カルロス・ゴーンからの脱却
テレビを見ていたら日産がエンブレムを一新するという報道を行っていました。
左が現行、右が新しいものです。
現行のものをシンプルにしただけという感じで、新しさは感じません。
日産自動車はゴーン体制時代から続いていたエンブレムを一新し、新たなエンブレムをつけた新型の電気自動車を発表しました。
日産は今回発表した新型車を「新たな日産」の象徴と位置づけ、ゴーン体制の下、2001年から使っていたエンブレムを19年ぶりに一新しました。日産の内だ社長は日本テレビのインタビューに対し、今回のエンブレムの変更について決意を込めたものだと語りました。
「今回アリアから日産の顔である新しいロゴを取り入れています。今後さらにお客様にいろんな価値を提供していくということで、それを示した決意が込められているロゴです」
「やはりホームマーケットの日本で、我々日産の日産らしさをご提供えきないと、世界で展開していくのは難しいと思います」
「日産が成長していく、その将来のモデル、日本市場含め、日産はこんなもんじゃないんですよと、ぜひお伝えしていきたいし、やっぱり日産よかったねと僕は言って頂きたいんです」
恩人・罪人のカルロス・ゴーン
日産はカルロス・ゴーンにより窮地を脱したのは間違いないのでしょう。しかし、その後、日産のイメージは悪くなっています。
その日産が、新しいエンブレムを最初につける車が新しい電気自動車(EV)の「アリア」です。 EVというのは、、「Electric Vehicle」の略称です。
日産自動車は15日、新型電気自動車(EV)「アリア」を発表した。同社としては「リーフ」に次ぐ2台目のEVで売れ筋のスポーツ用多目的車(SUV)スタイルに自動運転やコネクティビティーなど最新の技術を盛り込んだ。米テスラの株価上昇で再び注目が集まるEV需要を取り込んでブランド力向上につなげ、業績不振からの脱却を目指す。
充電スタンドは駐車場などで、よく見かけるようになりました。
しかし僕は充電スタンドで充電している車をみたことがないので、まだ少ないのは間違いないでしょう。
以下は車のモデル別の2019年販売台数の一覧です。
一番売れているEVは・・・
一番売れている車の、Tesla Model 3でも約300万台です。
日本では比較的よく見かける日産リーフが3位ですが、販売台数は約7万台です。
中国では2030年までに石油燃焼式エンジンの自動車の販売を段階的に廃止していくということなので、2030年を境に急激に電気自動車が増えていくのかもしれません。
日産も2030年に向けて今からシェアを確保しようということから、「アリア」の販売を開始したということですね。
充電スタンドは2011年3月で5000か所以下でしたが、2019年3月には約2万か所まで増えていますが、2017年3月から設置台数の伸びが平行状態です。
【出典】【充電スタンド】2019年の充電スタンド設置状況を振り返る
これは、やはり電気自動車の台数が増えていないからなのでしょう。
では、なぜ、電気自動車を買う人が少ないのでしょうか?
1番の理由は充電だと思います。
家に戻って来たら充電しておきたい。
しかし、自宅に駐車場があれば充電スタンドを設置することも可能ですが、駐車場を借りているとか集合住宅の場合だと難しいはずです。
ガソリン車の場合も自宅にガソリンスタンドがあるわけではないので、自宅にスタンドは必要ないと言われたらそうなのですが、ガソリン車の場合は数分で給油はできますが、充電は日産リーフの急速充電で60分程度(フル充電)です。
1時間というとかなりの待ち時間です。毎回フル充電ということはないでしょうから3分の1だとしても20分です。
EVと言えばテスラ社
EVと言えば、テスラ社の Tesla Model 3です。
1回の充電で560Km、最高速度は261Km/hで、100mを3.4秒で駆け抜けます。
270Km走行分であれば、30分で充電できるそうです(スーパーチャージャにて)
走行性能だけではありません、安全面でも前面、後面、側面に設置したカメラで360度見渡せ、前方レーダーは160m先の物体を捉えます。駐車をアシストする超音波センサーと万全の装備です。
駐車が苦手な人でも、自動で車両を駐車場所から出し入れ出来たり縦列・並列駐車をワンタッチで行います。
車両を駐車場所から出し入れするというのは狭い駐車スペースでドアの開け閉めができないような時に車に乗り込むことなく車を出し入れできるというのは便利だと思います。これだけではなく今後、完全自動走行に対応したハードウェアを装備しているので、ソフトウェアの更新だけで日々進化していくのです。それゆえに、テスラの電気自動車はスマホのような自動車だと言われています。
完全自動走行に対応したハードを装備していると聞いてしまうと電気自動車でも欲しくなってしまいます。ちなみに価格は約500万~700万円です。
日産アリアは?
