Dynabook株式をシャープに完全売却という見出しを見つけて、気になったので読んでみました。
東芝は2020年8月4日、ダイナブックの株式全保有分(19.9%)をシャープに売却したと発表した。東芝は2018年にダイナブック株式80.1%をシャープに売却しており、今回の売却でダイナブックはシャープの完全子会社になった。ダイナブックの手掛けるパソコン事業はかつて東芝の主力事業だった。
これでDynabookも、完全に東芝から離れてしまったんだなぁ、最近は低価格路線で頑張っているようには思いますが、詳しくは見ていないので、性能・品質については、よくわかりません。
世界初のノートパソコン
東芝のDynabookと言えば、日本が誇る世界初のノートパソコンでした。
正確にはノートパソコンではなく、ラップトップパソコンと呼ばれていました。
ディスプレイとキーボードが一体になった膝にのせて使えるパソコンという意味ですね。
しかし母体である東芝で2015年に発覚した不正会計問題、それに米原発子会社での巨額損失が加わったことで経営危機に陥り、2018年10月シャープにDynabookを売却(株式の約8割)することになります。
僕はDynabookの品質を評価していたので、個人的にもDynabookを使用していた時期がありました。
その頃、価格的にはDELLが安かったのですが、今では当たり前になってしまった検査なし出荷だったので、とにかく初期不良が多かったです。
キーボードが浮いているとか、キーの一部が入力できないとか、RS-232Cポートが動作しないといった検査をしていればわかるような不良品が当たり前のように納品されエンジニアの人が修理に来ていて、検査なしで出荷しても充分に元は取れているということを話されていました。
しかし、東芝のDynabookは国内生産ということもあり品質面で安心して使うことができました。
しかし、中国が世界の工場だと言われるようになった頃からDynabookの品質が悪くなってしまい故障が増えてきました。
東芝の担当の方に、最近、故障が多いことを伝えると東芝でも不良が少ないので出荷検査をやめたというんです。
パソコンも自動化が進んだことでロボットや機械で同じように作れば、同じものしかできません。
稀にしか出ない不良のために時間をかけて検査をするのは無駄だという考えです。
更に国内生産から海外生産に変わったという話もされていたと記憶しています。(出荷検査をやめたことに驚き、国内生産の点については忘れてしまいました。)
この頃、パソコンも台湾のEMS(製造だけを請負う工場)生産が増えて、ノートパソコンの安売りが加速していました。
Dynabookも、流石に価格競争に加わらないと売れないということで検査なし出荷に変えざる得なかったようです。
DELLやHPと同じになってしまえば、Dynabookに拘る理由はなくなります。
以後は、価格優先で選定し不具合が多くなるとメーカーを変えるということを繰り返していましたが、価格が高いためDynabookを使用することはありませんでした。
その後、Dynabookが再度、方向転換をして品質重視に戻ったという話を聞いた記憶がありますが、その頃にはDELLやHPの品質も安定していたので、価格が高くなったDynabookを採用する意味はもはやありません。
Dynabookは、価格競争には乗らずに、品質を維持することを最優先にしていれば品質に拘るユーザには需要があったはずですが、東芝はその需要を切り捨てたことでユーザーが離れる結果になってしまったのだと思います。
それから随分と年月が経過した今、Dynabookがセールス電話をしてくるようになりました。
それまで、Dynabookからセールス電話ということは、なかったので驚きました。
シャープに売却されたことで、営業方針が変わったのでしょう。
1か月に1回程度、 アポ取りの電話がかかってくるようになりました。
シャープに売却されて、Dynabookが、どのように変わったのかは興味があったので、購入予定があったノートパソコンの選択肢に加えることができるのかを確認しようと思って、営業担当からの電話を依頼してみました。
その後、ずっと電話はなく3週間くらい過ぎて、こちらが忘れていた頃に電話がありました。
やる気のない感じの方でした。
既に購入が終わっていたので、今更、遅いと思いつつも、話は聞いてました。
それに、そっちからアポ取り電話をしておいて、この営業マンの態度はなんだろ?という思いもありました。
こちらも、仕方ない感じで仕様を伝えると、そのような仕様のものはDynabookには、ありませんという、残念な回答でした。
これでは流石に話にならないので、そうですか。と電話を切りました。
その後も、アポ取りの電話がかかってくるので、その時のことを伝えると謝罪はしていましたが、この人たちは一体、何をしたかったのでしょうか?
今回の電話でDynabookは更に酷い状態になっているように感じました。
Dynabookに限らず、日本のノートパソコンは公私共に使わなくなりました。
日本のノートパソコンは、高くて低スペックです。
DELLやHPは世界を相手に販売していますが、NECや富士通、Dynabookはもはや世界で戦えません。
世界のPC出荷台数のランキングは以下の通りです。
日本メーカーの名前はありません。
日本はパソコンでもスマートフォンでも世界的には完全に置き去り状態です。
国内ではNECやマウスコンピュータという名前が売れ筋に上がってきていますが、今では価格、品質、サポート、全ての面において日本製を選ぶ理由は見当たりません。
Dynabookも、今となっては、日本にとっての古き良き時代に一世を風靡した過去のパソコンになってしまったのでしょうね。