吉野家のキャンペーン
吉野家の漫画『魁!!男塾』とコラボしたキャンペーンが発表されたのは、2021年6月
「𠮷野家塾」に入塾すれば、貴殿の来店1回は1米礼(マイル)として換算される(1日1回のみ。1回あたり税込300円以上の支払い必須)。貯まった米礼がすなわち米礼慈(マイレージ)。米礼慈に応じた様々な特典を獲得できる‼
※米礼は、お会計日含め4日以内に付与されます。
米札付与期間:2021年7月15日~2022年3月31日まで
220米札で、「仙人」に昇格し「名前入りオリジナル丼」(66,000円相当)がもらえるということだったが、米札がもらえるのは1日1回のみなので、毎日通っても220日要する。
米札の付与期間は、約260日なので、260日の間に220日間通わないと「仙人」に昇格できない。
吉野家は、毎日、牛丼を食べさせてどうするのだろうか?という疑問を感じたが、健康を害するようなことをする人はいないという気持ちもあった。
しかし、220米札を獲得した人は全国で2000人を超えているとか。
キャンペーンでトラブル
その中の一人にトラブルが起きた。
220米札を達成して応募フォームから特典の申し込みを行おうとすると、当初はホームページに書かれていなかった、「本人の名前に限る」という注意書きが書かれていて申し込みが却下された。
その人は、自分の名前ではなく、自分が経営する施設の名前を入れて、施設に飾りたかった。
吉野家は当初、「任意の名前で良い」ということで「お客様センター」から案内を行っていた。
これは「本名」以外の名前を入れる人を想定していなかったからだという。
しかし、あとになって商標権を鑑みて「本人の名前」に限定したとのこと。
220日間頑張って、通った人にすれば、後出しジャンケンで今になって言われても・・・という感じだったと思う。
吉野家は、過去にもクーポンなどに他の割引等との併用はできないといった記載がされていなかったのに、いざ、使おうとすると併用はできないと断われることがあったようだ。
これも「後出しジャンケン」と言える。
トラブルは「お客様相談室」へ
このようなトラブルが起きると、吉野家では「お客様相談室」に連絡して欲しいと言われるようだ。
しかし、本来、トラブルを収めるべき役割であるはずの「お客様相談室」がトラブルを起こしている感じがする。
オリジナル丼への名前入れで経営する施設名は本名ではないとして却下された件で問い合わせると、訴訟という言葉は一度も使っていないにも関わらず訴訟するなら顧問弁護士が真摯に対応すると言った内容を返している。
また、ソフトバンクと吉野家のコラボで話題になったソフトバンクの「Super flyday」を利用していると牛丼並盛り一杯が指定期間の金曜日に限り無料で提供されるというサービスが2018年に行われた。
この時に何か店側から2倍高い料金が請求され抗議すると、お客様相談室に電話するように言われた。
電話をすると「私共に非はありません、あなたの責任です」「吉野家には二度と来ないでください」といった内容を話していた。
これについては、客側が意図的に自分達に都合の良い部分のみを切り取り公開している面が感じられるので鵜呑みにすることはできない。
このため、どういう経緯で吉野家側が、上記のような発言をしたのかはわからないが、それでも、仮にも客に対して二度と来ないでくださいというのは、どうかと思う。
今回のキャンペーンでの名前入れについても、お客様相談室に相談すると、以下のような回答があったという。
申請があった名前は、社会常識に照らし合わせても「実名」とは考えられません。
これが社会通念上「差別行為」に当たるとお考えなら、人権差別については法務局の管轄なので、そちらに相談されては?
弊社としては社会通念上問題がないと判断しているので訴訟をされるということでしたら、弊社弁護士が真摯に対応させて頂きます。
相談者は人権差別という言葉は一切使用していない。
苦情を伝えるだけで裁判で争うとか、二度と来ないでくださいと言ってるようでは「相談室」とは言えない。
随分前から吉野家のお客さま相談室の評判は悪いので吉野家の顧客対応に対する姿勢が伺える。
何かあれば、「お客さま推進室」に連絡してくれというのも、いかがなものかと思う。
つまらない苦情が「お客様相談室」を作った
しかし、吉野家のお客様相談室が、こんな風になったのは、つまらない苦情が多いからなのかもしれない。
今回のオリジナル丼の名前入れに関しても、テレビのインタビューに答えていた人は、ルールが変わった時点で知らせて欲しかったと言ってたが、本当に、その時点で知らせていれば納得してくれたのだろうか?
結局、何だかんだと理屈を言って文句を言っていたのではないだろうか?
そもそも、吉野家から「仙人」として認められたのは、施設ではなく、その人自身になる。
今回のことを喩えるなら賞状を頂く際に、自分の名前ではなくペットの名前にして欲しいと言ってるようなものだ。
吉野家も220米札を獲得することの難しさは理解しているはず。
オリジナル丼は、それを形として示したものになる。
だからこそ、自分の名前以外で申請する人を想定していなかった。
今回の件は、吉野家が後出しジャンケンでルールを変えたことが悪いように言われているが、表彰状に記載する名前を自分の名前にしたいという人にも問題があるように感じた。
こんな苦情が毎日、多数届けば、何とかしなければという気持ちにもなるだろう。
しかし今回の件は、双方が精神年齢が幼いように感じたので、どちらにも同情はできなかった。