宅急便の需要は増える一方
ネットからの購入する人が増えたことで、宅配便の負担は増える一方。
車を運転していても大きなトラックが増えているなぁという感じがする。
そう、運送方法というと、トラックでの配送というのがこれまでの常識。
最近は、飛行機や新幹線を使って輸送ということも始まっているようだが、道路を走っている運送トラックの数を見る限り、大きな差は感じられない。
飛行機や新幹線を使うのは急ぎの荷物を送る用途なのだろう。
ドローンを使って輸送するということも試験が繰り返されているようだが、これも大量の荷物や、重い荷物を輸送するのには向かないだろうから、宅配便の負担を減らすには至らないだろう。
日テレ24を見ていると、現在の高速道路の様子が放送されていた。
早朝4時頃だったので、走っている車はトラックばかりだった。
映像を見ていてふと思った。
運送といえば「トラック」なんだよな・・・
枝葉のような手段は変化しているが、幹の部分は、ずっと、変わってない。
インターネット通販が普及したことで、トラックの需要が爆発的に増えている。
当然、人手不足も問題になるほど、人手が足りない。
2024年問題
物流の2024年問題が予測されている。
働き方改革の一環で、労働基準法が改正されて、2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間の時間外労働時間上限が1,176時間から960時間になる。
そして、これまでは時間外労働の給与の割増率が25%だったのに対して、改正後は月60時間を超える分には50%以上に引き上げられる。
ドライバーは走行距離に応じて運行手当が支払われる。
このため、労働時間が減れば、走行距離が短くなる。
そうすると、必然的に賃金も減少するので、配送料を値上げしなければ、離職率が増えてしまい、只でさえ人手不足の状態が更に加速することになる。
これが、2024年問題になる。
今は、送料無料が当たり前のようになっているが、離職を抑えるためには、値上げは必須なので、もしかすると、昔のように送料は無料ではないのが普通に戻るかもしれない。
送料無料は配慮に欠ける
「送料無料」という表現はしたが、これは物流関係者への配慮が欠けている。
「送料無料」と書かれていると、配送の仕事に携わっている人達の人件費は無料だと言われているようなもので、自分達の仕事は価値がないのか?とモチベーションが下がってしまう。
このため「送料当社負担」といった表現にするべきだということを読んだことを思い出したので、しっかりと書いておきたい。
2030年までに14万人の人出不足
2024年問題を皮切りに、物流問題は次々に出て来る。
少子高齢化で2030年には日本の人口のおよそ3割が65歳以上となるので労働者人口は大きく減少する。
このままだと2030年までに14万人の人出不足が予想されている。
今後、更にインターネットを利用した販売は増えていくはず。
今はパソコンやスマホを使えない年代が存在しているが、今後、全世代が使える時代に変わってくれば、インターネットを使って購入する人は増えて来るはず。
そうすれば、今より宅配便の需要は増えることになる。
このため、物流問題は放置しておいて良い問題ではない。
トラック以外の方法は?
リニアモーターカーは、ようやく体験乗車が行えるほどに仕上がってきたようだ。
リニアモーターカーで人を速く運ぶことより物品を大量に運ぶことの方が重要な気がする。
リニアモーターカーを配送用に変えるという選択肢もあるのではないだろうか?
また、大規模な物流基地を全国各地に作って海を使った物流も増やす必要があると思う。
消費期限のないもの、長いものは船で時間がかかっても問題はないはず。
そして、在庫をプールしておくために全国各地に大規模な物量倉庫、つまり物流基地が必要になってくる。
大量運搬ができないドローンや人を乗せるついでに荷物を運ぶ新幹線や飛行機では限界が見えているので、トラックを幹にした物流システムをトラックが枝になるようなものに変えることは優先度が高い内容だと思うが、なぜかあまり重要視されていない。
少子化問題と肩を並べるほど物流問題は深刻だと思う。