今週のお題「忘れたいこと」
あれ?
忘れたいこと? うん、確かに、たくさんある。
これは、書きやすいお題だと喜びました。
しかし、いざ、書こうとすると何一つ思い出せない。
たくさん、あったことは間違いない。
でも、思い出せない。
これって、「忘れたいこと」を忘れることができているってこと?(笑)
忘れたいことも、時間が経てば、古き良き時代の思い出だというなら、覚えているはず。
忘れたいけど、忘れられないってことは、思い出しているってこと。
思い出さずに、時間が経てば、忘れたいことは、脳内変換されて、そうでもないことに変えてくれる。
「そうでもないこと」になってしまえば、思い出さなくなるので、時間と共に「普通の出来事」になって忘れてしまう。
思い出した!
そんなことを、考えていると、一つ思い出しました。
場所は完全に忘れてしまったようで思い出せませんが、たくさんの人が出入りする人通りの多いビルの中でした。
ガラスの扉が見えずに衝突したことがありました。
ボーっとしていたわけでも考え事をしていたわけでもなく、意識はしっかりしてました。
それだけに、ガラスにぶつかった時には何が起きたのか、わかりませんでした。
ぶつかるまでは、何もない空間を歩いていたつもりだったので、ぶつかる!という意識もないので手でショックを抑えるということもできず、頭から手加減なしでぶつかったことになります。
ぶつかったあとに、頭を抑えながら前を見るとガラスの扉で、しかも締切になっている方でした。
よく、ガラスの扉が無事だったと思います。
あまりの恥ずかしさで振り返ることも、周囲を見ることも出来ずに、そのまま立ち去りました。
なぜ?
ずっと忘れていたことなのに、なぜ、この時のことを思い出したのかが、凄く気になった。
たくさんある、思い出したくないことの中で、なぜ、この時のことを?
ドクターXのように、「私、失敗しないので」というタイプではないので、失敗が少ないというわけではありません。
このため、数少ない失敗だから思い出したということではないはず。
しかし、「私、想定できない失敗しないので」とは言える気がします。
どういうことか?
たとえば、買い物に行って、いざ支払いする時になって財布を忘れたことに気づきます。
これって、家にいる時に、財布を忘れてはいけないと思っていたのに、持たずに出かけてしまったわけです。
つまり財布を忘れた時のことを想定していたわけです。
病院の待合室で別の人が呼ばれたのに立ち上がって返事をしてしまう。これも、聞き間違えてはいけないと思っていたのに間違えたので想定していたことです。
ホテル等でオートロックなのに、カードキーやキーを持たずに出てしまうと、凄く恥ずかしいので、キーを忘れてはいけない・・・と呪文のように言っています(笑)
これも、想定済みの「恥ずかしいこと」になります。
似たような内容で、車に鍵を入れたままロックしてはいけないというのもあります。
今はスマートキーが当たり前で、エンジンをかける時もロックをかける時もキーはポケットに入れたままなので、閉じ込めなんて心配は、まずないのですが、
スマートキーの前は、車の鍵の閉じ込めの心配がありました。
これは扉をロックする時は、扉を開けた状態で内側をロック状態にして、外側のドアノブを引っ張ったまま扉を閉じるとロックされるんですね。
このため、車の鍵を使わずにロックするのが日常だったので、うっかり車の中に鍵を残したままロックしてしまう危険性があったわけです。
ガラスの扉にぶつかったことは、目の前の全く見えていないのですから想定外も想定外です。
これが相当、衝撃的だったのだと思います。
まるで、歩いている前に突然、ガラスが飛び出てきたような感じです。
それで、記憶に残っているのではないかと思います。
ずっと、忘れてはいましたが、もはや、この時のことは「忘れられない」出来事になってしまったようです(笑)
人間の記憶は曖昧
忘れたいことは、忘れられず、忘れてはいけないことは、忘れる。
忘れたようで忘れていない。忘れていないようで忘れている。
人間の記憶というのは、曖昧なものです。