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もっと早く教えてくれよって思った内容を書いていきたいと思います。

売れたものが良いものではない。

国産OS TRON

国産OSが米国に潰されたかもしれないという番組が放送された。

東京大学坂村教授が開発した「TRON(トロン)」のことだ。

OSには汎用OSと組み込みOSがあって、パソコン用のOSとして有名な、WindowsやMAC OSは汎用OSになる。

組み込みOSというのは、車のエンジン制御、家電製品の制御などで使用する場合のものになる。

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坂村教授は、数年前まで騒がれていたIoTを約35年前に既に実現しようと考えていた。

IoTというのは色々な電気製品をネットワークに接続して外部から制御できるようにするというものになる。

35年前なので、まだWindowsの最初のバージョンがリリースされる前、MAC OSの最初のバージョンがリリースされた頃の話になる。

IoTが実用化されれば、通信端末のパソコンも使いやすくなっていないといけないということで、当時のパソコンでは当たり前だった、コマンドを入力することにより操作を行う方式を現在、WindowsMAC OSのように簡単に操作できるようにしないといけないということでBTRONを開発した。

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TRONのユーザーインターフェースは、キーボードとマウスの代わりにペンタブレットのような機器を一体にしたものになる。

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三つ巴の戦い?

テレビでは、Windows95のようなOSである、BTRONが完成したのは10年以上前と説明していたが、実際には、既にMAC OSは商品化されており、Windows1.0も開発はほぼ完了していたので、ほぼ同時期にパソコンの入力インターフェースを一新するOSが完成していたことになる。

しかし、BTRONが違うのは、当時の文部省・通産省教育用標準OSとして採用を決めようとし、パソコンメーカーも賛同していたが、著作権料などは一切取らないとした点だった。

坂村教授は今、コンピューターに必要なのは使う人が増えることであり、学校で使ってくれることは最高だという考えから無料提供にした。

日米の貿易争いの犠牲になった

しかし、時代は日本の勢いが凄くなり、半導体、品質の良い日本車が売れまくり、米国に対して貿易黒字が続いた。

そんな日本に恐怖心を持った米国はBTRONの学校教育用標準OS化を貿易障壁リストの候補に加えたのだ。

つまりアメリカにとってBTRONは貿易の不利益になる制度だとした。

これにより、BTRONを採用しようとしていたパソコンメーカーは参入を次々に見送った。

その後、坂村教授の訴えもあり、1年後に制裁対象からは外されたが、BTRONは商品化されることはなかった。

産業用では成功したTRON

しかし、産業用のITRONは現在も、組み込み系OSとしては色々な分野で使われており、有名なところでは、小惑星探査機の「はやぶさ」で使われているということだった。

ITRONは、今も日本だけではなく、世界中で使われている。

BTRONは無料で使えるにも関わらず、日の目を見ることなく陳腐化してしまった。

世の中には、このような理不尽なことが当たり前のように起きている。

CPU戦争

パソコンの頭脳ともいえる、CPUは現在、Intel製が中心になっている。

これは、DOS/V機と呼ばれていた世界標準仕様機でIntel製が採用されたことによる。

その頃、Intel製の8086というCPU以外にもモトローラー製のM68000というCPUが存在した。

M68000は使い方の取得も簡単で性能的に優れていた。

しかし、DOS/V機に採用されたのはIntel製のCPUだった。

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DOS/V機というのはIBM製のPCの仕様と互換性のある仕様のパソコンのことだった。

そして、そのIBMのPCに採用したのが、Intel製でコストを下げるために短時間で仕様変更ができたことから採用された。

性能ではなく、価格と納期で採用が決められたのだ。

性能的には、M68000の方が優れていたが、安価に短納期で対応できる方を選んでしまった。

ビデオ戦争

日本でも同じようなことは起きている。

家庭用のビデオデッキだ。

ビデオ戦争とも言われた、VHS vs ベータマックスの戦いだ。

まず、1975年にビデオテープが文庫本サイズのベータマックスを発売した。

その翌年に、ベータマックスよりビデオテープが大きいVHSを発売した。

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発売当初はベータマックスの方が画質・機能的にも上だった。

しかし、VHSは録画時間に重点を置いたことで消費者に受け入れられた。

ベータ方式も録画時間を長くするように工夫を重ねたが、その結果、テープ速度が遅くなりすぎて、本来、VHSより優れていた画質が悪くなる結果となった。

更にVHSは部品点数が少ないことからコストが安く済むということで、徐々に差は開いていき2002年でベータ方式の生産を中止するという発表によりVHSの勝利で終わった。

ビデオ戦争もコストが最終的に勝負を決めたことになる。

安いものが勝つ

世の中は、安いから売れるのであって、良いものでも高ければ売れない。

MACの方が先に販売していたにも関わらず、Windowsパソコンの方が売れたのも、結局はMACより安いからで、パソコンOSとしては、WindowsよりMACの方が安定性、性能共に上だと思う。

それでも、Windowsの方が普及したのは安価で、一般の人が使いやすいように作られていた。

使いやすいだけでなく、安いというのは普及させるためには必要なことだ。

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しかし、例外もある。

それが、iPhoneだ。

レアな商品が価格高騰ということは、よくあるが、大量に出回っているのに、それでも毎年、価格が上がっていくiPhoneは、安くないと普及しないという、これまでの常識を打ち破った。

正直、初代のiPhone以外は二番煎じという感じで初代の頃のような魅力は無くなった。

それでも、新製品が発表される都度、世界が注目するのは、もしかして?という期待からだと思う。

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それほど、初代iPhoneの発表は衝撃的だった。

iPhoneの新製品が発表される都度、スティーブ・ジョブズの凄さを思い知らされている。