フジテレビがまた社長交代
フジテレビの社長が、また交代するとか・・・
フジテレビとフジ・メディアホールディングスは16日までに、両社を兼任する金光修社長(67)がフジ・メディア・ホールディングス(FMH)社長に専念し、港浩一共同テレビ社長(70)がフジテレビ社長に就任することを内定した。関係者への取材で分かった。来月の株主総会を経て正式に決定する。
【出典】フジ新社長に「夕やけニャンニャン」「みなさんのおかげです」など手掛けた港浩一氏が就任内定 - 芸能 : 日刊スポーツ
フジテレビの社長は、2017年から現在までの5年間で4人の社長が就任している。
- 亀山千広(2013年 - 2017年)
笑っていいとも 終了 - 宮内正喜(2017年 - 2019年)
めちゃイケ・とんねるずのみなさんのおかげでした 終了 - 遠藤龍之介(2019年 - 2021年)
直撃LIVE グッディ!・とくダネ! 終了 - 金光修(2021年 - 2022年)
バイキングMORE 終了 - 港浩一(2022年 - )
2017年からは、ほぼ2年周期で社長を交代し金光氏に至っては1年での交代となっている。
亀山さんと言えば、「踊る大捜査線」や「ロングバケーション」とヒットメーカーとして有名だった人で、社長に就任した時にも「2年後に視聴率で圧倒的1位」と豪語していた。
しかし「笑っていいとも」を終わらせただけで、成果と言えることは一つもなく、散々な結果で2017年に退任している。
その後は、2年周期で社長を交代していて、金光社長に至っては1年で退任した。
今年、フジテレビで話題になったのが、50代の早期退職。
1億円の退職金を支払うというものだ。
50代には早期退職を求めているのに、6月から社長に就任する港さんは70歳というのは、どういうことなのだろうか?
50歳は早期退職で新社長は70歳
港さんは2015年から共同テレビの社長に就任した。
共同テレビはフジサンケイグループに属している番組企画・制作会社になる。
しかし、フジテレビ以外の番組企画や制作も行なっている。
NHKの人気番組である「チコちゃんに叱られる」は共同テレビが企画して、いろんな局に持ち込んだ。
もちろん、フジテレビにも持ち込んでいるが採用されず、NHKで採用された。
これは、「チコちゃん」がCG合成が必要で制作に時間がかかるからだ。
番組の収録は放送の2.5カ月先に行い、そこからCG合成作業になる。
この手番で1回の放送分を制作することは民放ではできないので、フジテレビとしては、いくら面白い企画でも採用できなかったように思う。
スポンサーではなく受信料で番組を制作しているNHKだから採用できたと言える。
フジテレビといえば月9だったが、2009年以降は一部を除き低迷していた。
そして、それはフジテレビ自身の状態を反映していたように思う。
平均視聴率が一桁台が当たり前のようになってしまった。
このため、月9で主演をすると視聴率が低いと叩かれてイメージが悪くなるから出演を断るような場合があるとまで言われるようになってしまった。
2018年には史上最低の平均視聴率が6.1%にまで落ち込み、月9の特徴だったラブストーリー路線から脱却することになった。
コンフィデスマンJPは、ラブストーリーの月9を捨てた1作目となり、見事、映画化までされるヒット作になった。
その後、平均視聴率は2ケタ台に回復した。
スーパー70歳はフジテレビを変えられるのか?
これが制作会社である共同テレビの社長が湊さんに変わったことによるものだと言われている。
湊さんが就任後、共同テレビの売り上げも前年比で約17%上昇している。
今回、グループ会社の共同テレビに行った湊さんが、フジテレビに社長として復帰するという異例の人事は、このような実績からだと思っている。
しかし、共同テレビの変革は、湊さんだけではなく、フジテレビから共同テレビに出向してきた人たちのチカラも大きいと思う。
「チコちゃん」を企画したのは、小松純也氏であり、フジテレビ時代だと実現できなかった企画だが、共同テレビだとテレビ局の枠はないので、他局の番組制作もできる。
会社規模が小さいために風通しが良く仕事がやりやすい環境というのも大きな要素だと思う。
膨らみ過ぎたフジテレビ
改革というのは一人の人間だけでできるものではない。
共同テレビで改革を成功させたと言われている湊さんであっても、大きくなり過ぎて風通しが悪くなっているフジテレビの環境では、うまくいくとは限らない。
まずは、フジテレビ内部の膨らみすぎた環境を、どうやってスリムにするのか?が大きなポイントだと思う。
膨らみ過ぎた組織というのは、体重が増え過ぎた人と同じで簡単には元の体重には戻れない。
身体についてしまった「無駄な脂肪」は簡単には落ちないし落とそうとすると阻害するような力も自然と働く。
企業のダイエットは人のダイエットより遥かに成功させるのは難しい。
フジテレビの昨年の財務情報を見ると純利益は「約32億円」、売上から原価を差し引いた粗利では約630億円あるが、大半が販売一般管理費の約580億円で消えてしまう。
この約580億円の中に無駄な脂肪が多く含まれている。
社員の給与などは、販売一般管理費に含まれているので人件費を減らせるなら仮に1億の退職金を支払っても惜しくはないはず。50代の早期退職は、ダイエット対策の一つと考えられる。
約580億円の販売一般管理費をどこまで下げられるのか?これがフジテレビの課題だと思う。