seegeのまとめサイト

もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

スーパーシティ法案

スーパーシティ法案って?

スーパーシティ法案が可決されたという話を聞いた。

何それ?という感じだが、正式名称は、「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案」だという。

余計にわからない(笑)

2020年5月27日に参院本会議で可決されている。

スーパーシティ法は、法規制に対しての特例を認めやすくする、国や自治体が持つデータの提供を可能にするといった内容になる。

海外では随分前から「スマートシティ」という構想を実現しようとしている。

スマートシティというのは、IoTなどを通じて取得したさまざまな種類のデータを活用して、都市が持っている資産・資源を効率的に生かし、そこに住む市民が(行政サービス含め)より良いサービスを受けることができる都市ということになる。

f:id:seege:20211225113636p:plain

具体的には?

具体的には以下のような取り組みが各国・各都市で行われている。

  • 古くなった公衆電話をLinkと呼ばれる情報端末に置き換えて、無料のWi-Fiを提供するホットスポットにする。
    Linkには、大型タッチスクリーンを通した地域情報や交通機関の確認、携帯電話の充電ステーションや、国内電話の無料通話などの機能が搭載されている。Linkの運用コストはディスプレイに表示される広告収入でまかなわれるため、公的な資金は使われていない。

    f:id:seege:20211225114045p:plain

  • 各移動手段や各種サービス、利用者が互いにデータで連携しあって結合されたネットワーク、高齢者や貧困層障がい者を含むあらゆる住民や旅行者が容易に各種交通機関を使って移動できるサービス

    f:id:seege:20211225114658p:plain

  • センサ、電子看板、アプリ等を組み合わせ、利用客が待っていることを運転手に告げる「Talkative bus stops(おしゃべりバス停)」の設置。

    f:id:seege:20211225132446p:plain

  • 駐車場の空き情報をスマホで入手し、事前予約を可能としたシェア駐車のシステム

    f:id:seege:20211225133400p:plain

  • 監視カメラやセンサを多数設置し、人や車等の交通、気象や都市インフラの状況等の各種データを収集、便利で安全な公共サービスを目指す

    f:id:seege:20211225134102p:plain

  • 道路ライブカメラの映像をAIでリアルタイムに分析、状況に応じたさまざまな対応を自動化させ事故情報や交通違反情報をAIを利用して取得する。交通状況に応じて信号機を自動で切替えることにより、救急車の到着時間を短縮する

    f:id:seege:20211225134719p:plain

しかし、日本にはこのような取り組みを行う場がない、法律の壁があるということから、既にあった「国家戦略特別区域法」を改定して日本でもスマートシティ構想を勧めようというものだ。

「国家戦略特別区域」といえば2020年に開業した「高輪ゲートウェイ駅」を思い浮かぶ。

f:id:seege:20211225135650p:plain

高輪ゲートウェイ

「高輪ゲートウェイ駅」は「グローバルゲートウェイ品川」の玄関口となる。

「グローバルゲートウェイ品川」は、国際ビジネス交流拠点にふさわしい多様な都市機能を持つ地域を目指した国家戦略特別区域の特定事業になるが、コロナウイルス、オリンピックの延期などで注目されなくなってしまった。

更には開発エリアから日本最古の鉄道跡となる世界的にも重要な文化遺産が見つかった。

文化遺産として保存することになれば開発計画は変更になる。

JR東日本の土地なので、決定権も所有権も持っているが、文化遺産となると国が介入しないといけないということでゴタゴタしていたが、結局は史跡化され当初、建築予定だった高層ビルは若干東側にずらすことになった。

資本主義の壁

もう一つ、日本では法律の壁があり新型コロナ感染拡大による、ロックダウンの実施、飲食店等に対して営業制限を実施したくてもできない。

f:id:seege:20211225140141p:plain

これらは、法律の壁というよりも資本主義の壁と表現した方が正しいような気がする。

「私権制限」は資本主義に反することになる。

このため、法律による規制に対して特例措置を適用できるような地域が必要だということが背景にあるのだと思う。

スマートシティでは色々な情報を活用することになるので、個人を特定できるような画像や映像を活用しようとしたりすると色んな問題が出てきて前に進まなくなるが、特例措置が適用しやすい特区があれば日本での一番の障害がなくなる。

自動運転を試す場合等でも法律による制限が障害になる。

日本の場合、法律による制限が障害となり新しいことが進まなくなっている。

スマートシティにより医療制限に対しても特例が認められることはないかもしれないが、新しい医薬品、新しい治療法といったことも日本では認可されるまでに、時間がかかるので改善されるべきだと思う。

しかし、内閣府はスマートシティとは呼ばずに、スーパーシティと呼んでいる。

このため、改定された国家戦略特別区域法のことをスーパーシティ法とも言われている。

スマートシティとスーパーシティの違い

スマートシティとスーパーシティで何が違うのだろうか?

スマートシティは新しい技術の実用化を主に考える技術目線に対して、スーパーシティは、住民の暮らしに重点を置いた社会目線になる。

移動・支払い・行政・医療・介護・教育・エネルギー・水といった実生活では必要なサービスに対して先進的なものを提供する場所を作ろうというのが日本が考えているスーパーシティのように思う。

では、スーパーシティにはどのような人が住めるのだろうか?

トヨタが進めている、富士山の麓に構築中のコネクティッドシティ(Woven City ウーブン・シティ)は、トヨタの従業員と家族、退職したご夫婦、小売店舗、プロジェクトに参画する科学者、各業界のパートナー企業などを想定しているという。

f:id:seege:20211225140710p:plain

しかし、スーパーシティについては、まだ具体的に、誰が住めるのか?という内容については出てきていない。

現在は、31の自治体からスーパーシティの提案が出されているだけの状態で、石川県も加賀市の名前が見つかった。

しかし、国の求めているものと地方が考えているものとの食い違いが大きく31の自治体すべてに対して再提案を求めている。

国が関与するから、グローバルゲートウェイ品川も31の自治体の提案の実現にも時間がかかっているように思う。

現時点で、グローバルゲートウェイ品川を含め認定事業は393あるが、よくわからないものが多く、これが実現すればスーパーシティになるのだろうか?という気がする。

スーパーシティ法自体は有益な内容だと思うが、結局は国があれこれと制限をかけてしまうので、認定されるものは、よくわからないもので、更には時間がかかり過ぎて、スーパーシティ構想がまとまった頃には既に時代遅れになってしまうのではないだろうか?と心配になってしまう。

日本はスーパーシティの前に地方自治体を含めて「スーパーガバメント」を構築しないといけないような気がする。