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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

ディズニー vs フロリダ州

親密だったディズニーとフロリダ州

タイトルでは「vs」と記載しているが、ディズニーとフロリダ州は、1960年代から親密な関係だった。

その象徴とも言えるのが自治区優遇。

ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートは広大な敷地なので敷地内の電力や水、消防などのインフラ整備、自主管理は、ディズニーが行っていた。

その代わりに敷地内は自治区のように運営ができるようにフロリダ州から優遇措置を受けていた。

当然、税金面でも自治区待遇ということになる。

しかし、その関係がフロリダ州議会で可決された法案により崩れてしまった。

法案の内容は、公立学校で小学3年生までの児童への性的指向性自認に関する教育を制限するというもので、通称「Don’t Say Gay」法案。

アメリカ全土で、この法案は性の多様性に反すると議論が沸き上がり非難が集中した。

ディズニーは当初、この問題に静観を続けたが、LGBTQの権利擁護団体や従業員らからの批判を受けて反対を表明することになった。

フロリダ州は、親密な関係だったディズニーが反対を表明したことから、対抗措置ともとれる自治区待遇を廃止する法案を2022年4月に可決し2023年6月から施行となった。

更に2023年2月27日にはディズニーの特別区域に対する実質的な監督権限を知事に付与することを認める法案が成立した。

この時、ウォルト・ディズニー・ワールド社長は州知事の決定に従うとコメントしている。

ディズニーの反撃

これで、一件落着かと思ったがディズニー側も負けていなかった・・・

ディズニーは自治権を渡す前に約定変更を実施した。

旧取締役会が最後の会合で新取締役会の権限を制限する約定変更を決定したのだ。

内容は以下の通り

  • 旧取締役会が可決した約定変更は「違法と判断されない限り永久に有効、もしくは英国のチャールズ国王の子孫で現在生存している人が死亡して21年が経過するまで有効性が続く」という。

痛み分け

次はフロリダ州の手番となったが、州知事は、法的措置も辞さない考えで、この約定変更を取り消す構えだ。

正直、双方ともに大人の対応ができなかったのだろうか?と悲しい気持ちになった。

フロリダ州については、州が決めた法案に反対しただけで、優遇措置を無効にするだけでも、やり過ぎだと思うし、更には州が「ディズニーワールド」の運営に介入しようというのは、やり過ぎだと思う。

現在の州知事は、米国大統領経験者で初めて起訴されたトランプ前大統領のライバルとされている人。

以前は「ミニ・トランプ」と言われていたが、今では「賢いトランプ」と評価が上がっている。

2024年の大統領選挙に向けて候補者選びの真っ只中で、全米から批判されることは避けたかったのだろう。

このため、法案に反対を示してきたディズニーが癇に障り、おとなしくさせようと、ディズニーを血祭りにしようと思ったが逆にしてやられて、州知事は怒り心頭なのは間違いない。

いずれにしても、トランプ氏と同様で器の小さい人だと思った。

逆に、ディズニーに対しては約定変更は「夢の国」らしい対応には思えない。

「夢の国」がそんなことをするのか?というのが正直な感想。

これにより、「夢の国」は「現実の会社」としてイメージが完全に書き変えられてしまった。

今回のディズニー vs フロリダ州の戦いは、どちらにとっても、マイナスでしかなかったのではないだろうか?