コオロギのなぜ
秋の夜になると、家の外からコオロギの鳴き声が聞こえるようになる。
なぜ、鳴くのだろうか?
なぜ、夜なのだろうか?
今まで、考えたこともなかったが、突然、気になってしまった。
鳴く理由から調べてみた。
これには、3つの理由があるらしい。
- 鳴くことで、ここが自分の縄張りであることを宣言している。
- 他のオスの虫が侵入してきた時に脅すのに鳴く
- メスの虫を呼び寄せている。
この三つの理由は虫が鳴く理由について書かれているサイトで共通する内容になる。
理由についての疑問
虫のことなのに、なぜ、言い切れるのか疑問を感じた。
縄張りだと宣言する鳴き方と、メスを呼び寄せる時で泣き方が変わるはずだ。
人間に置き換えて考えると、縄張りを宣言するときは「ここは、俺の縄張りだぞぉ誰も入ってくるんじゃないそぉ〜」と言うし、メスを呼び寄せる時なら、「こっちに、おいでよ、楽しいよぉ〜」って感じになるはずだ。
簡潔に言い換えると、前者は「来るな」ってことで、後者は「来てね」ってことになる。
正反対のことを鳴くことで表現していることになる。
コオロギは合理的
これも調べてみた。
例えば、コオロギが一匹でいる時は、「コロコロコロ」と大きな鳴き声を出す、一人鳴き、敵が侵入してきた時には、「キリキリキリ」と鳴く脅し鳴き、メスが来た時には「コロコロリー」と優しく鳴く、誘い鳴きと鳴き方を、使い分けているようだ。
コオロギのメスは鳴かないので鳴いていればオスということになる。
つまり鳴いていれば自分はオスということになるので、特に鳴き声に意味を持たせなくても普通に鳴くだけで、ここは俺の縄張りでオスなんだと宣言していることになる。
そこへ、鳴くコオロギがやってくれば、オス、鳴かないコオロギがやってくればメスということになり、来た相手により「キリキキリ」「コロコロリー」と鳴き方を使い分けている。
虫の世界では、このような合理的な仕組みができていたのかと感心してしまった。
コオロギの鳴き声で気温がわかる?
次に夜に鳴く理由は、コオロギは夜行性だからということになるが、厳密には昼間に鳴くこともあるようだ。
虫は気温の影響を受けて生きている変温動物なので、コオロギは気温が低いとゆっくり鳴き、高くなるとテンポが速くなる。
一時期、コオロギが15秒間に泣いた回数で気温がわかるという公式がSNSで書かれて話題になっていた。
虫は変温動物なので気温で泣き方に変化はあることは間違いないが、温度まで求められるかというと、コオロギの種類により変化は異なるので一つの公式で簡単に決められるものではないようだ。
コオロギが鳴くのに適した気温20℃〜30℃だということなので、気温が下がってきた秋の夜というのは、コオロギが鳴くのにベストな状態ということになる。
コオロギの耳は4つ
色々と調べているうちに、コオロギの鳴き方の違いを実際に聞いてみたいと思って、窓を少し開けて寝てみた。
「コロコロコロ」という鳴き声が、ずっと続いたが、「コロコロリー」「キリキリキリ」という鳴き声は聞こえてこない。
おそらく、時々、鳴き声が聞こえなくなる時があって、そのタイミングが鳴き方が変わったのだと思う。
しかし、鳴き声も小さくなってしまい、聞こえなかったということなんだと思う。
調べていて、もう一つ、わかったことがコオロギにも耳があるということだ。
耳の場所は意外にも前足の脛の部分に全部で4つもあるそうだ。
コオロギには頭に触覚、尾端の尾毛で周囲のことを感知することができる。
そして耳が足の部分にあることで、地面近くの音を感知することができる。
足についている鼓膜は高性能で、鳴き声が出されている位置まで把握できるのでコオロギにとってのレーダーのような役割を果たしているということだ。
コオロギと人間の違い
そう考えると人間というのは全てのセンサーが顔の部分に集中している。
目、耳、鼻と人間の主要なセンサーは全て顔に集中している。
手と足が、コオロギの触覚、尾毛に相当するのかもしるないが感度はコオロギとは比較にならないほど鈍いはずだ。
人間も足に耳があるとまた違ってくるような気もするが、人間は人間でなんらかの理由があっていまの形態になっているはずだ。
しかし、コオロギとは違う理由だと思う。
人間には声から相手の位置を把握する理由はないし外敵から身を守る必要もコオロギと比較すれば少ない。
コオロギの鳴き声から疑問を感じたことで、コオロギというのは実に合理的にできている生き物だということを知ることができ、更に人間についても考えさせられた。
これから短い間ではあるが、過ごしやすい時期になるので、気楽な気分で身近なことにも関心持って過ごしてみたい。