君が代の歌詞の意味
2022年サッカーワールドカップ 日本対スペイン戦開始前の国歌斉唱を見ていた。
日本の「君が代」を聞いていて、歌詞の意味が気になった。
- 君が代は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで
改めて歌詞を文字として見ると、たったこれだけ。
1行で終わってしまう。
これまで君が代は何度も歌ってきたが、歌詞について考えたことがない。
これは、どういう意味なのだろうか?
そもそも、「君が代」というタイトルの意味さえ理解できていない。
試合を見ないで、パソコンで「君が代」の検索を始めていた。
「君が代」の「君」というのは、「君主」つまり「天皇」のことを指すと書かれていた。
そして、君が代というのは、「君(天皇)」のいる日本のことを指している。
【出典】君が代とは - コトバンク
スペインが先制
ここまで、調べていると、テレビから大きな歓声が聞こえた。
前半早々にスペインが1点を先制したようだ。
ちょっと、試合が気にはなったが、「君が代」の歌詞の方が気になっていたので、調査を続行した。
「千代に八千代に」は千年も、更にいく千年もという意味で、永久の繁栄を祈る言葉になる。
「八」という感じは末広がりなので、永遠という意味を持つのだろう。
「さざれ石の」さざれ石というのは全て感じで書くと「細石」になる。
「巌」は、大きな石を表すので文を繋げ「さざれ石の巌となりて」とすると「小さな石が大きな石になって」という意味になる。
もちろん、小さな石1つが大きく成長して大きな石になるということではなく、たくさんの小さな石が、長い年月をかけて小さな石の隙間を炭酸カルシウム(CaCO3)や水酸化鉄が埋めることによって、1つの大きな岩の塊に変化した、「石灰質角礫岩」のことを指すのだと思う。
そして最後の「苔のむすまで」は、「苔の蒸すまで」だと思っていたが、正しくは「苔の生すまで」と書く。
つまり、苔が生えるまでという意味になる。
一通り言葉の意味ら確認できたので、改めて歌詞の意味を考えていると、また、テレビから大きな歓声が聞こえて来た。
日本が後半、早々、同点に追いついた。
さすがに気になってテレビを見ていると更に日本が逆転の2点目を奪った。
まさかの逆転だった。
しかし、主審がノーゴールのような仕草をしている。
日本がゴール前にあげたボールは、ゴールラインを割ってから蹴ったものではないか?という。
このためVARによる審議が行われた。
結果は、ゴールが認められ、この試合で一番大きな歓声が聞こえた。
このまま、勝ってしまうかも?と試合は気になったが、君が代の歌詞も気になっているので、また歌詞のことを考えた。
まとめると
以下のような意味になるのだろうか?
- 天皇のいる日本は永遠に栄える。小さな石が大きな岩になり苔で覆われるまで。
君が代の歌詞のベースは、古今和歌集で「題知らず、読み人知らず(題名不明・作者不明)」の歌として以下の内容で書かれている。
- 我君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで
我が君は敬愛の気持ちを込めて相手に呼びかけるさいに用いる言葉。
これを君が代では、あえて君主の意味を持つ、「君」にしたことで、天皇に対する歌にしてしまった。
そして、明治政府は「君が代」とは天皇がいる日本のことを指すと説明している。
そうなれば「君が代」は天皇を讃える歌だと言わざる得なくなる。
しかし、古今和歌集では「賀歌(祝賀の際の歌)」の部に書かれている。
つまり、古今和歌集が作られる前から存在していたもので、ずっと受け継がれてきた歌だと言える。
天皇にだけ向けた歌ではない
「我が君」という言葉を使っていることからも、天皇だけに対しての歌でないことが伺える。
そう考えると、一般の人達が結婚式などで主賓に対して向けて歌われたものだと言える。
結婚した2人に対して末長く幸せにといった想いを込めて歌われてきたのだろう。
「君(きみ)」という言葉には以下のような意味がある。
- き=男性
- み=女性
日本神話では男神である伊弉諾(イザナギ)と伊奘冉(イザナミ)が愛し合って日本列島が作られたという話がある。
君=男女→日本国民、さざれ石=日本列島そのものを指していると考えると、君が代というのは、日本は永遠に続くといった意味の歌のように聞こえる。
君が代というのは、とても深い意味があるのではないだろう?