リサイクルの仕組みが整っていなかった「おくすりシート」
第一三共ヘルスケアは、おくすりシートは、ペットボトルのようなリサイクルの仕組みが整っていないので、多くが廃棄されているので、再利用の実証実験を行うという。
身近なプラスチック素材でありながら、資源としての認知度が低く、きちんとリサイクルされてこなかった「おくすりシート」。第一三共ヘルスケア株式会社ではそんな「おくすりシート」を回収・リサイクルして再利用する実証実験をおこなっている。
【出典】小さなアクションがみんなの明日を変える 「おくすりシート リサイクルプログラム」:【SDGs ACTION!】朝日新聞デジタル
それをいうなら、栄養ドリンクのガラス瓶は、回収しないのだろうか?
栄養ドリンクの瓶は、瓶の回収日に出さないといけない。
市は販売店に返却して欲しいというスタンスだが、ドラッグストアで回収している店舗は金沢市では見たことがない。
まぁ、製造元が回収しない栄養ドリンクの瓶を回収してもドラッグストアが自腹で処分しないといけなくなるだけなので、まず行わないだろう。
法律を改正して、製造元に回収責任を持たせれば良いと思うが、政治家も、そんなことに労力を費やしたくはないのだろう。
つまり、社会風潮でやってるだけで、全てが見せかけのサスティナビリティだと思う。
社会風潮が変われば、サスティナビリティという言葉は死語になるだろう。
そんなもなは、サスティナビリティでもなんでためなく、単なる一時的なものに過ぎない。
現実に戻れば、金沢市の瓶の回収日は1か月に1回のみ。
1か月間、栄養ドリンクの瓶は保管しておく必要がある。
そんなことから、ずっと、栄養ドリンクの製造元にガラス瓶の回収はしてくれないのか?と問い合わせているが、現在、そのような仕組みはありませんが、検討中ですという回答が返ってくる。
こちらも、勿論、栄養ドリンクの瓶は今でもガラス瓶で、リサイクルや回収の仕組みはないということ。
リサイクル・回収ができないのであれば、ガラス瓶を使用しないようにすれば良いのに、そんなこともしない。
ペットボトルや、缶にできないのか?と思ってしまう。
製造元に提案しても、ビタミンは光などで変質しやすいので、ペットボトルや缶より茶色のガラス瓶が最適だという。
そんなの、いつの時代の話なんですか?と言っても開発部門に伝えるでいつも終わってしまう。
おくすりシートも今の構造がベストだと思い込んでいるので、回収・リサイクルといった発想しかできないのだと思う。
そんなことから、飲み終わったガラス瓶を1ヶ月も保管しておく必要がある栄養ドリンクは購入しないようにしている。
オロナミンCはリサイクルしていた?
栄養ドリンクの空き瓶はリサイクルを行っていないが、何と同じような茶色のガラス瓶の「オロナミンC」はリサイクルを行っていた。
ガラスの主原料は、石灰石、けい砂、ソーダ灰、カレットで、地球の地殻の組成と同じ。
つまり、ガラスというのは、リサイクルしやすいということになる。
実際、牛乳瓶、ビール瓶、日本酒といった瓶は、商品を買った店や市町村が回収して、リターナブル瓶として再利用されている。
リターナブル瓶というのは、回収されたあと工場で洗浄して再度利用できるようにしたリユース品になる。
オロナミンCの瓶は、リユース品ではなく、リサイクル品で、ゴミの回収として集められて、細かく砕いてカレットに戻しているということだった。
しかし、回収はゴミ、つまり市町村が行っている。
リサイクルも市が委託した企業で行っているので、製造元はリサイクルされたカレットを使用して、また瓶を作っているだけなので、他の栄養ドリンクと何ら変わりはない。
ガラスのメリットが捨てられている
ガラス瓶のメリットは、ペットボトルなどのプラスチック製品とは異なり、生分解性が高い。
このため、炭素排出量も少ない。
しかし、重いので搬送面でCO2がペットボトルよりも多く排出されることになる。
また、ガラス瓶の再生率はビール瓶、牛乳瓶は回収率が高いため、100%近い値になっているが、清涼飲料水の瓶は、12%、日本酒の中小瓶に至っては5%。
このため、全体だと70%程度という結果になってしまっている。
ビール瓶や牛乳瓶の回収率が高いのはメーカーが回収に力を入れているからであって、他の瓶は、そういったことを一切していないため。
清涼飲料水や日本酒の中小瓶の回収率が異常に低いのは、メーカーが本気で回収しようとしていないから。
これに対して、ペットボトルの回収率は94%でリサイクル率は86%
ガラス瓶より回収率が高いのは、まず軽いという点。
そして、回収する場所が、スーパー、コンビニ等にあるので凄く多い。
スーパーではアルミ缶、ペットボトルといった軽いものは比較的回収コーナーがあるが、瓶になると、回収してくれなかったり、回収しても週に1回だけといった感じだ。
ガラスは重いので搬送費にお金がかかる。
また割れると危険だということもあって敬遠するのだと思う。
言うまでもなく、回収率が高くなれば、自然とリサイクル率も高くなることになる。
ガラス瓶は、リユースも、リサイクルもしやすい材料で作られているのに、回収が不十分なために、リサイクル率は低くなってしまう。
これでは、リユース・リサイクルしやすいガラス瓶を使うメリットを捨てているようなものだ。
そんなことから、栄養ドリンクを生産している企業には、責任を持って空き瓶の回収を行って、できればリユースして欲しい。
そんなことから一時期、栄養ドリンクのメーカーに空き瓶の回収について問い合わせていた。
それができないのであれば、ペットボトル、アルミ缶といった回収率の高い材料を使用した製品に変えて欲しいと思う。
2番が1番
今の日本は同業他社がやっていないから自社もやらないという風潮が強い。
なぜかと言えば、最初に行うのはリスクが大きいからで、他社がやって、結果が良ければ自社でも行えば良いという考え方だ。
つまり、1番にならなくても良い。2番で十分だということ。
日本の大企業は、そんな考え方ばかりになってしまったので、日本は新しいことに臆病になってしまった。
その結果、大企業から画期的な新商品や新サービスというものが出なくなっている。
代わりに、ベンチャー企業が新しい発想の商品やサービスを開発して頑張っている。
これが、日本の実情で大企業と呼ばれているところに未来は全く感じない。
その代表が日本の製薬会社。
コロナ禍であっても、結局、まともな治療薬もワクチンも開発することができず、全て外国に依存する結果だった。
昔は損して得を取れという考え方だったのが、今は、損せず得を取れという考え方に変わってしまった。
栄養ドリンクの瓶の回収なんて、やろうと思えば、いくらでもできるはず。
しかし、やらないのは、他社がやってない。
瓶を回収してもメリットがない。
だったら、やる必要なんてない。
そんなとこだろう。
正に損をしないで得を取ろうという考え方だ。
黙って待っていても得することなんてない。
まずは、自分が何かを与えなければ何も返ってこない。
企業は、何かを与えて報酬を得るものであり、何も与えないで楽して得だけしようというのは虫が良過ぎる。