学歴社会の日本
日本は今でも「学歴社会」だ。
学歴社会とはどういう社会のことか?
学歴社会とは
- 職業や社会的地位、収入、さらには人物の評価までが学歴によって決められる社会。学歴が過度に重視される社会。
社会的地位とは
- 社会のなかで人々は特定の位置を占めて直接的・間接的に結びついているが,この位置が何らかの基準によって評価され価値づけられて序列を構成することがある。社会的地位(またはたんに地位)は,基本的にはこうした位置を占める人々についての序列づけを意味する。社会的地位は,年齢・性別・血縁関係など生得的,必然的に付与される帰属的地位(ascribed status)と,自己の能力や努力によって獲得される獲得的地位(achieved status)に分類される。また,特定の地位にある人に対して期待される行動が役割である。
【出典】広辞苑
学歴により人生が決まる社会というのが自分の考えだ。
階段を上り続ける人生
そんな、学歴社会の日本では、まず、いい大学に入って卒業しないといけない。
そのためには、いい高校に入り、いい中学、いい小学校、いい幼稚園といった具合に、人生が組まれていく。
更には良い幼稚園に入るために、習い事を行うことになるかもしれない。
そして、大学に入れば、次は、いい会社か、公務員になって出世の階段を上っていく。
子供の頃は学校という階段を上り、大人になれば、出世の階段を上る。
階段を上り切った頃には、それなりの年齢になってしまうので、余生になる。
よい暮らしを送るために、子供の頃から好きなこともしないで、階段ばかり登る人生を歩むというのでは、何のために生まれてきたのだろうか?と疑問を感じないではいられない。
子供の頃から頑張るというのは、穏やかな老後を目指すためなのだろうか?と考えると、何とも言えない気持ちになってしまう。
学歴で人生が決まるのか?
まず、学歴で本当に人生が変わるのか?を確認したいと思った。
子供の頃、よく言われたのは勉強しないと刑務所に入ることになるよ!と言われていた。
もし、それが本当なら高学歴の人ほど刑務所に入ることはないはずだ。
ということで、刑務所に収容された人の統計データがないものか?と探してみた。
すると、法務省が集計した、矯正統計調査という資料があることがわかった。
矯正統計調査
矯正統計調査を見てみると、以下のような結果だった。
令和2年 新受刑者の罪名別 教育程度
総数 16,620人
- 小学校中退 17人
- 小学校卒業 31人
- 中学校中退 60人
- 中学校卒業 5,589人
- 高校在学 8人
- 高校中退 4,129人
- 高校卒業 5,001人
- 大学在学 21人
- 大学中退 624人
- 大学卒業 1096人
- 不就学 10人
- 不詳 34人
令和2年 新受刑者の罪名別 年齢
総数 16,620人
年齢別だと、一番多いのは45歳~49歳、また25歳~59歳の間での犯罪が多い。
【出典】矯正統計調査 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
以上の内容から予想すると、中卒、高校中退・高卒の場合に、刑務所、拘置所の被収容者になる場合が多いことになる。
そして、被収容者となる理由としては、刑法犯、窃盗犯が多い。
職に就けないために、窃盗を行ってしまうのかもしれない・・・
そう考えると、確かに勉強しないと、刑務所に入らないといけないというのは、あながち嘘だとは言い切れない。
学歴にお金を支払う日本
大学の4年間だけで自分は文系だとか理系だとか言ってる。
まぁ、中には体育会系だと言っている人もいるが今回は除外する。
文系の人でも物理的な思考が出来る人は多いし、理系の人でも精神論で語る人もいるので、大学の出身学部だけで決められるものではないし、大卒でも4年間何を学んできたの?と思える人も多い。
それでも、日本は学歴重視なので、仮に同じ年に大卒のAと高卒のBが入社した場合、大卒だというだけでAの方が基本給は高くなる。
しかし、会社にとってはBの方が利益を出してくれているかもしれない。
それでも、Aの方が給与が高いというのは、何とも不思議な話だ。
今のは極端な例ではあるが、一般的には年齢が4歳上というだけで、社会経験を積んでいるので、しっかりしていると感じる場合が多い。
まぁ大卒なので高卒と比べれば人生経験は多いので、それは仕方ないのだろうが、入社前の人間を結果で判断することもできないので、良い条件の人を募集しようと思えば学歴で判断するのは仕方ないことなのかもしれない。
しかし、年功序列を廃止して、世代交代を行うというのであれば、学歴で基本給を決める方法も見直す必要があるのではないだろうか?
日本の未来は、学歴社会からの脱却が鍵を握っていると考えている。