トイレットペーパーを盗む人がいる
群馬県片品村にある「道の駅尾瀬かたしな」は、お客さんは少ないのにトイレットペーパーの減りが異様に早かったそうだ。
道の駅の職員が、ネットで対策を探したところ「あるポスター」を貼って効果を上げている「道の駅」のことを知った。
同じようなポスターを作ってトイレに貼ってみると途端に異常な減り方をしなくなった。
「あるポスター」とは?
兵庫県淡路市の明石海峡大橋の下にある「道の駅あわじ」で貼られたもの。
トイレットペーパーが盗まれるほど人気だから、販売するという皮肉を込めたポスターだった。
「盗難は犯罪です!」という張り紙をしても効果がなかったのが、販売中と表記したことで減ったらしい。
実際にトイレットペーパーを本当に買う方もいるとか。
以前の中国に近づいた日本
道の駅があるような場所だとトイレットペーパーが必要で買おうと思ってもコンビニでは販売していないので道の駅から拝借していた人もいたのかもしれない。
昔、スーパーのレジ待ちが面倒で支払いをしないで出て行こうとして捕まったという報道もあったので、盗む理由というのも千差万別なのかもしれない。
随分前に中国にある関連会社に行った時に下駄箱は、あるがスリッパが入っていなかった。
出てきた社員の人がスリッパを事務所に取りに行って持ってきたので、不思議な顔をしていると、以前はスリッパを下駄箱に入れていたが、スリッパを誰かが持って行ってしまうから隠すようにしたと言ってた。
トイレットペーパーも予備などを置いておくと持っていかれるので、予備などは置かずに使用前にトイレットペーパーの残りを確認して無くなりそうなら声を掛けて貰って、実際に残りを確認した上で渡しているというような話もしていた。
その頃の中国はティッシュペーパーが貴重品らしく、依頼されたモノと一緒に梱包材の代わりにティッシュペーパーを5箱ほど一緒に入れて送って欲しいということを言われることもあった。
しかし、ダンボールに入れて封をしてあるにも関わらずティッシュペーパーだけが入っていないと言われることもあった。
そんなことが何度かあった。
ある時、ダンボールが破られて届いたと電話がかかってきた。
当然、一緒に同梱したティッシュペーパーは無かった。
その時は、一緒に送った何種類かあった通信ケーブルの内、ある1種類だけが持ち去られてしまった。
日本では考えられないようなことが、当時の中国では当たり前だった。
しかし、今の日本は、その頃の中国のようになってきたと言える。
なぜ、盗むのか?
トイレットペーパー自体は、1ロール100円もしないようなものになる。
買うのに困っているということではないのだろう。
トイレットペーパー自体は無料で使えるものなので、いくら使っても無料だろう考える。
それがエスカレートしていくとトイレットペーパーは、「どうぞご自由にお持ち帰りください」と言われているように思ってしまう人が出てくるのだろう。
しかし、「あるポスター」のように「販売中」と書かれていると、これは商品ということになり、持っていくと「万引き」になるのでは?と警察官の姿が頭に浮かんでくるのではないだろうか?
無料で使えるものだから、「ご自由にお持ち帰りください」と思われてしまう。
だからといって、有料にすると、今度は、自分が所有しているポケットティシュなどを使う者が出てきて排水菅が詰まる原因になってしまい、余計に高くついてしまう。
突き詰めていけば、自分勝手な人が増えてきたことが一番の原因だと思う。
以前の中国でスリッパを持って行ってしまうのは、何も書いてなければ持って帰っても良いという論理が働くためで、持って帰えるのがダメなら、ちゃんと返してもらう仕組みにしろというもの。
今の日本は、まだ、そこまで自分勝手なレベルには到達していないと思われるが、近づいているのは間違いない。
人の善意に頼る必要がなくなった
時代が便利になっていき「人の善意」に頼る必要がなくなってきたというのが大きな原因なのではないかと思っている。
今の時代は、情報はネットで検索すれば、ほとんどのことは調べることができる。
そして、お金を出せば、色んなことをしてくれる。
ネットが普及するまでは、わからないことは、人の善意に頼って詳しい人に教えてもらわないといけなかった。
道がわからなければ、警察官や、歩いている人に聞かないといけない。
仕事でわからないことがあると、教えてもらわないといけない。
人の善意に頼るためには、愛想よく振舞って、嫌われないようにしないといけない。
今は、スマホとパソコンがあれば、人に聞いたりする必要がなくなってきた。
ネットは、愛想よくしなくても、誰にでも平等に教えてくれるし、答えてくれる。
ネットが普及したことで、自分勝手な人が増えてしまったのではないだろうか?