共同マナーキャンペーン
私鉄や地下鉄などでつくる関西鉄道協会と、JR西日本による共同マナーキャンペーンとしてポスターを平成6年から制作して駅や電車内に貼られている。
2022年は9月5日時点で、2つのポスターが制作されていて、最新作は「座席からのお願いです。」
【ポスター画像の提供】関西鉄道協会
座席から、どんなお願いがあるのだろうか?と気になったので、ポスターの内容を見てみた。
お願いというのは以下の4つ。
- 「荷物は膝の上に置いてね」
- 「足を閉じて座ろうね」
- 「隣に注意して読んでね」
- 「深く腰掛けて座ってね」
申し訳ないが、この中の一つだけ、どこがマナー違反なのだろうか?と思ったものがある。
それは、「深く腰掛けて座ってね」というもの。
実は、自分は拳が1個入る程度の隙間を作って浅く座ることがある。
それは隣の人と肩などが接触しないようにという配慮からで、深く腰掛けるとどうしても肩や腕が電車が揺れた時に接触してしまうためだ。
このため、隣の人が浅く腰掛けていれば深めに座ることもある。
これが、両サイドに人が座っていて片方が深め、もう一方が浅めだと両者の中間に位置するように座ることになる(笑)
このため、他の人が浅めに座っていたり、前かがみで座っていても、隣の人と触れるのが嫌なんだろうなという気持ちになるので、仕方ないと思っていた。
では、何が、いけないのだろうか?
ネットで検索してみた。
キーワードは、「浅く腰掛ける」「電車」の2つ。
すると、「電車内で浅く座る奴は、何なんですか?」という内容が最初に出てきた。
「人より足が長く突き出て、邪魔だし・・・」
なるほど、前に立つ人が足が邪魔になるということか。
自分は座ってる立場でしか見ていなかったが、立ってる立場になればまさにその通り。
自分が知らず知らずのうちに迷惑をかけていたかと思うと心が痛んだ。
マナーとは?
考えてみれば、電車は公共交通機関と言われる乗り物なので色んな人が利用する。
人それぞれ、自分なりの基準で、それがマナーだと思って乗っているかもしれない。
しかし、人によって基準なんて異なるので、自分なりのマナーが存在しているはず。
このため、自分のように浅く座ることが「マナー違反」だと自覚していない者も出てくる。
だからといって各自が自分なりのマナーで電車を利用したのではトラブルの原因になる。
こうやって、鉄道会社がポスターを掲示することで、知らなかったマナーを知ることができる。
ただ、マナーも過剰になると、あれもダメ、これもダメといった具合になり、ちょっとしたことが、マナー違反のように感じてしまって、電車に乗るのが苦痛になってしまうかもしれない。
個人的には乗車マナーは、2015年のポスターに書かれてあった「いつも心に優しさを。」だと思う。
ダメという気持ちでは優しくなれないので、ストレスになり苦痛を感じることだろう。
しかし「優しさ」があれば、不快なことがあっても、相手にも事情や理由があるのではないか?と考えることができる。
今回、浅く座ることがなぜマナー違反なのか?ということを調べている時に、京王電鉄の「けい太くんの電車の安全・マナー教室」という動画を見つけた。
動画の中で、けい太くんが老人に席を譲る時に知らない人に声をかけるのは恥ずかしい、もしかすると立っていたいかもしれないし・・・といった疑問を投げかけていた。
この疑問に、動画の中に登場する電車が、子供の疑問に対して以下のように答えた。
「その人が、どうしたいのかな?って想像してみることが良いマナーの第1歩なんだ。わからなかったら勇気を出して座りますか?って聞いてみよ?」
更に動画のガイド役の駅員さんがマナーというのは「周りの人のことを考えて行動すること」だと補足していた。
思いやり不足
この動画では「思いやり」がマナーの第一歩だということになる。
今の時代は時間に追われている人が増えているので、「周りの人のことを考えて行動する」ということを忘れてしまっている人が多い。
電車に乗ってしまえば、焦っても到着時刻が早くなるわけではないので、気持ちにゆとりを持っても良いのではないかと思う。
気持ちにゆとりがあれば、「周りの人のことを考える」という余裕も出てくるはず。
そして社会全体が「優しさ」や「思いやり」で溢れて、座席がお願いしなくてもよい社会になればいいなと思った。