとする
橋が見えてくると、なぜかホッとする。
橋は川を濡れずに渡れるようにしてくれる便利な建築物という役割もあるが、それだけではないと思う。
金沢市内の大きな2つの川
金沢市内を流れる大きな川が2つある。
「犀川」と「浅野川」で、犀川は男川、浅野川は女川と言われている。
下の写真は、左側が犀川にかけられている、犀川大橋で右側が浅野川にかけられている、浅野川大橋。
【提供】金沢市
どちらも川の名前が橋につけられている。
そして、男川、女川をイメージする橋になっているのではないだろうか?
ただ、川を渡るだけの役割であれば、全て同じ構造、同じ見た目の橋で良いはずだが、そうでないから色々な橋があるのだと思う。
金沢の人であれば、橋を見れば、犀川大橋、浅野川大橋という名前がすぐに出てくる。
名前が出てくるだけでなく周囲の景色が頭に浮かんでくるはずだ。
犀川の橋
個人的には、犀川だと上菊橋、下菊橋が思い浮かぶ。
犀川大橋から約1.5Km上流に位置する。
この2つの橋は250m程度しか離れていない場所にかけられている。
左が上菊橋、右が下菊橋
【提供】金沢市
浅野川の橋
そして、浅野川だと、梅ノ橋に天神橋。
梅ノ橋は欄干が木製で、道路から橋の上に行くまでに階段があるので自動車は通れない、人と自転車専用の橋になる。
そして過去2回浅野川の水害により橋が流されているので現在は3代目になる。
小さな橋ではあるが、映画のロケなどでもよく使われていたので金沢を象徴する橋として扱われる場合が多い。
こちらも浅野川の水害により流されたことがあるため、2代目からは橋脚がなくなった。
右が梅ノ橋、左が天神橋
【提供】金沢市
日常に溶け込んでいる橋
橋というのは、地域の一部になっていて、日常に溶け込んでいる存在なのだと思う。
橋も最初は倒れている木や石を置いただけの簡単なものだったと思う。
大きな川では木や石を置いただけでは川の水が多くなって流れが早くなれば流されたりするので、吊り橋やアーチ橋に変化して今に至ったのだろう。
最近は集中豪雨で川の水が氾濫したりして橋が流されたり、壊れたりするので、これを機に橋はまた進化するはずだ。
将来的には水底トンネルが増えていくのではないかと思っている。
水害対策と言えば、オランダ
オランダはネーデルランド3国(オランダ、ベルギー、ルクセンブルク)の一つで、ネーデルランドというのはオランダ語で「低地の国々」という意味がある。
国土の4分の1が海抜0m以下の区域なので道路の上を川が通っている不思議な光景が見られる。
川の下を通る道には「NAP-3.8M」という大きな標識が設置されている。
NAPとは、NORMAL Amsterdam peilの略で、アムステルダムの標準レベル、つまり、海抜0mを意味する。
更に-3.8Mとあるので、海抜-3.8mという意味になる。
つまり、川のための橋があることになる。
川が道路の上を流れていれば、大雨が降ればすぐに川の水が溢れて下の道路に流れていくので大惨事になるのではないかと考えてしまう。
しかし、オランダでは道路の脇に排水口が30m間隔で設置されており、排水口から地下にある雨水用貯水場に流れていき、貯水場が一定の量を超えるとポンプで人工水路に汲み上げる仕組みができている。
オランダと言えば風車が有名だが、これも土地の干拓のために、風車で水を汲み上げていたためだ。
海抜0m以下の、オランダの歴史は水との戦いとも言える。
このため、水害に関してのオランダの技術は世界トップレベルと言える。
日本の水害対策は?
日本にも海抜0m地域はたくさんある。
特に、東京、新潟、愛知、佐賀が多い。
特に近年は、ゲリラ豪雨に始まり、大型台風、集中豪雨、線状降水帯と水害となる要素が増えているが、日本の水害対策は遅れている。
穏やかな天候の時は、癒しの場になる海や川も天候が荒れると、人間に牙をむいてくる。
虹は人と天候の架け橋
そう考えると、人間も海や川と同じだと言えるのではないだろうか?
人間も機嫌が良いとき、悪い時がある。
雨が上がると虹が出るが、これは、海や川が、もう機嫌がよくなりましたと教えてくれているのかもしれない。
虹の橋は渡ることはできないが、憂鬱な気分からスッキリした気分へと変えてくれるので、憂鬱からスッキリに渡してくれる橋だと思う。
今回、色々な橋があるものだと、改めて考えさせられた。