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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

運送トラックが遅かったり速かったりする理由

トラックの前には車が1台もいない

車を運転していて、今日はいつもより前に進まないなぁと思うことがあります。前を走っていたトラックが右折すると、前には車は1台もいません。 

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片側2車線の時だと隣の車線が流れていれば、前のトラックがゆっくり走っているんだと判断することもできますが、それでもトラック2台が同じような速度で並走していると判断できなくなります。正直、ゆっくり走ってもいいけど、キープレフトの原則を守ってよって思うことが少なくありません。

普段、色々なものを運んでくれているトラックなので、感謝はしたいのですが、渋滞を招くようなことがあると、そうも言ってられなくなります。

遅いトラックと速いトラックがいる。

トラックでも凄い速度で走っている場合もあります。特にダンプカーはその傾向が強いのです。これまでその違いについてあまり考えたことがなかったのですが、調べてみると、その理由がわかりました。

そして僕は運送トラックに関して、何も知らなかったことを自覚しました。

考えてみれば、今はトラックが止まると色んなものが手に入らなくなってしまうんですよね。先日も、トイレットペーパーが不足するというデマが流れた時に、在庫は沢山あるのにスーパーなどで品不足になりました。これって在庫があっても運送が間に合わなくて店頭から消えてしまったということもあると思います。

なくてはならない、運送トラックのことを順番に調べていきました。

トラックの種類

トラックですが、大きく、5つに分かれています。

  • 小型トラック(積載量:2トン以下)
  • 中型トラック(積載量:4トンクラス)
  • 大型トラック(積載量:10トンクラス)
  • 特殊形状のトラック(ダンプ・タンクローリー等)
  • トレーラー(荷台が別れているタイプ)

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そして、更に事業用と自家用の2つに分かれます。
これらは、ナンバープレートで識別します。

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【出典】全日本トラック協会

トラックのエンジン

事業用のトラックの大半はディーゼルエンジンです。ディーゼルエンジンは構造が簡単なので故障が少なく、低速でのトルクが太いので重い荷物を積んだ状態でも発進・坂道を登ることが容易にできます。

また以下の2つのブレーキが使えるため、ブレーキ性能に優れます。

  • エンジンブレーキ(アクセルを閉じることでエンジンの回転が弱まる)
  • 排気ブレーキ(排気を強制的にできないようにすることでピストンの動きを抑制)

ディーゼルエンジンの燃料は軽油なのでガソリンより燃料代が安いというメリットもあります。

長距離を走るトラックなので、故障しにくい、燃料代が安いというのは重要なことになります。

トラックの装備

  • スピードリミッター(90Km/hを越えて加速できなくする装置)
    平成15年9月1日より大型貨物自動車については速度抑制装置の装着が義務付けられています。ちなみにトラックは高速道路では80Km/h制限です。

【出典】国土交通省

【出典】e-gov(道路交通法施行令)

第二十七条 

  • 最高速度のうち、自動車が高速自動車国道の本線車道(次条に規定する本線車道を除く。次項において同じ。)を通行する場合の最高速度は、次の各号に掲げる自動車の区分に従い、それぞれ当該各号に定めるとおりとする。
  • 一 次に掲げる自動車 百キロメートル毎時
  • イ 大型自動車(三輪のもの並びに牽けん引するための構造及び装置を有し、かつ、牽けん引されるための構造及び装置を有する車両を牽けん引するものを除く。)のうち専ら人を運搬する構造のもの
  • ロ 中型自動車(三輪のもの並びに牽けん引するための構造及び装置を有し、かつ、牽けん引されるための構造及び装置を有する車両を牽けん引するものを除く。)のうち、専ら人を運搬する構造のもの又は車両総重量が八千キログラム未満、最大積載重量が五千キログラム未満及び乗車定員が十人以下のもの
  • ハ 準中型自動車(三輪のもの並びに牽けん引するための構造及び装置を有し、かつ、牽けん引されるための構造及び装置を有する車両を牽けん引するものを除く。)
  • ニ 普通自動車(三輪のもの並びに牽けん引するための構造及び装置を有し、かつ、牽けん引されるための構造及び装置を有する車両を牽けん引するものを除く。)
  • ホ 大型自動二輪車
  • ヘ 普通自動二輪車
  • 二 前号イからヘまでに掲げる自動車以外の自動車 八十キロメートル毎時
  • エアサスペンション
    トラックの振動を軽減する装備で、板バネ式のサスペンションと比較すると空気のため振動の抑制効果が高くなっています。乗用車でも高級車だとエアサスペンションが搭載されている車があります。
  • フルエアブレーキ
    ブレーキのコントロール媒体を全て空気圧のみで行うものでメンテナンスが簡単です。トラックがよく、「プシュー」という空気が漏れた時のような音を出していますが、ブレーキ用の圧縮空気を排出している音です。
    そして荷物がある場合とない場合でブレーキの効きが大きく異なります。このため、荷物がない時に普通の車と同じようにブレーキを踏むと急ブレーキになります。更に、エアブレーキということで圧縮した空気をエアタンクに貯め圧縮した空気でブレーキが作動します。停車すると空気が外に放出されその時にプシューという音が出ます。ブレーキを何度も踏んだり離したり(バタ踏み)すると、その都度、エアタンクの空気が放出されエアタンクの空気が空になるとブレーキが効かなくなるので、エアブレーキでのバタ踏みは厳禁です。
  • デジタルタコグラフ(デジタコ)
    トラックの後ろを見ると、デジタコ搭載車・お先にどうぞといったシールが貼られているのを見たことがないですか?
    運転者が、どのような運転を行っているのかを、記録するためのものです。時間・距離・速度が記録されます。事業用の車両総重量8トン以上のトラックには装着が義務付けられています。