日産のアリアもテスラのmodel3に匹敵する性能だと言われていますが、アリアで最もパワフルな4WDの90kWh搭載車でも、約400馬力で、最高速度は200Km/hです。航続距離は560Kmです。加速性能は100mを5.1秒なのでModel3には及びません。充電については30分で375km(スーパーチャージャーにて)走行できるということでmodel3を上回っています。価格も約500万~750万円ということでmodel3を意識した価格帯に設定しているようです。
アリアもmodel3と同じような駐車機能やオートパイロットの機能がありますが、完全自動運転に対応しているハードウェアが装備されているのかというと日本は完全自動運転では世界的には遅れているので十分とは言えないような気がします。
アリアの方は2021年発売ということでまだ発売されていませんが、それでもテスラ社のmodel3を超えるものかというと、物足りない気がします。
完全自動運転となると細かな制御が行えるモータ制御の方が有利なので、燃料エンジンを搭載した自動車よりも電気自動車が有利です。
完全自動運転=電気自動車
今後、自動車が完全自動運転の方向に進むのは間違いありませんので、電気自動車に関しては出遅れている日本は圧倒的に不利だと思います。日産は、良くも悪くも欧州の会社から派遣された社長なので、ハイブリッドではなく電気自動車に力を入れていました。そのため日本での販売実績が落ちてしまったのですが電気自動車の技術は着実に取得出来ているので電気自動車に関しては日本では最先端の企業だと言えます。
それでも、テスラ社の既存のモデルには及ばない点が多いのですから日本の電気自動車の技術レベルがわかるはずです。
完全自動運転=電気自動車になるのは間違いありませんので、日本としては電気自動車の技術レベルを向上させていかないと世界から置いて行かれることは間違いありません。そう考えるとゴーン社長が電気自動車に力を入れて普及させようとした判断は間違っていなかったと言えますが、日本ではハイブリッドカーが出来てしまったため、電気自動車よりハイブリッドになってしまい電気自動車に関しては後れを取ってしまったように思います。つまり、完全自動運転からも後れを取っているということになります。
ソフトウェアで変わる自動車は怖い
スマホのような自動車と聞くとソフトウェア次第で機能がドンドン向上するように思いますが、反面ソフトウェアのバグがあるとこれまでの自動車とは異なり、今までは問題なく動作していたのに、ソフトウェアを更新したらバグでおかしな動作をするようになってしまうという心配もあるのです。
スマホでもOSのアップデートで稼働時間が短くなってしまうといった不具合がよく発生しています。人が作るソフトウェアですから不具合がないはずがありません。
人の命を預かる車ですから不具合がないはずがありませんでは済まないのです。
日本の車は世界的にみても厳しい車検があります。
ソフトウェアで簡単に別の車にさえなってしまうようなものをどのように検査するのかという問題もあるでしょう。これまでのように機械的な面だけをチェックすれば良いということではなくなります。
安全第一の自動車の安全をどのように確保していくのか?ということも併せて考えていく必要があるので、完全自動運転の技術だけを追求すれば良いということではないと考えます。