トラック固有の特性 

 トラックには以下のような特性があります。

  • 内輪差が大きい(車体が長いため)
  • 揺り戻し
    荷物が液体の場合、カーブの時には重心が移動するため注意しないと転倒してしまいます。また急ブレーキにより車体が止まった少し後に積荷の液体が押し寄せて衝撃が来るので注意が必要です。
  • トレーラーのジャックナイフ
    トレーラータイプのトラックは、荷台が分離され電車の様に連結された状態のため、急ハンドル・急ブレーキにより、トラクタ部分(駆動部)がくの字に曲がってしまうことがあります。これがジャックナイフのように見えることからジャックナイフと呼ばれています。
  • 車高、車幅、車長が長い
    車高が高いので街路樹の枝が走行中にぶつかりトラックを傷つけたり、左側を自転車やバイク等が走っていても気が付きにくいので左側車線より右側車線を走る場合があります。

トラックの急ブレーキや急ハンドルは、とても危険だということになるので、トラックが後ろにいる時などに急ブレーキを踏むと大変な結果になる可能性があるということです。

トラックの寿命

トラックの平均車齢は、普通車で10.34年、小型車で9.21年となっています。

平均使用車齢は、普通車で14.87年、小型車で11.92ということなので10年以上は使用するということです。

トラックの制限

大型貨物自動車の騒音・振動等が社会問題になっているということで都心部では土曜日午後10時から日曜日午前7時までは大型貨物自動車の通行が禁止されています。

規制区域

環七通り以内都心全域(環七通りも通行不可)
但し以下は通行可

  • 大森東交差点から環七大井ふ頭間】
  • 平和島1丁目から4丁目内全域

環八通りのうち、田園調布警察署前交差点から四面道交差点までの間

規制対象車両

【出典】警視庁

遅いトラックと速いトラックの違いは?

ここまで調べてみて、以下のようなことがわかりました。

  • トラックによっては90Km/hに速度を制限するスピードリミッターが搭載されている 
  • 高速道路ではトラック(条件あり)は、80Km/hまでと定められている
  • 大型トラックは道路によっては通航制限がある。
  • エアブレーキなのでブレーキのバタ踏みをすると空気がなくなりブレーキが効かなくなり、また荷物を積んでいる時にはブレーキの効きが悪くなる。
  • デジタコ搭載車は運転内容が全て記録されている。
  • トラック固有の特性で急ハンドル・急ブレーキが事故に繋がる 

荷物を積んでいる時は、急ブレーキや急ハンドルは荷崩れが起きるというだけではなくブレーキの効きも悪くなるので速度を上げることが事故に繋がるということです。しかし、荷物を積んでいない場合は、このような心配がなくなり速度を上げることができるということなんですね。ダンプカーは荷台に土砂などを搭載していなければ、普通に走れるので荷台が空の状態なので速い場合があるということなのでしょう。
僕も普通自動車でも荷物を積んでいて荷物が動かないようにしないといけない場合は、急ハンドルや、急ブレーキを避けたいので、車間距離を取ってゆっくり走るので、これと同じことをトラックの運転手の方は日々、行っているのだと思うと仕方ないよねって思えるようになりました。

日頃、不満に思っていることも、その対象を調べていくと、知らないことが色々あって、知ることにより、理由がわかるということです。

人間関係でも、同じことがありそうですね。